前回の続き
経営戦略、事業戦略、機能戦略、財務戦略を立ててきました。次に必要なことは、コーポレートガバナンスです。
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンスとは、企業経営を規律付け、効率的かつ健全な企業活動を実現するための仕組みで、経営の透明性確保、経営効率の向上、企業価値の最大化、ステークホルダーとの適切な関係構築などを目的として作成していくものです。
これらは、成長をしていく上で将来的に資金調達を進める上でも重要な評価ポイントになります。
ではどんな事をしていけば良いのでしょうか?
これは、正直言って、僕もまさに今ここを作成してる所なので、一緒に考えてみましょう。というスタンスでの発信になってしまうのですが、
まずは、今までの起業フェーズと違って、ガバナンスをしっかりする必要がある理由を押さえておく事が大事です。そこで、ガバナンスとは?という所からしっかり押さえておく必要があります。調べてみましょう。
ガバナンスとは
ガバナンス(Governance) とは、組織や社会の運営や管理の仕組みを指します。具体的には、組織や社会が目標を達成し、持続可能で安定した運営を行うために、意思決定、規則、手順、監督、調整などを通じて管理を行う仕組みやプロセスのことを指します。
調べてみると、このように書かれています。
権力は腐敗する
これは、イギリスの歴史学者で政治家のジョン・エメリッヒ・アクトンが、書籍の中で
“Power tends to corrupt, and absolute power corrupts absolutely. Great men are almost always bad men.”
と言ったところから広まった考え方ですが、これは僕自身も色々と思うところがあって、基本的には何もしなければ権力は腐敗すると考えてます。それが人間のさがなのかなぁと思っています。
そこで、ガバナンスが重要になってくると言う事ですね。持続可能な仕組みをきちんと作っておかないと、権力は腐敗するので、以下のような仕組みづくりが必要になってきます。
具体的なガバナンスの仕組み
意思決定プロセスの透明化
- 取締役会での決議事項の明確化
- 重要な意思決定の記録と保管
- 決裁権限の明確な基準設定(金額や案件の重要度による)
チェック&バランスの仕組み
- 社外取締役による監督機能の確保
- 監査役による業務監査の実施
- 内部監査体制の構築
- 外部専門家(会計士、弁護士等)の定期的な関与
リスク管理体制の構築
- コンプライアンス違反の防止
- 財務リスクの管理
- 情報セキュリティの確保
- レピュテーションリスクへの対応
ステークホルダーとの関係構築
- 株主(投資家)との適切な対話
- 従業員との健全な関係維持
- 取引先との公正な取引関係
- 地域社会への貢献
起業初期のガバナンスの段階的な導入
起業初期の段階では、一度にすべての体制を整えることは現実的ではないので、以下のような段階的な導入がいいのかなと考えてます。
Phase 1:基本的な土台作り(即時〜3ヶ月)
取締役会の運営ルールの確立
- 月次開催の定例化
- 議事録の作成と保管
- 重要議題の選定基準
基本的な規程類の整備
- 職務権限規程
- 稟議規程
- 経理規程
重要な業務フローの文書化
Phase 2:監督機能の強化(3〜6ヶ月)
- 社外取締役の招聘
- 監査体制の確立
- リスク管理の基本方針策定
- コンプライアンス体制の基礎構築
Phase 3:持続的な体制の確立(6ヶ月〜1年)
- 内部統制システムの整備
- 定期的な監査・モニタリング
- 従業員教育・研修制度の確立
- 情報開示体制の整備
ガバナンス強化のポイント
- 形式ではなく実効性を重視
- 単なるルール作りではなく、実際に機能する仕組みを目指す
- 現場の実態に即した運用可能な制度設計
- 定期的な見直しと改善
成長に合わせた柔軟な進化
- 組織の成長段階に応じた体制の見直し
- 新たな事業リスクへの対応
- ステークホルダーの期待に応える体制強化
企業文化との調和
- ガバナンスと企業理念の整合性確保
- 従業員の理解と協力を得る工夫
- コミュニケーションの活性化
このように、ガバナンスは単なる「制約」ではなく、持続的な成長を支える「基盤」として捉える必要があります。特にスタートアップ企業においては、成長のスピードを維持しながら、いかに適切なガバナンス体制を構築していくかが重要な経営課題となります。
権力の腐敗を防ぎ、健全な企業運営を実現するためには、このような意識的な仕組みづくりと継続的な改善が不可欠になるので、これは経営者自身が率先してガバナンスの重要性を認識して、実効性のある体制構築に取り組むのが良いと思います。
と言うことで、僕も絶賛計画やら何やら作成してますが、これまた人が足りないのでこの辺り一緒にやってくれる人絶賛募集してます。