この記事は playpark Blog からの転載です。
この記事で分かること
- Claude Code Agent のTask toolでsubagentを「分業させる」運用に至った背景
- 4種類の専門subagent(architect / implementer / reviewer / test-writer)に分けた検証設計
- 並列起動から得られた判断材料(速度・トークン消費・統合コスト)
背景: こういう疑問があった
Claude CodeのTask toolでsubagentを並列起動できるのは知っていた。ただ「1つのagentに全タスク投げる」のと「役割ごとにagentを分ける」で、どちらが実案件で機能するのかは正直分からなかった。
「役割を分けたほうが綺麗そう」というのは設計者の感覚論であって、トークン消費・実行時間・統合コストを含めて優位かどうかは別問題。受託案件で約1ヶ月回した上で、判断材料を残す。
仮説
- 仮説1: 役割を分けるとsubagentごとの読込ファイル数が減り、トークン消費は単純合算より小さくなる
- 仮説2: subagent並列化は統合フェーズで詰まり、「4並列 = 4倍速」にはならない
- 仮説3:
tools:を絞ることでsubagentの「逸脱」(レビューのはずがリファクタリング)を抑止できる
検証設計
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検証対象 | Claude Code Agent (Task tool + .claude/agents/) |
| 検証案件 | 採用管理システムの受託開発(2人チーム) |
| 期間 | 約1ヶ月 |
| 比較対象 | 「メインセッション単独」vs「4分業 + 並列起動」 |
| 測定 | usage ログのトークン消費、PR数、マージまでの時間 |
4分業の役割設計
| Subagent | 担当 | 渡す tools:
|
|---|---|---|
| architect | スキーマ変更・API設計・影響範囲の洗い出し | Read, Grep, Glob |
| implementer | コード実装・マイグレーション生成 | Read, Edit, Write, Bash |
| reviewer | diffレビュー・設計ポリシー準拠チェック | Read, Grep, Bash |
| test-writer | Vitest ユニット/統合テストの追加 | Read, Edit, Write, Bash |
なぜこの4分業かと言うと、それぞれ読むべきコンテキストの粒度が違うから。architect は「DBスキーマ + API全体」を俯瞰する必要がある一方、implementer は「今触っているファイル周辺」だけ深く読めば済む。同じタスクを1つのagentに投げると、全部を読み込もうとしてトークンが膨らむ。
検証コード: subagent定義の最小例
---
name: pr-reviewer
description: |
PRのdiffをレビューする専門agent。
Use when: PR番号やブランチ名を指定してレビュー依頼されたとき。
tools: Read, Grep, Bash
---
# PR Reviewer
採用管理システムのコードレビュー担当。
## レビュー観点
1. 型安全性(any混入、Zod validation)
2. 楽観ロック(updatedAtベースの競合検出)
3. 権限分岐(admin / assistant)
4. テスト追加の有無
## アウトプット
- 🔴 Must Fix
- 🟡 Should Fix
- 🟢 Nice to Have
tools: を絞ることで、reviewerが勝手にEditしてリファクタリングを始める事故を防げる。
結果
| 仮説 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| 仮説1: トークン削減 | 各subagentで読込ファイル数が体感1/3〜1/4に | △(並列分の重複で総量は1.3〜1.6倍) |
| 仮説2: 統合律速 | マージフェーズが最大ボトルネック | ○ |
| 仮説3: 権限縛り | Edit/Writeを渡さないreviewerは指摘のみで止まる | ○ |
仮説1は「ファイル単位の読込は減るが、並列起動分のオーバーヘッドで総トークンは増える」という形で部分的にしか成立しない。「役割分業 = トークン節約」とは単純に言えない。
仮説2は明確に成立した。並列で4本走らせても、統合フェーズで人間(とメインセッション)が手作業を入れる必要があり、ここを設計しないと速度効果がほぼ消える。
結論: どう判断すべきか
「subagentを並列で増やせば速くなる」ではなく「統合可能な単位に分解できれば速くなる」が正しい。サブスク枠(Claude Pro / Max 5x / Max 20x / Teams)でAgentを並列実行すること自体は現実的だが、速度効果は事前のファイル境界分析と統合フローの設計に依存する。
最初から4並列を組まず、まず reviewer 1本だけ を .claude/agents/pr-reviewer.md に切り出すところから始めるのを推奨する。指摘の質が安定してから implementer / architect / test-writer を順に増やすと、統合事故が起きにくい。
さらに深掘りしたい方へ
この記事ではsubagent分業に至った背景と検証設計を中心に解説しました。
【Claude Code Agent】Task toolで専門subagentを並列起動し、採用AI案件を分業した実践 ではさらに:
- 1日の並列実行ログ(Textarea / レスポンシブ / 評価サマリ / 楽観ロック改善)
- Claude Pro / Max (5x / 20x) / Teams プランごとの運用コスト感
- subagent同士を会話させないHub-and-spoke構成の判断理由
を扱っています。
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