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ワイのテスト駆動開発〜偶数ハロー株式会社〜

Last updated at Posted at 2019-07-06

業務中ワイ

ワイ「こないだ見た**50分でわかるテスト駆動開発っていう動画おもろかったなぁ」
ワイ「ワイも
テスト駆動開発やってみたいわ〜」
ワイ「まずは何か簡単な案件で
TDD**を導入してみたいわ〜」

そんなとき、クライアントから電話

ジリリリリ〜〜〜〜〜ン!1

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ワイ「もしもし〜?」

??「もしもし、株式会社ブラックの**暗井 暗人(くらい・あんと)**ですー」

ワイ「ああ、暗井はんでっか」
ワイ「いつもお世話になってます〜」

暗井「この前ご相談した件なんですけど、正式に発注お願いしますわー」
暗井「株式会社偶数ハローさんのWEBサイトの件ですわー」

ワイ「どんな案件でしたっけ?」

暗井「偶数ハローいう社名にちなんで、」
暗井「トップページにちょっとした仕掛けを設置しよう、いうやつですわ」
暗井「要は───」

  • ユーザーが奇数を入力したら、その数値をそのまま表示する
  • ユーザーが偶数を入力したら、「ハロー」と表示する

暗井「───っていうフォームをトップページに設置するんですわ」

社長「(何やそのクソみたいなフォーム・・・)」

暗井「フォームの見た目とかはもう出来てるんですけど」
暗井「数値かハローを返す関数、これが作れませんで」
暗井「そこの関数だけ作って欲しいんですわ」
暗井「予算は800万ですわ」

ワイ「かしこまりやで」
ワイ「早速そのプログラム作ってみますわ」

ちょうどいい案件が舞い込んできた

ワイ「いや〜」
ワイ「ちょうどTDDの練習におあつらえ向きな」
ワイ「シンプルな案件が舞い込んでくるもんやな〜」

社長「(筆者がそのようにストーリーを作ってるからな・・・)」
社長「(なんや株式会社偶数ハローて。何を願って命名したんや)」

ワイ「ほなTDDしていこか〜」

テストツールを導入する

ワイ「ほな**Jest**いう、有名なテストツールでも導入してみよか」
ワイ「yarn add --dev jestと」
ワイ「おお、簡単やな」
ワイ「そんで、evenHello.jsいうファイルでも作っとこか」

evenHello.js
function evenHello() {
    
}
module.exports = evenHello;

ワイ「こうやな」
ワイ「**evenHello**いう関数を作って、エクスポートするわけや」
ワイ「次はテストを書くファイルを作るで」

test.js
const evenHello = require('./evenHello');

// ここにテストを書いていく

ワイ「こうやな」
ワイ「さっきのevenHello.jsを読み込んで」
ワイ「それに関するテストをここに書いていくんや」

ワイ「ほな、まず関数を書いていこか」
ワイ「とりあえず───」

  • 奇数を渡したら、その数値をそのまま返す

ワイ「───って部分を実装してみよか」

evenHello.js
function evenHello(num) {
    return num;
}
module.exports = evenHello;

ワイ「こうやな」
ワイ「あれ・・・?」

これではいつも通りやん

ワイ「アカンアカン」
ワイ「無意識に実装から始めてもうたわ」
ワイ「ちゃうねん」
ワイ「テスト駆動開発なんやから、テストが先や」
ワイ「実装するより前に、要件を満たしたテストをまず書く
ワイ「そして、そのテストはもちろん通らへん」
ワイ「実装してないからな」
ワイ「そんで、そのあと、テストが通るように実装をしていくねん」

ワイ「先に要件をテスト化してから実装するから」
ワイ「正解に向かってしか進めへんって感じやな」
ワイ「そのためには、ちゃんと要件定義をせなあかんけどな」

ワイ「せやから・・・」
ワイ「一旦evenHello.jsは削除や!

仕切り直してテスト駆動開発

ワイ「まずは要件定義をしてみよか」
ワイ「今回作るべき関数の要件は」

要件チェックリスト:

  • 奇数を渡したら、その数値をそのまま返す
  • 偶数を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「こうやな」
ワイ「さらに細かく、具体的に定義していくで」

要件チェックリスト:

  • 奇数を渡したら、その数値をそのまま返す
    - [ ] 1を渡したら、1を返す
    - [ ] 3を渡したら、3を返す
  • 偶数を渡したら、「ハロー」を返す
    • 2を渡したら、「ハロー」を返す
    • 4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「こんな感じやな」
ワイ「ほな、まずは」

  • 1を渡したら、1を返す

ワイ「これのテストを書くで」

test.js
const evenHello = require('./evenHello');

test('1を渡したら、1を返す', () => {
    expect(evenHello(1)).toBe(1);
});

ワイ「こうやな」
ワイ「ほんでテスト実行や」
ワイ「yarn testと」

Test suite failed to run
Cannot find module './evenHello' from 'test.js'

ワイ「せやな」
ワイ「evenHelloCannot findやからfailedや!」
ワイ「evenHello.jsはさっき削除したからな」
ワイ「ほな、テストを通すために、もう一回evenHello.jsを作るで!」

evenHello.js
function evenHello(num) {
    
}
module.exports = evenHello;

ワイ「こうやな」
ワイ「テストに合わせて、evenHello.jsっていうファイルを作って」
ワイ「テストに合わせて、evenHelloいう関数を書く、と」
ワイ「全てはテスト駆動や!」
ワイ「ほんで、テスト実行、と」

テスト結果:
1を渡したらそのまま1を返す

ワイ「お、一応テストは走ったけど、バツ印やな」
ワイ「ちゃんと実装してへんもんな」

ワイ「ほな、まずこのテストだけ通るように仮実装してみよか」

evenHello.js
function evenHello(num) {
    return num;
}
module.exports = evenHello;

ワイ「こうやな」
ワイ「引数numそのまま返すわけや」
ワイ「ほんで、テスト実行、と」

テスト結果:
1を渡したら、1を返す

ワイ「お、今度は緑のチェックがついたな」
ワイ「ここのテストは通ったいうわけや」

要件チェックリスト:

  • 奇数を渡したら、その数値をそのまま返す
    - [x] 1を渡したら、1を返す
    - [ ] 3を渡したら、3を返す
  • 偶数を渡したら、「ハロー」を返す
    • 2を渡したら、「ハロー」を返す
    • 4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「進捗としては↑こんな感じやな」
ワイ「ほな次は───」

  • 3を渡したら、3を返す

ワイ「───これのテストを書いてみよか」

test.js
const evenHello = require('./evenHello');

test('1を渡したら、1を返す', () => {
    expect(evenHello(1)).toBe(1);
});

test('3を渡したら、3を返す', () => {
    expect(evenHello(3)).toBe(3);
});

ワイ「これは、evenHello関数は特にいじらなくてもテスト通りそうやな」
ワイ「ほなテスト実行、と」

テスト結果:
1を渡したら、1を返す
3を渡したら、3を返す

ワイ「よっしゃ、通ったな」
ワイ「ほな次は・・・テストをまた書くんやな」
ワイ「テストが先やからな」

test.js
test('2を渡したら、「ハロー」を返す', () => {
    expect(evenHello(2)).toBe('ハロー');
});

ワイ「↑このテストを追加や」
ワイ「ほんで、テスト実行、と」

テスト結果:
1を渡したら、1を返す
3を渡したら、3を返す
2を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「せやな」
ワイ「偶数ハロー機能はまだ実装してへんからな」
ワイ「よっしゃ、今度は実装や」

evenHello.js
function evenHello(num) {
    if (num % 2) {
        return num;
    }
    return 'ハロー';
}
module.exports = evenHello;

ワイ「引数num2で割って」
ワイ「余りがあったなら、num奇数やって事やから」
ワイ「そのままnumを返すんや」
ワイ「逆に、余りがないなら偶数やから」
ワイ「返すのはハローや」

ワイ「これでええやろ」
ワイ「テスト実行、と」

テスト結果:
1を渡したら、1を返す
3を渡したら、3を返す
2を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「うんうん、せやろな」

ワイ「なんかこう、これまでの全要件をテストしてくれるから」
ワイ「継ぎ足し継ぎ足しでコードを書いていっても」

ワイ「さっきまではちゃんと出来てた部分が、知らんうちにダメになってたやん!

ワイ「ってことがないから安心やな」

ワイ「ほな最後は」

  • 4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「↑この要件のテストでも書いとこか」

test.js
test('4を渡したら、「ハロー」を返す', () => {
    expect(evenHello(4)).toBe('ハロー');
});

ワイ「こうやな」
ワイ「ほんで、テスト実行、と」

テスト結果:
1を渡したら、1を返す
3を渡したら、3を返す
2を渡したら、「ハロー」を返す
4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「よっしゃ、偶数ハロー関数の完成やな」
ワイ「チェックリストでいうと───」

要件チェックリスト:

  • 奇数を渡したら、その数値をそのまま返す
    - [x] 1を渡したら、1を返す
    - [x] 3を渡したら、3を返す
  • 偶数を渡したら、「ハロー」を返す
    • 2を渡したら、「ハロー」を返す
    • 4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「───こんな感じや」
ワイ「オールOKや」

せっかくだから、チェックリストに近いテストを

ワイ「確かJestの機能で」
ワイ「テストをグループ化できんねん」

test.js
describe('奇数を渡したら、その数値をそのまま返す', () => {
    test('1を渡したら、1を返す', () => {
        expect(evenHello(1)).toBe(1);
    });
    test('3を渡したら、3を返す', () => {
        expect(evenHello(3)).toBe(3);
    });
});

describe('偶数を渡したら、「ハロー」を返す', () => {
    test('2を渡したら、「ハロー」を返す', () => {
        expect(evenHello(2)).toBe('ハロー');
    });
    test('4を渡したら、「ハロー」を返す', () => {
        expect(evenHello(4)).toBe('ハロー');
    });
});

ワイ「こないな感じや」
ワイ「チェックリスト同様に入れ子にしてやるんや
ワイ「そしたら、今後この案件に関わる子らにとっても分かりやすいやろ」
ワイ「ほんで、テスト実行してみよか」

テスト結果:
奇数を渡したら、その数値をそのまま返す
  1を渡したら、1を返す
  3を渡したら、3を返す
偶数を渡したら、「ハロー」を返す
  2を渡したら、「ハロー」を返す
  4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「うんうん」
ワイ「ちゃんとテスト結果もグループ分けされてて直感的やん」

ワイ「はぁ〜」
ワイ「デグレ2してないことがテストによって保証されてるから」
ワイ「安心して進んでいける感じがしたな」

ワイ「ほな、クライアントはんに連絡してみよか」

暗井暗人はんに報告

ワイ「もしもし〜、暗井はん?さっきの関数作りましたで〜」
ワイ「いつものリポジトリに上げといたんで、確認してくださいやで〜」

暗井「はいよー」
暗井「うんうん、動かしてみたけどええ感じやね」

ワイ「よかったですわ〜」

暗井「・・・あっ!!!

ワイ「な、なんでっか・・・」

暗井「株式会社偶数ハローさん、先週社名変更したんでしたわ」
暗井「その名も、株式会社偶数ハロー・マイナスワールド
暗井「それに伴って関数の仕様にも───」

  • 負の値を渡したら、「ワールド」を返す

暗井「───これが追加になるんでしたわ」
暗井「さっき言い忘れてましたわ」

ワイ「はぁ・・・・」

暗井「すんまへんけど、その修正お願いしますわ・・・」
暗井「ちなみにこの修正も、さっきの800万の中で収まりまっか・・・?」

ワイ「何とか800万で収めますわ・・・」

修正開始

ワイ「はぁ、一番やる気なくなるやつや・・・」
ワイ「でもまぁ、テスト駆動開発の練習にはちょうどええかもな」
ワイ「さっそく、要件定義&テストから始めるで!」
ワイ「追加の要件は・・・」

  • 負の値を渡したら、偶数奇数に関わらず「ワールド」を返す
    - [ ] -1を渡したら、「ワールド」を返す
    - [ ] -2を渡したら、「ワールド」を返す

ワイ「こんな感じやな」
ワイ「せやから・・・」

test.js
describe('負の値を渡したら、偶数奇数に関わらず「ワールド」を返す', () => {
    test('-1を渡したら、「ワールド」を返す', () => {
        expect(evenHello(-1)).toBe('ワールド');
    });
    test('-2を渡したら、「ワールド」を返す', () => {
        expect(evenHello(-2)).toBe('ワールド');
    });
});

ワイ「↑これをテストに追加や!」
ワイ「そんでテスト実行!」

テスト結果:
負の値を渡したら、偶数奇数に関わらず「ワールド」を返す
  -1を渡したら、「ワールド」を返す
  -2を渡したら、「ワールド」を返す
奇数を渡したら、その数値をそのまま返す
  1を渡したら、1を返す
  3を渡したら、3を返す
偶数を渡したら、「ハロー」を返す
  2を渡したら、「ハロー」を返す
  4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「せやな」
ワイ「追加したテストだけバツ。想定通りや」
ワイ「ほんで今度は実装や!」

evenHello.js
function evenHello(num) {
    if (num < 0) {
        return 'ワールド';
    }
    if (num % 2) {
        return num;
    }
    return 'ハロー';
}
module.exports = evenHello;

ワイ「こうやな!」
ワイ「ほんでテスト実行や!」

テスト結果:
負の値を渡したら、偶数奇数に関わらず「ワールド」を返す
  -1を渡したら、「ワールド」を返す
  -2を渡したら、「ワールド」を返す
奇数を渡したら、その数値をそのまま返す
  1を渡したら、1を返す
  3を渡したら、3を返す
偶数を渡したら、「ハロー」を返す
  2を渡したら、「ハロー」を返す
  4を渡したら、「ハロー」を返す

ワイ「うんうん」
ワイ「追加の要件も満たしたし」
ワイ「元々の機能もおかしくなってへん
ワイ「それが可視化されてるからものすごい安心感や!
ワイ「こんなに安心して追加開発が出来るのは初めてやで・・・」
ワイ「いつも、コード修正するときに」
ワイ「言われた部分は修正できたけど、他んとこおかしくなってへんかな・・・って」
ワイ「心配で夜も6時間しか眠れへんかったんや」

社長「(まあまあ寝てるやん・・・)」
社長「(あと、そんな心配なもん納品すな・・・)」

まとめ

ワイ「なんか、追加開発時の安心感がすごいわ」
ワイ「デグレしてへんことをテストが保証してくれてんねんもん」
ワイ「あと、テストコード自体がドキュメント代わりになるな」
ワイ「途中から参加したメンバーも、test.jsを見れば」
ワイ「おー、こんな要件を満たす必要があるんやなー、って分かるやん?」
ワイ「そういう情報がコードとして残るのが素晴らしいな」

ワイ「よっしゃ、今度はもうちょい複雑な案件でもテスト駆動開発してみよか!」

〜おしまい〜

おすすめ動画

ワイの記事はだいぶ端折ってる感じやから、興味がある人は↓この動画を見るとええで!

50分でわかるテスト駆動開発

  1. 電話の音やで。

  2. 前は機能していた部分がバグってしまうことや。

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