はじめに
「Synaptic AI Pro for Unity」は、Unity向けMCPサーバースクリプトである。現在公式ページ、BOOTH、Unity Asset Storeで販売されている。
オープンソースのUnity向けMCPが複数出ている中で、セールでも9000円越えの強気すぎる価格設定!
これだけ自信満々にお出ししているからにはそれなりに使い物になるのではないか?
というわけで人柱として買って使ってみた。
結論から言うと、将来性は感じるが、現時点ではかなり厳しい評価と言わざるを得ない。
ここに詳しいレビューを書くことにする。
開発環境
Windows 11 Home 25H2
Unity2022.3.22f1 + VRCSDK World
Node.js v22.16.0
VS Code 1.111.0
Synaptic AI Pro 1.2.5~1.2.12
よい点
セットアップが簡単
これは本当。UnityとNode.jsが入っているPCなら、プロジェクトにインポートしてボタンいっこ押すだけで使える。
ただし、内部的なやり方はかなり大雑把で、一度もWindsurf使ったことないのにユーザーフォルダに勝手に「.windsurf」ディレクトリが作られたりする。
アンインストールボタンも存在しないので、自分のストレージを汚されたくない人は要注意。
どこに何が作られたか把握する方法がコードを読む以外無いので対処法は存在しない。
内臓ツールはそれなりに賢いものもある
コード自体は素のClaude Codeでも書いてくれるので、問題はHierarchyとInspectorポチポチやる作業をどれだけ削減できるかである。
これは結構賢くて、uGUIの構築をやらせてみたのだが、ちゃんと要求通りの見た目に仕上がった。
また、VRCSDK固有の問題として、「ユーザースクリプトは専用形式のアセットに変換されて、UdonBehaviourコンポーネントにセットすることでInspectorとシリアライズ内容が変わる」とかいうクレイジーな仕様があり、uLoopMCPとか他のMCPはうまくハンドリングできなかったのだが、Synapticはやれって言うだけでうまくやってくれた。
販売ページで「VRChatクリエイトを始めましょう」とか謳っているくらいなので内部的になんかしてるのかもしれない。
シーンが肥大化してくると現状把握のための読み込みでコンテキストを使いまくってしまうという一般的な問題に対しても、取得方法が詳細用と簡易用で分けられていたりして工夫がみられる。
よくない点
接続が不安定
さっき作例として挙げたポストに書いた「一発出し」というのは設計用の指示promptを1回しか出していないという意味であり、実際にはセットアップを何度もやり直したり再起動を繰り返しまくってつきっきりで面倒を見てやっていた。
当時はまだおま環の可能性もあり好意的な書き方をしていたが、実際のところ、サーバー部分の品質が非常に悪い。
最初、v1.2.5の頃、本当に全く繋がらなかったので公式Discordにその旨を投稿したのだが、最初の返答は「HTTP機能を使え」とのことだった。
なんかMCPとは別にHTTP接続でCLIっぽいことができるらしい。ちなみにPro版限定の機能である。通常版の人は使えないということだろうか?
言われた通りHTTP機能を使ってみたが、今度もやはり接続が途中で切れる。発生条件を調べたところ、Unityのドメインリロードが走るとエラーになるようだった。
つまり、スクリプトを編集する度に接続が切れるということである。非常に困る。
仕方ないのでまた公式Discordに報告したのだが、AIに丸投げしたっぽい的外れなアプデを繰り返すばかりで、最初の投稿から3週間経った今でも一向に解決する気配がない。
Windowsでテストされていない
接続絡みの投稿に関して、作者から驚くべき回答が……!
なんと、自分で動作確認していないものを売っていたらしい。
自分が悪いのかと思って念の為に商品ページを確認したが、ちゃんとWindowsって書いてあった。
野心的な商品だ。
使い道のほとんどないツールがコンテキストを圧迫する
公式ページで「350+ 利用可能ツール」を謳っており、そんなにいっぱい何をするのかと思ったら、コンポーネントのプロパティ変更だけでできそうな内容がギッシリ詰まっている。
なんかunitypackageの中によくわからんパーティクル用のテクスチャらしきものとかが詰まっていると思っていたが、この辺のツール用なんだろうな。
VFXとかの専用エディタウィンドウ使うようなやつは、まあ、細分化する価値はありそうではある。
Scriptingの章とか丸ごと不要じゃないかな? コードを書かせていてClaude Codeがこの辺のツールを使おうとしたためしがない。
一番意味わからんのはこれ。一体いつ使うんだろう?

一応、全部のツールを一度に読み込まず、カテゴリ別にオンデマンドに取得できるようにするみたいなモードがあり、その場合は99%のコンテキストを圧縮できると謳っている。
しかし、そうすると結局普通の情報取得系とシーン操作系しか自発的に使おうとしなくなるので、シンプルに宝の持ち腐れである。
そして、これだけの数が揃っているにも関わらず、uLoopMCPやCursorのように自律的にプレイ&テストをしてくれる機能はない。
シーンの再生・停止をするコマンドだけがある。何に使うんだろう?
まとめ
一番の問題であるところの、そもそも接続が悪すぎてまともに使えない件は、少なくとも作者のPCでは使えていると主張しているし、使えている他のユーザーもいらっしゃるようなのでまあ大目に見ようではないか。
しかしそれが一向に修正されず、デバッグ機能もオープンソースのものより貧弱であり、サポートもAI任せでろくにテストされていない。
接続の問題は公式Discordのフォーラムの3割以上を占めており、あまり良さそうではない。
他の人のレビュー記事でも繋がらなかったりアプリが落ちるという問題が報告されているようである。
他にもエディタウィンドウが頻繁に固まるとか放置してるだけでログが大量に流れて邪魔とか、細かい問題を書いていくとキリがない。
ちょうど先月末には公式のMCPも出たことだし、普通に個人開発している人はUnity6にして公式を使おう!!
自分のようにUnity2022に囚われてるVRChatterとかで、作者と一緒になって育ててやろうというくらいの気持ちで、自分で不具合を直しながらの作業でもいいという方なら使ってみてもよいのかもしれない。おすすめはしない。



