はじめに
私は診療報酬明細(以下、レセプト)の担当者ではないのでオンライン請求業務はしたことはないのだが。
レセプトって結局はUKEファイル(後述)というレセのデータみたいのを過去記事 オンライン請求とオンライン資格確認への対応〜ベースの環境はIPv4で作る〜
の特有のIPv6回線でしかるべきところに送るだけなんです、ぶっちゃけていうと。
で、この記事ではUKEファイルについて書いて行きます。次回以後で、電子点数表や基本マスターについても取り上げていきます。
なお、詳細は結局は社保などからのPDFを読み解くしかないんですが今回のテーマは、UKEファイルから速攻で診療点数を計算するだけをまず重視します。
すべてのデータが重要ではありませんし、詳細な紐付けはレセコンに任せたらいいんですが、ORCAのレセ電ビューワーとかも気が利かないですし、ね。
2026/01/23 朝に早速の大幅訂正を入れてます。すいません。
結論からいうと、端折りたい方は、電子レセプトの作成手引き(令和6年9月版)(PDF:2,298KB)だけ見るのでOKです。
では初めて行きましょう。
UKEファイルとは
その実態はCSVなんですが、拡張子が「.UKE」なんで「UKEファイル(ゆーけーいーふぁいる)」と言われています。
UKEファイルの仕様を書いたPDFはあちこちに散逸していて相変わらずこの業界特有のややこしさがあります。まずこれを読み解いていかないといけません。
社会保険診療報酬支払基金
社会保険診療報酬支払基金のサイトに詳細が書かれています。が、これがサイトマップの通り非常に階層が深くってなかなかわかりにくいです。
結論からいうとレセ電コード情報ファイル記録条件仕様
の、サイトの上部のレセ電コード情報ファイル記録条件仕様が大事です。
肝心の医科のUKEファイルの仕様は医科(令和6年6月版)(PDF:1,205KB)にあります。2026/01/20の時点では、令和6年6月のものが最新なんですね。このPDFがもっとも重要となりますが、後述するPDFがさらに重要です。
医科(令和6年6月版)(PDF:1,205KB).pdf
上記の医科(令和6年6月版)(PDF:1,205KB).pdfの文中2頁目の上の方に
レセ電コード情報ファイルは、「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令」の別添1-1
「オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(医科用)」(以下、「医科記録条件」という。)
及び「オンラインによる再審査等請求ファイルに係る記録条件仕様(医科用)」(以下、「医科再審査等記録条
件」という。)に規定するフォーマット仕様に則ったレセプト情報を記録する。
とあります。ので、さらこの文書とくに「オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(医科用)」を探さないといけません。
(別添1-1) オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(医科用)
診療報酬情報提供サービスの中にあるレセ電システムに関する情報のトップにある、
(別添1-1) オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(医科用) (1.06MB)にUKEファイルの仕様が詳細に書かれています。
が下に書きますがもっとわかりやすいのがありました。
電子レセプト作成の手引き、記録条件仕様及び標準仕様等
今回(2026/01/23)、追記した主な理由はこちらです。もっとわかりやすい資料があったんですよね。
電子レセプトの作成
このタイトルのページの医科のところを見ていきますと、
電子レセプトの作成手引き(令和6年9月版)(PDF:2,298KB)
ですね。ベンダー向けのページから飛んでいけたんですが、なんで医療者側のサイトからリンクがないのか不明です。この電子レセプトの作成手引き(令和6年9月版)(PDF:2,298KB)(以下、作成手引き)などを参考にしつつ、まとめて行きましょう。
管理レコードとは
端的にいうと、UKEファイルにおける情報表記方式です。医科記録条件の1ページ目に、
(オ)1レセプト内のレコードの種類及び記録順は、次の表のとおりとする。
と書かれたテーブルがあるんですが抜粋すると
| レコードの種類 | 識別情報 | 備考 |
|---|---|---|
| レセプト共通レコード | RE | レセプト単位データの先頭に記録 |
| 保険者レコード | HO | 医療保険レセプトの場合に記録 |
| 公費レコード | KO | 公費負担医療レセプトの場合に記録 |
| 資格確認レコード | SN | 資格確認の状況を記録 |
| 受診日等レコード | JD | 受診日等を記録 |
| 窓口負担額レコード | MF | 窓口負担額等に係る情報を記録 |
| 包括評価対象外理由レコード | GR | 包括評価の対象外となった理由を記録 |
| 傷病名レコード | SY | 傷病名を記録 |
| 診療行為レコード | SI | 診療行為を記録 |
| 医薬品レコード | IY | 医薬品を記録 |
| 特定器材レコード | TO | 特定器材を記録 |
| コメントレコード | CO | コメントを記録 |
| 症状詳記レコード | SJ | 症状詳記を記録 |
ってなってます。特に点数を集計する上で大事なのは、HOとSIとIYとTOです。SYとかは後日触れていきたいと思います。
国民健康保険
国民健康保険についても同様のファイルが国民健康保険中央会 レセプト電算処理システムにあります。社保のほうが詳しいようですのでここでは詳述しません。
保険者レコード(HO)の攻略
保険者レコードについては医科記録条件の9ページ目にあります。診療点数を計算するために必要なのは、左から6番目にある
| 項目 | モード | 最大バイト | 項目形式 | 記録内容 |
|---|---|---|---|---|
| 合計点数 | 数字 | 8 | 可変 | 医療保険、国民健康保険又は後期高齢者医療の合計点数を記録する。 |
です。実際のUKEファイルの実例をしめすと、
HO,XXXXXXXX,,XXXXXXXX,2,7111,,,,,,,,,
の「7111」が保険点数になります。ということです。
診療行為レコード(SI)の攻略
同様にこれも左から6番目にあります。
| 項目 | モード | 最大バイト | 項目形式 | 記録内容 |
|---|---|---|---|---|
| 点数 | 数字 | 7 | 可変 | 長いので下記に記載↓ |
1 診療行為の点数又は金額を記録する。
2 点数・回数算定単位内の最終レコードの
み記録する。
3 病床機能報告に係る病棟情報を記録する
場合は、“0”を記録する。
4 その他の場合は、記録を省略する
です。で、UKEファイルから実例を示すと、
SI,xx,x,114030310,,213,2,・・・(以下略)
SI,xx,x,114035910,,1685,1,・・・(以下略)
です。1行目の「213点」が2回、2行目の「1685点」が1回、という意味です。
なお、
114030310は、「在宅患者訪問診療料(1)1(同一建物居住者)」に、
114035910は、「施医総管(機能強化在支診等・床有・月2回~2~9人)」に、該当します。
医薬品レコード(IY)の攻略
同様にこれも左から6番目にあります。ただし回数の掛け算が出てきます。
| 項目 | モード | 最大バイト | 項目形式 | 記録内容 |
|---|---|---|---|---|
| 点数 | 数字 | 7 | 可変 | 長いので下記に記載↓ (A) |
| 回数 | 数字 | 3 | 可変 | 長いので下記に記載↓ (B) |
(A)
1 点数・回数算定単位内の最終レコードに
医薬品の点数を記録する。
2 その他の場合は、記録を省略する。
(B)
1 医薬品の回数を記録する。
2 点数・回数算定単位内の回数は、同一の
回数を記録する。
程度のことが書いてあって、実例を示すと、
IY,33,1,621987401,7,ほにゃほにゃ
IY,,1,640412105,7,ほにゃほにゃ
IY,,1,620002215,7,468,1,,,ほにゃほにゃ
でこれが、
621987401が、「生理食塩液 100mL」で、
621987401が、「セフトリアキソンナトリウム静注用1g「NP」」で、
620002215が「生食注シリンジ「NP」(10mL)」で、
これら合計の「468点」が1回、ということです。
ただこの注射箋の分かれ目については解説が難しく、よろしければ、電子レセプトの作成手引き(令和6年9月版)(PDF:2,298KB)の33ページ目をみていただけると助かります。
ただし、医薬品コードの場合は7剤以上処方した場合とかの減点があって、全部を網羅仕切るのは大変なんですが、どうやらコードが
630010001 15 薬剤料減点(合算薬剤料上限超)
630010002 18 薬剤料逓減(90/100)(内服薬)
630010004 10 包括点数の治験減点分
630010005 23 薬剤料逓減(80/100)(向精神薬多剤投与)
630010006 31 薬剤料逓減(40/100)(紹介率が低い大病院30日以上投薬)
630010007 16 薬剤料減点(貼付剤薬剤料上限超)
あたりは減点になります(これで全部なのか精査中ですが)。というかUKEファイル内で「-」を入れないためにした苦肉の策なんでしょうかね、もう少し工夫する余地はあった気がしますけどね。
特定器材レコード(TO)の攻略
同様にこれも左から6番目にあります。また回数が出てきますね。
| 項目 | モード | 最大バイト | 項目形式 | 記録内容 |
|---|---|---|---|---|
| 点数 | 数字 | 7 | 可変 | 長いので下記に記載↓ (C) |
| 回数 | 数字 | 3 | 可変 | 長いので下記に記載↓ (D) |
(C)
1 点数・回数算定単位内の最終レコード
に、特定器材の点数を記録する。
2 その他の場合は、記録を省略する。
(D)
1 特定器材の回数を記録する。
2 点数・回数算定単位内の回数は、同一の
回数を記録する。
です。具体例でいくと、
TO,50,1,710010897,1,86,1,028,862,,ほにゃほにゃ
710010897が、「膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル(在宅・2管(2)・閉鎖式)」で、「86点」が1回ということですね。
点数の合計の仕方、捉え方
まとめると、
HO = SI + IY + TO
ってことですね、ざっくりいうと。
つまり、UKEファイルがあればマスターはなくてもとりあえずの保険点数の計算は可能です。
理屈はそう難しくありませんが、PDFが散逸していて煩雑なのが最大の問題と考えます。いかがでしたでしょうか。
では次の更新で。次回は返戻や傷病名などのマスターについて触れていきたいと考えます。