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「その業務、本当に必要ですか?」 -業務分析で現場の“当たり前”を疑う方法-

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Last updated at Posted at 2026-03-11

:point_up:はじめに

システム開発の業務分析をしていると、よく次のような話を聞きます。

  • 「このExcelは毎日作っています」
  • 「CSVをダウンロードしてExcelで加工して再アップロードします」
  • 「昔からこの手順です」

しかし業務を深掘りしていくと、こういうケースがよくあります。

その業務自体の目的が誰も分からない

システム開発がうまくいかない原因の一つは

業務を疑わず、そのままシステム化してしまうこと

です。

この記事では、業務分析において
現場の「当たり前」を疑う方法を整理します。


:writing_hand:業務はこうして増殖する

多くの業務は、最初から複雑だったわけではありません。
次のようなプロセスで徐々に増殖します。

最初は小さな回避策だったものが

  • Excel
  • チェック表
  • 二重入力

などを生み、最終的に

複雑な業務プロセス

になります。


:writing_hand:システム化するとさらに増える

問題はここからです。

新しいシステムを導入するとき、多くのプロジェクトは

既存業務をそのまま要件にします。

これにより

  • 本来不要だった作業
  • 過去のシステム制約
  • 一時的な回避策

まで

正式な業務として固定化

されます。


:writing_hand:よくある現場ストーリー

実際の現場でよくある話です。

ある会社では、毎日次の作業をしていました。

ヒアリングしてみると理由はこうでした。

「昔のシステムが連携できなかったから」

つまり

業務ではなくシステム制約の回避策

だったのです。

本来あるべき姿はこうです。

このケースでは

1日1時間の作業が完全になくなりました。


:writing_hand:業務は3階層で見る

業務分析では、次の3層に分解すると本質が見えます。

例えば次の業務です。

階層 内容
作業 Excel入力
業務 売上管理
目的 経営判断

ここで重要なのは

作業 ≠ 目的

という点です。

もし目的が「経営判断」なら、

ではなく

でも実現できます。

つまり

作業を疑うことが業務改善の入口

になります。


:writing_hand:業務分析で使える3つの質問

現場ヒアリングで特に効果の高い質問を紹介します。


① なぜを繰り返す

なぜこのExcelを作るのですか?
↓
上司に提出するため
↓
なぜ上司は必要なのですか?
↓
月次集計のため

この時点で

必要なのはExcelではなく「月次データ」

だと分かります。


② 誰のための業務か

この作業は誰が使いますか?

これを聞くと

  • 経理
  • 管理部
  • 本社

などが見えてきます。

つまり

現場の業務ではない

可能性があります。


③ ゼロから作るなら必要か

これは非常に強い質問です。

もしこのシステムをゼロから作るなら
この作業は必要ですか?

すると多くの場合

「いや、いらないですね」

という答えが出てきます。


:writing_hand:業務分析で一番難しいこと

実は一番難しいのは技術ではありません。

人の心理です。

多くの人は

と感じています。

そのため

業務をなくす提案

自分の仕事を否定された

と受け取られることがあります。


:writing_hand:良い業務分析者の説明

優秀な業務分析者はこう説明します。

業務を無くす

ではなく

作業を減らして
価値の高い仕事に集中する

つまり

というストーリーを作ります。


:writing_hand:システム開発の本質

多くのプロジェクトは次の構造に陥ります。

つまり

悪い業務 × IT = 速く動く悪い業務

です。

本来の順序はこうです。


:point_right:まとめ

業務分析で重要なポイントをまとめます。

  • 業務を 作業 / 業務 / 目的 に分解する
  • 「なぜ」を繰り返す
  • 誰のための業務か確認する
  • ゼロから作るなら必要か考える

そして最も重要なのは

「その業務、本当に必要ですか?」

という問いを持つことです。

システム開発の価値は

業務をそのままIT化することではなく

業務をより良い形に再設計すること

にあります。

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