はじめに

言語生成AIに質問（愚問）を投げると、「面白い視点ですね！」とか「いい質問ですね！」とか「鋭い意見です！」とほめてくれる。
なんとなく違和感があったが、「世界一流エンジニアの思考法」という本にアメリカでは気軽に質問できる（質問を歓迎する）文化的気質があると読み、このことが生成AIにも反映されているのではと思った。
ので、少しだけ調べてみた。

調査結果

まずは本の通り、アメリカの技術系のカンファレンスや社内ミーティングでは、「That’s a great question」というフレーズが頻繁に使われる。
かつ、生成AIの訓練データは、推定では全体の約70~80％が英語のデータである。よって、英語圏の文化が多分に反映されていると思われる。
ただ、「英語圏文化が反映」=「AIがほめる」とは言い切れない。文化的模倣ということだけでなく、ユーザー体験の設計意図（UX設計：生成AIがどんなふうに振る舞うかを意図的にデザインすること）も影響していると考えられる。

補足：英語偏重の背景
OpenAIやAnthropicなどが開発するLLMは、主に以下のようなデータを使用している。

Common Crawl（英語中心のウェブアーカイブ）
Wikipedia（英語版が最大）
BooksCorpus、OpenWebTextなど（英語が主）

補足：生成AIのUX設計
OpenAIやMicrosoftなどは、ユーザーが安心して対話できるように、ポジティブで受容的な応答スタイルを意図的に設計している。

まとめ

AIが人間を参考にするように、人間（とくに日本人）もAIを参考にして、質問を歓迎する文化が育まれるといいな。