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SAP Business Technology Platform (BTP) サービス提供のイメージ

Last updated at Posted at 2022-04-29

はじめに

本記事はSAP Business Technology Platformの基本的なことのまとめの1項目の説明をなります。全体を把握した方はまずはそちらをご確認下さい。

また、本記事は概要把握や個人とトライアル利用の参考として、まとめたものなので、プロジェクトでの利用の際は、SAP社への問合せの実施や正式情報であるHelp Portalを活用して下さい。

基本的な考え方

BTPは基本的には概念のため、契約やライセンスの形態はサービスによって異なります。

大きくわけると「旧SCPからの流れ組むもの」と「その他のサービス」に大別されます。前者のサービスは「SAP Discovery Center」に情報が記載され、BTPのユーザポータルのような存在である「BTPCockpit」を経由してサービスが提供されます。後者は各サービス毎に応じて、契約やライセンスが個別に定義されます。ここでは主に前者の範囲について深掘りしていきます。

SAP Discovery Center

SAP Discovery Center」はBTP上で展開されるサービスの詳細や料金、開発ロードマップ、各種詳細情報へのリンクなどがまとめられたBTPサービスを調べる上で最も重要なサイトです。

2022年4月現在は「Mission」と「Service」から構成され、前者はBTPを利用して実現できるシナリオが記載され、後者は個別のServiceのカタログのようなものになっています。

後者をBTP上のWEB IDEである「SAP Business Application Studio」を例として内容を確認していきましょう。
スクリーンショット 2022-04-29 9.47.10.png

ページにアクセスすると、タイトルと各種のタブが存在しています。それぞれのタブの内容について簡単に解説します。

  • 「OverView」では、サービスの概要および製品情報へのリンク、関連するTutorialサイトへのリンクなどがまとめられています。
  • 「Pricing」では、各料金プラン毎で提供可能なProvider(AWS、Azure等)とRegion(Frankfurt、Tokyo等)、料金の詳細が記載されています。料金プランについては別項目で詳細に記載します。
  • 「Related Mission」では関連する「Mission」が一覧されます。
  • 「Roadmap」はその名の通りで、2022年4QuarterにXXという機能が追加されますなどの情報が記載されています。
  • 「Customer Stories」は事例です。

契約の種類

2022年4月現在、契約の種類は3種類に大別されます。(契約に関しては特に正式な情報はSAP社にお問い合わせ下さい)

概要把握のために、簡単に説明します。

「Subscription-based pricing」

  • 使うサービスを事前に決めておき、選択的に契約する方法です。

「Cloud Platform Enterprise Agreement (CPEA)」

  • BTPを利用する権利を年契約で一定金額分契約する方法です。利用するサービスは契約後に、ユーザ側で決定し、月ごとに契約から消費されていきます。

「Pay-As-You-Go(PAYG)」

  • 完全後払いの従量課金の契約です。2021年に登場しました。これが便利では簡単に思ってしまいますが、重要な点として、価格が前述の2つの契約の約1.3倍となります。(こちらが高いのでなく、前述の2つの契約は事前契約のため割り引かれると考えるのが適切かと思います。)

「Trial 」と「Free Tier」

契約する前に無料で使ってみたいという方も多いと思います。その時に利用できる概念が「Trial 」と「Free Tier」です。

「Trial 」は従来からある概念で、お試し用のアカウントを提供するサービスです。機能は制限され、有効期間等がありますが、無料でBTPを利用することができます。また、ポイントとして、完全に独立したお試し環境のため、有料版への切替などはできません。

2021年までは、正式な契約とお試し環境が分離している状況でした。よって、正式に契約した「BTP Cockpit」からは機能のお試しはできず、新機能などを試しに利用したい場合は、「Trial 」の環境の方で実施する必要がありました。

この不便な状況を解決するために、登場したのが「Free Tier」です。このサービスは、CPEAかPayG契約がある場合に、制限付きではありますが、「Free Tier」として、無課金で利用できるサービスです。これにより、実際に会社として契約してる環境でトライアルが実施できるようになりました。

ここまで理解した上で、再び、「SAP Discovery Center」に戻ってみましょう。

各サービスのタイル上に「Free Tier」の利用が可能なサービスは「Free Tier」マークがあることがわかります。
スクリーンショット 2022-04-29 9.48.24.png

また個別のサービスの「Priceing」のタブには、契約タイプ毎の料金が定義されていることがわかります。
スクリーンショット 2022-04-29 9.49.12.png

「Free Tier」の登場前は、企業レベルで無料で試したい場合も、「Trial 」で試すしか無かったのですが、「Free Tier」登場後は、「Pay-As-You-Go」契約を結び、「Free Tier」を活用するという方法の選択が可能になりました。

Trialの利用方法

トライアルを実施するには、SAP社にメールアドレスを登録する必要があります。トライアルは90日間利用できますが、期間が終了すると環境は削除されます。ただし、何度でも新しい環境を作成することができます。手順はこちらをご確認ください。トライアルへのログインはこちらから可能です。

まとめ

SAP Discovery Center」はBTPを理解する上で非常に重要なサイトなので、ブックマークして、実際に閲覧してみることをお勧めします。

また、契約に関しては、状況によって日々情報は更新されますので、SAP社のサイトをご確認下さい。

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