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Fin-JAWS 第42回 re:Invent2025 〜re:Cap〜

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Fin-JAWS 第42回 re:Invent re:CapにAWSを全く無知な私がイベントに参加してきました
渥美俊英さんの講演をどうしても聴きたく参加させていただいたのですが、無学な私でも素晴しい講義が多く、NotebookLMにまとめてもらいました。

Fin-JAWS 第42回 re:Invent2025 〜re:Cap〜

1.0 はじめに:re:Invent の熱狂と金融業界への示唆

本レポートは、金融業界に特化したAWSユーザーグループであるFin-JAWSが主催した「re:Invent re:Cap」イベントの要点をまとめたサマリーです。ラスベガスで発表された膨大なアップデートの中から、日本の金融機関にとって真に価値ある情報は何か。その問いに答えるべく、本レポートでは各セッションで共有された専門家の洞察を分析し、AWSの最新技術動向がもたらす戦略的示唆を明らかにします。イベントの幕開けとして行われたAWS 野上 忍さんの基調講演は、生成AIからセキュリティ、コスト最適化に至るまで、re:Invent の核心的テーマが金融DXといかに結びつくかを示し、イベント全体の方向性を指し示しました。本レポートを通じて、各セッションの核心的な議論を深掘りし、次世代の金融IT戦略を構想するための一助となれば幸いです。

2.0 基調講演:AWS re:Invent 金融関連アップデート総括

2.1 主要テーマの分析

AWS 野上 忍さんの講演では、re:Invent で発表された数々のアップデートが、金融業界のデジタルトランスフォーメーションをいかに加速させるかという視点から整理・解説されました。特に、生成AI、セキュリティ、コスト最適化といったテーマが、単なる技術トレンドではなく、金融機関が直面するビジネス課題を解決するための戦略的要素として位置づけられました。

2.2 金融業界特有の課題とAWSのソリューション

野上さんの講演は、厳しい規制対応、高度なセキュリティ要件、そしてレガシーシステムからの脱却といった金融業界特有の課題に焦点を当て、AWSの最新サービス群がどのようにこれらの課題に対する具体的な解決策を提供するかを明らかにしました。AWSが金融業界の固有のニーズを深く理解し、それに応えるソリューションを継続的に提供している姿勢が示されました。基調講演で示された大きな方向性を踏まえ、以降のセッションでは、より具体的な技術実装の議論へと移っていきます。

3.0 AIエージェントの実装とデータ戦略:大和総研からのインサイト

AIエージェントは、金融業務の自動化と高度化を牽引する中心的な役割を担いつつあります。顧客応対の効率化からリスク分析の精密化まで、その応用範囲は多岐にわたります。このセクションでは、AIエージェントの具体的な実装方法と、その根幹を支えるデータ管理のベストプラクティスを探求します。特に、大和総研による理論から実践までをカバーする発表は、金融機関がAIを安全かつ効果的に活用するための重要な知見を提供します。

3.1 LT#1: 「Policy in AgentCoreの書き方」

株式会社大和総研の河野里実さんによる本セッションでは、AIエージェントの挙動を制御し、金融機関に求められる厳格なコンプライアンスとガバナンスを確保するためのポリシー設定の重要性が論じられました。

3.2 LT#2: 「Code Talks から学ぶ、AIエージェントのデータ分離」

株式会社大和総研の粟ヶ窪康平さんによる本セッションでは、AIエージェント開発におけるデータ分離の必要性に焦点を当て、セキュリティとプライバシーを確保するためのアーキテクチャ設計の勘所が解説されました。

お二人のセッションでは、このような高度なAIシステムを構築・運用する上で、その安全性を確保するセキュリティ対策は不可欠な要素となります。

4.0 AWS Security Agent:次世代のセキュリティ対策

金融機関にとって、セキュリティは単なる技術課題ではなく、顧客の信頼と事業継続性を支える経営の最重要課題の一つです。このセクションでは、re:Inventで注目された「AWS Security Agent」に焦点を当て、その機能と可能性を多角的に分析します。会場スポンサーであるQUICK E-Solutionsと、金融システムのセキュリティをリードするみずほリサーチ&テクノロジーズの専門家による解説は、この新しいツールが次世代のセキュリティ対策においてどのような役割を果たすのか、深い理解をもたらしました。

4.1 LT: AWS Security Agent 概要

株式会社QUICK E-Solutionsの齋藤優真さんによる発表では、AWS Security Agentが従来のセキュリティ対策と一線を画す、プロアクティブな脅威検知と対応を実現するツールであることが解説されました。

4.2 LT#3: AWS Security Agent Deep Dive

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社の仁賀井球人さんによる深掘り解説では、金融機関の実際のユースケースを想定し、AWS Security Agentがインシデント対応をいかに自動化・効率化するかの技術的な仕組みとその利点が具体的に説明されました。セキュリティという「守り」の技術が、いかにビジネスの俊敏性を高めることに貢献できるかが示されたのです。そして、この堅牢な守りを基盤に、次は運用効率化とコスト削減という「攻め」の技術へと視点を移します。

5.0 運用の未来:AIによるコスト監視とデータベース戦略

クラウド活用の深化に伴い、システムの運用は複雑化し、コスト管理の重要性は増す一方です。このセクションでは、「運用を捨てる」という先進的なコンセプトを掲げ、AIを活用したコスト最適化や、パフォーマンスとコスト効率を両立させるデータベースの最新戦略を探求します。

5.1 LT#4: 「運用を捨てる」技術とAIエージェントによるコスト監視

アイレット株式会社の江崎真二さんの発表では、「運用を捨てる」という provocative なコンセプトの真意が解説されました。AIエージェントが従来の監視ツールを凌駕し、いかにプロアクティブなコスト管理と自律的な問題解決を実現するのか、その未来像が語られました。

5.2 LT#5: データベースのコスト戦略とオブザーバビリティの進化

株式会社野村総合研究所の朝日英彦さんの発表では、re:Inventで発表されたデータベース関連のアップデートの中から、特に金融機関のコスト削減とパフォーマンス向上に直結するものが解説されました。また、オブザーバビリティの進化が、障害対応の迅速化だけでなく、コスト最適化の観点からも極めて重要であることが論じられました。これら個別の技術トピックの議論を通じて見えてきた大きな潮流は、イベントの最後に語られたWerner Vogels氏のメッセージへと繋がっていきます。

6.0 特別講演:Dr. Werner 最後のメッセージ ~世界を re:Invent し続けよう

Fin-JAWS運営の渥美俊英さんによる本セッションでは、20年近くにわたりAWSの技術思想を牽引してきたAmazon.com CTO、Werner Vogels氏のre:Inventにおける最後の基調講演から、日本の技術者やビジネスリーダーの心に響くメッセージが抽出されました。技術の進化の先にある未来像、そしてイノベーションを絶え間なく生み出し続けるための心構えが、熱く語られました。

7.0 総括:Fin-JAWS re:Capから得られる金融業界の未来像

今回のFin-JAWS re:Capイベントは、AWS re:Invent で示された技術革新の波が、日本の金融業界に具体的な変革をもたらす段階に来ていることを明確に示しました。議論された主要テーマであるAIエージェント、次世代セキュリティ、AIによるコスト最適化、そしてデータベース戦略は、それぞれが独立した技術トピックでありながら、相互に連携することで「自律的で、安全かつ高効率な次世代金融システム」という未来像を描き出します。生成AIが業務プロセスを高度化し、Security Agentがその安全を自律的に守り、AI監視エージェントがコストと運用を最適化する。このサイクルこそが、これからの金融機関における競争力の源泉となるでしょう。

本レポートで得られた洞察を明日からの業務に活かすため、特に重要な3つのアクションアイテムを以下に示します。

  • 生成AIの実践的導入の加速 大和証券の事例が示すように、生成AIは概念実証(PoC)の段階を終え、実際の業務課題を解決し、具体的なビジネスインパクトを生み出すフェーズに入っています。まずは特定の業務領域にスコープを絞り、AWS Bedrockなどを活用した迅速なプロトタイピングから着手すべきです。
  • プロアクティブなセキュリティ体制の構築 インシデント発生後の対応(リアクティブ)から、脅威の予兆を検知し、未然に防ぐプロアクティブなセキュリティへとマインドセットを転換する必要があります。AWS Security Agentのような新しいツールを活用し、セキュリティ運用の自動化と高度化を推進することが不可欠です。
  • AIドリブンな運用最適化へのシフト 「運用を捨てる」というコンセプトは、人手による運用からAIによる自律的な運用へのパラダイムシフトを意味します。コスト監視や障害対応にAIエージェントを導入し、エンジニアがより創造的で付加価値の高い業務に集中できる環境を構築することが、持続的な成長の鍵となります。

そして、特別講演で語られた内容のDw.Wanerについてはこちら

AWS re:Invent 2025における、Amazon.com CTO Dr. Werner Vogels(ワーナー・ヴォーゲルズ)氏の「最後の基調講演(Keynote)」について、提供された資料に基づき要点をまとめます。

彼は14年間にわたりこのステージに立ち続けてきましたが、今回で基調講演からの「卒業」を発表し、次世代の新しい声に道を譲ることを表明しました。

講演のテーマは「AI時代における開発者の進化」であり、エンジニアに対し「ルネサンス・デベロッパー」になることを提唱しました。

1. AIに対する核心的なメッセージ

世界中のエンジニアが抱く「AIに仕事を奪われるのか?」という不安に対し、彼は以下のように答えました。

  • 「AIは私を時代遅れにするか? 絶対にない……ただし、あなたが進化し続けるなら(Absolutely not… if you evolve.)」
  • 「仕事はツールのもの(not that of the tools)ではなく、あなた自身のもの(The work is yours)である」
    AIはコードを書く手助けをしますが、その品質、セキュリティ、ビジネス価値に対する責任は依然として人間(エンジニア)にあると強調しました。

2. 新たなエンジニア像:「ルネサンス・デベロッパー」

ヴォーゲルズ氏は、技術の転換期を「ルネサンス」になぞらえ、これからのエンジニアに必要な**5つの資質(フレームワーク)**を提示しました。

資質 内容 具体例・教訓
1. 好奇心
(Curiosity)
常に新しい技術や解決策を探求し続けること。失敗を恐れず実験し、コミュニティで社会的に学ぶ姿勢。 「真の学習は、失敗するリスクを取って主体的に取り組んだ時にのみ起こる」
2. システム思考
(Think in Systems)
個別のコードだけでなく、システム全体の相互作用や影響を俯瞰する能力。 イエローストーン国立公園のオオカミ再導入(生態系全体への影響)の例え。
3. コミュニケーション
(Communication)
曖昧な自然言語ではなく、正確な仕様(Spec)を通してAIや人間と意思疎通する能力。 **「仕様駆動開発(Spec-driven development)」**の提唱。AIへの指示を明確化する。
4. オーナーシップ
(Ownership)
AIが生成したコードに対し、品質と結果に責任を持つこと。「Vibe coding(雰囲気でのコーディング)」への警鐘。 Amazonの「アンドン・コード(異常時にラインを止める仕組み)」のように、品質を担保するメカニズムを持つ。
5. ポリマス
(Polymath)
深い専門性(I型)に加え、幅広い知識(T型)を兼ね備える「博識家」になること。 データベースの巨匠Jim Grayのように、ハードからビジネスまで全体を理解する姿勢。

3. 歴史的観点と未来へのバトン

ヴォーゲルズ氏は、過去のアセンブリ言語からクラウドへの移行といった歴史を振り返り、ツールが進化しても**「ビルダー(開発者)の精神」**は変わらないと説きました。

  • 運用の誇り:
    誰も見ていない深夜でもシステムを正常に稼働させ続ける「運用の卓越性(Operational Excellence)」こそが、最高のビルダーを定義すると語りました。
  • 最後の言葉:
    講演の最後は、**「Werner, out.(ワーナー、以上)」**という言葉で締めくくられ、会場はスタンディングオベーションに包まれました。

この基調講演は、AIを単なる脅威ではなく「進化のためのツール」と位置づけ、エンジニアに対して**「知識(Know)だけでなく、学ぶ意志(Willing to learn)」**を持ち続けるよう鼓舞する、次世代へのバトンタッチの場となりました。

登壇された皆さま、開催された皆さま、QUICKの皆さま 貴重なお時間をありがとうございました

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