こちらの続きです。
経営戦略、事業戦略、機能戦略、財務戦略、コーポレートガバナンス、人材マネジメント、IRと書いてきました。次は、アライアンス戦略について書いて行きます。
ここからは、オプションみたいなもので絶対やったほうが良いとかそういう訳ではありません。が、常に選択肢として考えておきたい事ですし、準備も必要になるので、準備をすべきことを知っておいて損はありません。
アライアンス戦略
アライアンス(事業提携)は成長を加速させる重要な戦略オプションです。アライアンスについて、特に若い企業が事業スピードを加速させる為に知っておきたい事を書いておきます。
アライアンスといっても、種類や目的が色々あります。僕も感覚的にやっていた事があるのですが、それが通用するのも最初のうちで、ちゃんと戦略的に狙ってすべきです。
1. アライアンスの基本的な種類
資本提携
- 株式持合い
- 資本参加(マイノリティ投資)
- 合弁会社の設立
- M&A(完全子会社化)
業務提携
- 販売提携(販路活用)
- 技術提携(ライセンス供与)
- 製造提携(生産委託)
- 共同研究開発
- 人材交流
僕の過去多くしてきた失敗は、資本提携系のアライアンスを検討する際に、会計がしっかりしてないと、大変な事になるです。いや、当たり前だろ?と思うかも知れませんが僕はこのあたりは起業当初から会計士さんだけは先に依頼して、お金周りはしっかりやろうと頼んでいたのですが、いざ蓋を開けてみると、会計士さんがいい加減な処理をしていた為に、このタイミングで問題が発見されるなどが起きました。
なので、起業準備の際にはCFOまでは行かなくとも、会計について見極めできるレベルの知識または、下手にケチって安いからお願いするなどせずにちゃんとした会計士さんや税理士さんを雇った方が良いです。
さて、横道にそれましたが、以下アライアンス戦略を検討する際に抑えておきたいポイントを列挙しておきます。
2. アライアンスの目的と効果
主な目的
- 経営資源の補完
- 不足するリソースの獲得
- 既存リソースの有効活用
- コア技術の強化
市場参入の加速
- 新規市場への早期参入
- 販路の拡大
- ブランド力の獲得
リスク分散
- 開発コストの分散
- 市場リスクの軽減
- 投資負担の軽減
競争力強化
- 規模の経済の実現
- 技術力の向上
- サービス領域の拡大
3. アライアンスパートナーの選定
選定基準
- 戦略的適合性
- 企業理念・ビジョンの共有
- 事業戦略の補完性
- 成長戦略の一致
組織的適合性
- 企業文化の親和性
- 意思決定スピード
- コミュニケーションスタイル
能力的適合性
- 技術力・ノウハウの補完
- 市場における競争力
- 経営資源の充実度
4. アライアンス推進のステップ
1. 準備フェーズ
- 自社の強み・弱みの分析
- アライアンス戦略の立案
- 候補先の選定とアプローチ
2. 交渉フェーズ
- 秘密保持契約(NDA)の締結
- 基本合意書(MOU)の作成
- デューデリジェンス
- 本契約の締結
3. 実行フェーズ
- プロジェクトチームの組成
- 具体的な協業計画の策定
- KPIの設定
- 進捗管理体制の構築
5. アライアンスマネジメントの重要ポイント
1. ガバナンス体制
- 意思決定プロセスの明確化
- 責任範囲の明確化
- 定期的な経営会議の開催
- 利益相反の管理
2. コミュニケーション
- 情報共有の仕組み構築
- 定期的な進捗報告
- 課題解決の場の設定
- 担当者レベルの関係構築
3. 成果管理
- 目標達成度の評価
- KPIのモニタリング
- 改善策の検討・実施
- 成果の可視化
こんな感じでしょうか、という事で相変わらず、やる事多すぎ問題ですね。
ここまで見てきて、やはり起業フェーズから経営と移行するにあたり、ますます一人じゃ難しいですよね、考える事や準備や実行やらたくさんの事をしなければならないので、経験も必要ですし、ドメインの知識ももちろん必要ですし、実は起業の成功確率は若くして起業するより、ある程度の業界知識(ドメインの知識)や人脈持った人の方が高いようです。
ただ、AIが急激な進化をとげてる現在は、ゲームチェンジが起きやすい時かなとも思っています。でも油断は禁物でAIのゲームチェンジはR&Dを戦略的に取り入れた技術系のスタートアップなら良いですが、サービス系は参入障壁が下がっている為、競争が激化していき、資本投下量が勝ち負けに影響を及ぼす状態になったら若くてリソースが少ない企業に勝ち目は無いです。