5
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 3 years have passed since last update.

Spring Cloud Gatewayで作るTakanawa Gateway

Last updated at Posted at 2020-03-18

概要

Spring Cloud Gatewayの紹介をしようと思って書いてたら高輪ゲートウェイ開通の記事が目に入って勢いでタイトルを決めました。

品川ー田町間に新しく出来たTakanawa GatewayをSpring Cloud GatewayのRoute Predicate Factoriesを使って実装していきます。

Spring Cloud Gatewayとは

Spring Projectが提供しているAPI Gatewayになります。application.yamlを設定するだけでわりと自由なルーティングが実現できたり、通過するリクエストのヘッダーをカスタマイズしたり、サーキットブレーカーを利用できたりと色々な機能が提供できます。

プロジェクトの作成

Spring Initializrから作ります。
DependenciesにGatewayを入れる以外はお好きな設定をお選びください。
スクリーンショット 2020-03-18 22.10.43.png

Routingの実装

プロジェクトを作成してダウンロードしたら、src/main/resources/application.yamlファイルを作成し、Takanawa Gatewayにふさわしいルーティング設定を入れていきます。

田町駅へルーティングする

まずは田町へのルートを確保します。Spring Cloud Gatewayではpredicatesという項目にルーティングする条件を書いていきます。条件なしは作れないので、ここではMethod Route Predicate Factorを使いGETメソッドを対象として田町へルーティングします。

application.yaml
spring:
  cloud:
    gateway:
      routes:
        - id: tamachi
          uri: http://tamachi:8081
          predicates:
          - Method=GET

iduriはご自身の環境に合わせたものをお選びください。この例では盛り上げるためにlocalhostのHostsを各種書き換えています。

この状態でアプリケーションを起動し、呼び出してあげます。

$ curl http://takanawa-gateway:8080/
Tamachi Station.⏎

これで田町駅と繋がることができました。

駅が開業する2020/3/14以降しか通さない

高輪ゲートウェイが開業したのは2020/03/14です。なので、それより前の時間帯で駅が使えてはいけません。
After Route Predicate Factoryを使って制限をかけます。

application.yaml
spring:
  cloud:
    gateway:
      routes:
        - id: tamachi
          uri: http://tamachi:8081
          predicates:
          - Method=GET
          - After=2020-03-14T00:00:00.000+09:00[Asia/Tokyo]

これで、3/14以前のリクエストは弾くことができるようになります。この記事を書いている時間ではすでに高輪ゲートウェイが開業してしまっているので、システム日付をいじって3/13にしてからTakanawaGatewayを呼び出してみます。

$ curl http://takanawa-gateway:8080/
{"timestamp":"2020-03-13T13:31:36.812+0000","path":"/","status":404,"error":"Not Found","message":null,"requestId":"05652ab6-1"}

日付を戻して3/14以降にすると通過することが出来ます。

$ date;curl http://takanawa-gateway:8080/
2020年 3月18日 水曜日 22時33分01秒 JST
Tamachi Station.⏎

JR山手線しか通さないようにする

高輪ゲートウェイは山手線の駅なので、山手線以外の路線から使えてはいけません。
そこで、JR-Yamanote-LineというHTTPヘッダーが含まれていなければTakanawa Gatewayを通過させないようにします。
HTTPヘッダーによる制御はHeader Route Predicate Factoryにて実現できます。

application.yaml
spring:
  cloud:
    gateway:
      routes:
        - id: tamachi
          uri: http://tamachi:8081
          predicates:
          - Method=GET
          - After=2020-03-14T00:00:00.000+09:00[Asia/Tokyo]
          - Header=JR-Yamanote-Line

これにより、山手線占用のヘッダーがない場合アクセスは弾かれてしまいます。

# JR-Yamanote-Lineヘッダーが無い
$ curl http://takanawa-gateway:8080/
{"timestamp":"2020-03-18T13:37:22.660+0000","path":"/","status":404,"error":"Not Found","message":null,"requestId":"83ea59d6-1"}# JR-Yamanote-Lineヘッダーがある(値問わず)
$ curl -H "JR-Yamanote-Line:true" http://takanawa-gateway:8080/
Tamachi Station.⏎

品川駅にも行けるようにする

山手線に問わず、終点以外のほとんどの駅には上りと下りがあります。今は田町にしか行けない片道状態ですが、当然品川にも行けるようにしてあげないといけません。
そこで、Hostヘッダーを見てルーティング先を品川か田町か決めてあげます。
ここではHost Route Predicate Factoryを利用します。

application.yaml
spring:
  cloud:
    gateway:
      routes:
        - id: tamachi
          uri: http://tamachi:8081
          predicates:
          - Method=GET
          - After=2020-03-14T00:00:00.000+09:00[Asia/Tokyo]
          - Header=JR-Yamanote-Line
          - Host=tamachi
        - id: shinagawa
          uri: http://shinagawa:8082
          predicates:
            - Method=GET
            - After=2020-03-14T00:00:00.000+09:00[Asia/Tokyo]
            - Header=JR-Yamanote-Line
            - Host=shinagawa,**

これで品川駅にも行けるようになりました!今回はワイルドカードも入れているので、田町以外のHostヘッダーの場合は行き先がすべて品川になります。

$ curl -H "JR-Yamanote-Line:true" -H "Host:tamachi" http://takanawa-gateway:8080/
Tamachi Station.⏎                                                                                                                                                                    $ curl -H "JR-Yamanote-Line:true" -H "Host:shinagawa" http://takanawa-gateway:8080/
Shinagawa Station.⏎                                                                                                                                                                  $ curl -H "JR-Yamanote-Line:true"  http://takanawa-gateway:8080/
Shinagawa Station.⏎

まとめ

Spring Cloud GatwayのRoute Predicate Factoriesを使った簡単なルーティング例を上げてみました。紹介した以外にも様々な機能を持っており、自前の認証ヘッダーを挟むためにGlobal Filterを実装してあげるなど、独自の実装を求められる場面などでも活躍します。興味を持った人は是非使ってみてください。

そして、高輪ゲートウェイ開業おめでとうございます!!

リファレンス

5
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?