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マスター登録をRPA化しようとして止められた話 ― 人と内部統制、そして見えない壁

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Last updated at Posted at 2026-04-01

:point_up: はじめに

情報システム部での話です。

扱っていたのは、マスター登録業務

  • 商品マスター
  • 取引先マスター
  • 各種コード体系

申請を受けて、確認して、登録する。

毎日1〜2時間、同じ作業。

だから思いました。

「これ、RPAでできるのでは?」


小さな検証

RPAを組んでみました。

  • データ取得
  • 必須チェック
  • 登録処理
  • ログ出力

問題なく動く。

技術的には、すぐに置き換えられる状態


提案

上司に見せました。

「自動化できます」

返ってきた答えはシンプルでした。

「やらなくていいかな」


止められた理由は4つの壁


壁①:人の問題

業務削減
↓
役割消失
↓
余剰人員
↓
配置・評価の問題

業務は消せるが、人は簡単に動かせない


壁②:内部統制の問題

統制変更
↓
監査対応
↓
証跡・責任の再設計

統制は壊せない


壁③:責任の問題

成功 → 人が余る
失敗 → 業務混乱

どちらでも責任が発生


壁④:コストの問題

コスト > 効果に見える

やる意味が問われる


優先順位(現場感)

① 責任
② 内部統制
③ 人
④ コスト

本質

最大の敵は「責任を取りたくない構造」


解決策:インセンティブ設計

「やると得、やらないと損」に変える


:white_check_mark: 成果の可視化

  • 時間 → 金額換算
  • 年間効果で提示

:white_check_mark: 責任の分散

  • 個人 → チーム
  • 承認・設計・運用で分割

:white_check_mark: 小さく始める

  • 低リスク領域
  • 段階導入

:white_check_mark: やらないリスクを作る

  • 手作業=監査リスク
  • ミス=可視化

:white_check_mark: 統制と共存

  • ログ強化
  • 証跡自動化

評価制度に落とし込む(OKR / KPI設計)

ここが最後のピースです。


■ OKR設計(例)

Objective(目的)

マスターデータ管理の品質と効率を両立する


Key Results(成果指標)

  • KR1:マスター登録の自動化率 50%以上
  • KR2:登録作業時間を30%削減
  • KR3:登録ミス件数を50%削減
  • KR4:監査指摘ゼロを維持
  • KR5:RPAログ100%取得

■ KPI設計(現場運用)

① 効率KPI

  • 自動化率
  • 削減工数(時間/月)
  • 処理件数/人

② 品質KPI

  • 入力ミス件数
  • 差戻し率
  • データ不整合件数

③ 統制KPI

  • 承認遵守率
  • ログ取得率
  • 監査指摘件数

④ 改善KPI

  • 自動化対象業務数
  • 横展開数
  • 改善提案数

■ NGな評価制度

改善しても評価されない
↓
誰もやらない

■ あるべき評価構造

改善する
↓
成果が数値化される
↓
評価される
↓
さらに改善する

最終構造


おわりに

この経験で分かりました。

業務改善は「技術」ではなく「設計」で決まる

  • 組織設計
  • 統制設計
  • インセンティブ設計
  • 評価制度

そして最後に。

人は「正しいから」では動かない
「評価されるから」動く


もし改善が進まないなら、

それはスキル不足ではなく、
仕組みの問題かもしれません。

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