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(富士山の)断面図をQGISで作成する

Last updated at Posted at 2021-12-07

この記事は、MIERUNE Advent Calendar 2021 6日目の記事です。

はじめに

みなさまご存知のように、あまたの芸人の顔を持つわたくしですが、QGIS講習会芸人仮面をつけてレクチャーを行う際、けっこう聞かれるのが

断面図書けますか

というご質問です(年に2回くらい)。

そこでそっけなく


はい。
まず、DEM(数値標高モデル)データ準備して
そのあとProfileToolプラグインインストールして使ってください。

  終
制作・著作
━━━━━
 ⓃⒽⓀ


…と答えるのは野暮ってものです。

ここで出てくるProfileToolは2012年にローンチされ、QGISプラグインの中でも2021/12/6現在1548個あるQGISプラグインの中でも8位のダウンロード数(68万回)もされている花形プラグインなのですが、日本語解説はほぼ無さげだったりします。
なので、ここに記しておきたいとおもいます。
(英語読め (゚Д゚)ゴルァ!! という🪓な方は初級な人類に酷すぎるのでナシの方向で🤫 )

流れとしては、

  1. 準備
    • DEMを準備する
    • プラグインを入れる
  2. つかう
    • 断面引く
    • よしなに

の順番になります。

準備

DEMの準備

DEMはお好きなデータをご準備ください。きれいな断面図を書きたい方はDEMが精密であればあるほど、細かい断面が得られます。
数年かけてお手製のミマツダイヤグラムなどを駆使して計測したデータでもよいですし、ますますロックな静岡県さん点群オープンデータなどからもってきてもOKです。

基盤地図情報から精密なDEMを得たい方は、ヤングなMIERUNEメンバーががんばって開発公開したプラグインQuickDEM4JPを使ってもよいですね。

今回は精度はともかくさっくり作りたいので、その姉妹プラグインである ElevationTile4JPを用いて富士山周辺のズーム14のDEMをもってきます。

image.png
(青富士ということで陰影透過+青系段彩)

※DEMを容易にもって来れるすばらしいプラグインに関する解説は下記からどうぞ。

QuickDEM4JP
国土地理院の標高データ(DEM)をQGIS上でサクッとGeoTIFFを作って可視化するプラグインを公開しました!(Terrain RGBもあるよ)

ElevationTile4JP
国土地理院の標高タイルを2クリックでダウンロード→可視化するQGISプラグインを公開!

プラグインのインストール

よく使う機能とは思いますが、プラグインメニュー⇒プラグインの管理とインストール
image.png

すべて⇒検索窓にprofileと打つとprofile toolが出てきますので、選択後インストール

image.png

メニューバーに できそこないの王蟲 みどりのお山アイコンが出てきたらインストール成功です。

image.png

つかう

断面を引く

まず測定されるDEMレイヤをビューで選択してください。
image.png

profile toolプラグインアイコンを押すと下部にウインドウが出てきますので、測定レイヤをつくるためにAdd Layerを押す
image.png

とりあえず富士山火口の北西付近でクリックし、南東方向でもう一度左のダブルクリックして、斜めに赤線を引いてみましょう。
もうすでに下のグラフにあの形が出てきますね。

image.png

Save asボタンの左のセレクトから断面図の保存形式が色々と選べます。CAD使いな方はDXFなどでも良いかもしれませんね。
image.png

こちらはPNGで保存したサンプルです
fuji.png

よしなに

画像で保存だけだとちょっと物足りないという方には、数値のデータでエクスポートも可能です。Tableタブをクリックすると、
image.png

このような表が見えるようになり、下部のボタンからクリップボードなどに吐き出すことが可能です。
image.png

試しに真ん中の「座標付きで」コピーを選んで、表計算ソフトにペーストするとこのようになります。縦横が変わったり、列名が入らなかったりするのでご注意を。ここから先はいかようにでもご活用ください。

image.png

また、Create Temporary layerを押すと、各測定ポイントのスクラッチレイヤが作成されますので、データ確認にも使えます。

image.png

このほかにも

  • 今回はあえて断面ラインを手書きとしてTemporary polylineで書いてみましたが、例えば林道ラインや河川キロポストのような、既存の選択ラインフィーチャーSelected polylineやレイヤ全体Selected LayerもProfileタブで断面として指定できます。
    image.png

  • Settingタブで、Full resolution enabled にチェックをつけると、最大1000ポイント/セグメントだったポイント数が、解像度の最大まで検出するようになるので、より詳細な断面がとれます。
    image.png

  • Show cursorオプションをオンにしてグラフをなぞると、地図でもどの位置の断面かもわかる表示になるので、データ確認に便利ですね。
    image.png

  • 同じようなエリアでラスタDEMレイヤを増やすと比較もできます。たとえば、土砂災害の起きる前と起きた後の表示なども一目瞭然になるし、数値としても残せますね。下記では仮に富士山全体をラスタ演算で250m隆起させた場合のレイヤ(緑)との比較をしめしています。

image.png

  • 挙動がバグって適当に書いたラインのゴミが残る場合がありますが、プロジェクトを保存後QGISを再起動すると消えるのでご安心を

image.png

  • 英語ですが、この動画とか説明聞かなくてもわかりやすいかとおもいます

最後に

けっこうProfile tool使えますね。まとめながら「そうだ!兵庫のDSMとかPLATEUでやると夜景マステとか作れて、クリスマスに向けて大富豪になれる!」と思ったのですが、最低ロット450巻の納期が一ヶ月と聞いてやめました。でもそのうちやってみるかもしれませんので、そのときまでおたのしみに。よいクリスマスを。

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