こちらの続きです。
経営戦略、事業戦略、機能戦略、財務戦略、コーポレートガバナンス、人材マネジメントときたら、次はIRです。
ほんとは、IRの前に管理会計など重要な事もありますが、それは財務戦略でCFOと一緒にやった方がいいのでそちらで抑えておくとして、IRについて見ていきましょう。
IR
IRについて、特にスタートアップ企業の経営者が押さえるべきポイントを解説していきます。
IR (Investor Relations) の基本
1. IRの目的
- 投資家との適切なコミュニケーション維持
- 企業価値の適切な評価の獲得
- 安定的な資金調達の実現
- 株主・投資家からの信頼獲得
2. 主なIR活動の種類
IR活動には、法定開示と任意開示の2つの考え方があります。
法定開示
法定開示とは、法律や規則によって義務付けられている企業情報の開示のことで、以下のような種類があります。
1. 金融商品取引法に基づく開示
有価証券報告書(年次)
- 企業の事業・財務状況の詳細な報告
- 事業年度終了後3ヶ月以内に提出
- 監査証明が必要
四半期報告書
- 四半期ごとの事業・財務状況の報告
- 各四半期終了後45日以内に提出
- レビュー証明が必要
臨時報告書
- 重要な事実が発生した場合に提出
例:大規模な合併、災害による重大な損害など
2. 取引所規則に基づく開示(適時開示)
決算短信(四半期含む)
- 決算期末後速やかに開示
- 基本的な財務情報と業績予想
重要事実の開示
- 業績予想の修正
- 配当の変更
- 役員人事
- その他の重要な経営事項
任意開示
任意開示とは、法的な義務はないものの、投資家への情報提供として自主的に行う開示のことです。開示内容は任意開示なので、何でも良いと言えば良いのですが、目的は投資家に対するコミニケーションとしての役割を果たすように考慮すべきです。
また、任意開示は、法定開示を補完し、投資家との信頼関係を構築する重要なツールで、企業の実態や将来性を適切に伝えることで、企業価値の適正な評価につながります。また、積極的な情報開示は、市場からの信頼獲得にも寄与します。
しかし、気をつけなければならない点もあります。ライバルに対しても情報が筒抜けになるので、何を開示すべきかはいくつか検討すべきポイントがあり、そのポイントに気を付けて開示内容を検討する必要があります。
このあたりは細かい話しになるので、ここでは話せませんが、将来起業を目指したい学生の方やインターンシップに来た方には教えてますので、インターン希望の方は会社HPから気軽にお問い合わせください。
まとめ
IRは単なる情報開示や投資家対応ではなく、企業価値を適切に伝え、理解を得るための重要な経営機能です。特にスタートアップ企業においては、成長フェーズに応じた適切なIR活動の設計と実施が重要になります。
経営者は自社の成長ステージに合わせて、必要なIR機能を見極め、段階的に体制を整備していくことが求められます。また、IR活動を通じて得られる投資家からのフィードバックは、経営戦略の改善にも活用できる貴重な情報源となります。