多視点幾何学の概要理解のためにエピポール、エピポーラ線、エピポーラ拘束について書いていきます。
エピポーラ幾何学
エピポーラ幾何学は、多視点画像から三次元構造を理解するために用いられる幾何で主にコンピュータービジョンの分野で用いられています。
今回の内容
(wikipedeiaより画像引用)
ご存知の通り、一般的なRGBカメラで撮影された写真は、三次元空間を切り取って二次元に映し出します。そのため、三次元空間上にあった距離などの情報が失われているため一枚の写真からは写真に映されている三次元空間を把握することができません。では、2枚の写真ではどうでしょうか?
上の画像を使って説明します。この画像では、物体XをLeft viewとRight viewの視点にある二台のカメラで撮影しているところを表しています。点OLと点ORは左右それぞれのカメラの中心を表しています。これから説明することは点X点OL点ORの三点を結んでできるエピポーラ面で起こる出来事です。
今、一枚(Left view視点)の写真を見ているとします。写真に撮った物体Xは直線OL,XLの直線延長線上にありますが点OLから見た場合その距離はわかりません。そこで点ORから撮影されたRight viewを使うことにしましょう。Right viewからだと、直線OL,XLの直線延長線上に存在しているはずの点XがRight view上に映された直線OL,XL、つまり赤線上に見つけられます。この赤線をエピポーラ線と呼びます。長々と書いてきましたが、Left viewにおける点XLを見つけるためにはRight view上のエピポーラ線を探せば見つけられます。これをエピポーラ拘束と言います。このように、異なる視点から撮影した写真はエピポーラ線を持つのでそいつを見つけてあげましょう。さてここで、異なる視点の画像から一枚の画像では把握できなかった物体Xの位置がもう一枚の画像から見つけられるのはわかったけどLeft viewとRight view自体はどうやって位置づけるのかがわかりません。ではLeft viewとRight viewの位置を把握するためにエピポールについて調べます。上の図で点OLとORを結んだ直線を見てください。この直線上に存在する点eL点eRがそれぞれエピポールと呼ばれるものです。エピポールは左右それぞれの中心を結ぶ直線と画像平面の交点に存在します。点eRは点OLのRight viewに対するエピポールで点eLは点ORのLeft viewに対するエピポールです。このエピポールは全てのエピポーラ線が通る点でもあるので複数のエピポーラ線の交点を探すとエピポールが見つけられます。
今回は点Xについて調べましたがこれを複数の点において行うことでより正確に多視点画像から三次元を把握することができるようになります。