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ワイ「なに!?ライブラリをラップするやと!?」

Last updated at Posted at 2020-10-25

とあるシステム会社にて

ワイ「なあ、ハスケル子ちゃん」
ワイ「いま開発してるWebアプリケーションについて、相談したいことがあるんやけど」

ハスケル子「はい」
ハスケル子「どんな内容ですか?」

ワイ「あのな」
ワイ「色んなページで、配列をソートして表示する必要があるんやけど」
ワイ「そのソート内容がちょっと複雑やねん」
ワイ「なんかオススメのライブラリある?」

ハスケル子「LodashのorderByなんて便利ですよ」

ワイ「マジかいな」
ワイ「さっそく使ってみるわ」

##ライブラリを導入してみる

ワイ「まずは・・・」

ターミナル
npm install lodash.orderby

ワイ「↑こう、npmでインストールして」

JavaScript
import lodashOrderBy from 'lodash.orderby'

ワイ「↑こう、importしてやれば使えるな」
ワイ「さて、このライブラリはどんな風に使うんかな?」

ハスケル子「ええと、例えば・・・」

  • ユーザーの情報が格納されたuserListという配列をソートする
  • 名前の昇順でソートする
  • 同姓同名の場合は、年齢の降順でソートする

ハスケル子「・・・なんてことがしたい場合は」

JavaScript
const sortedUserList = lodashOrderBy(userList, ['name', 'age'], ['asc', 'desc'])

ハスケル子「↑こんな風に書きます」

ワイ「なるほどな」
ワイ「第一引数には、ソートしたい配列を」
ワイ「第二引数には、ソートするプロパティ名を」
ワイ「第三引数には、昇順 or 降順を」
ワイ「それぞれ指定すればええんやな!」

ハスケル子「はい」

ワイ「よっしゃ、この関数、いろんなページで使わしてもらうわ!」

ハスケル子「待ってください、やめ太郎さん」

ワイ「ん、なに?」

ハスケル子「lodash.orderbyラッパー関数を作って」
ハスケル子「各ページからは、そのラッパー関数を呼び出すようにした方がいいですよ」

ワイ「ラッパー・・・?」
ワイ「何なんそれ」

ハスケル子「lodash.orderbyラップした関数を、自分で書くってことですよ」

ワイ「え、なんで?」

ハスケル子「その方が、保守性が上がります」
ハスケル子「具体的には、将来的にそのライブラリを別のものに入れ替える場合とかに」
ハスケル子「だいぶ手間が省けます」

ワイ「(何を言うてるか分からんけど・・・)」
ワイ「よっしゃ、分かった!やってみるわ!

ライブラリをラップする、とは

ワイ「何をすればええねや・・・?」
ワイ「ラッパー関数を書けって言うてたな」
ワイ「・・・ということは・・・」

JavaScript
// lodash.orderby を import
import lodashOrderBy from 'lodash.orderby'

// lodash.orderby をラップした関数
export const orderBy = (itemsList, sortKeys, sortOrders) => {
  return lodashOrderBy(itemsList, sortKeys, sortOrders)
} 

ワイ「↑こんな感じか・・・?」
ワイ「いや、意味なさすぎるやろ」
ワイ「だって、このorderBy関数」
ワイ「受け取った引数をlodashOrderByにそのまま渡してるだけやもん」
ワイ「これは多分ちがうな」
ワイ「ほなラッパー関数って、何のことやろ・・・」
ワイ「ラッパー、ラッパー・・・」

ワイ「・・・あっ!!」

分かった

ワイ「ハスケル子ちゃん、さっそくライブラリをラップしてみたで!」
ワイ「聞いてみてくれや!」

ハスケル子「は、はい」
ハスケル子「(聞くとは・・・?)」

ワイ「行くで!」

誰かが作ったライブラリ
ラップするだけでだいぶマシ
入れ替える手間ほぼ皆無だし
マジ教えてくれたアイツ神

ワイ「どや?」

ハスケル子「逆に、どう思います?
ハスケル子「これをどうプログラムに組み込むんですか?」

ワイ「そ、それな」

ハスケル子「そうじゃなくて」
ハスケル子「最初に書いてた関数の方で合ってますよ」

ワイ「ファッ!?」

JavaScript
// lodash.orderby をラップした関数
export const orderBy = (itemsList, sortKeys, sortOrders) => {
  return lodashOrderBy(itemsList, sortKeys, sortOrders)
} 

ワイ「↑これかいな!?」
ワイ「なんでこんな、意味のないorderBy関数を作るん?」

ハスケル子「意味ありますよ」
ハスケル子「例えば、ライブラリをラップしないで」
ハスケル子「いろんなページから直接lodashOrderByを呼び出している場合だと」
ハスケル子「将来的にライブラリを入れ替える場合とかに面倒じゃないですか」

ワイ「まあ、ちょっとだけ面倒やな」
ワイ「いろんなファイルのlodashOrderByを」
ワイ「xxxSortLibraryとかに検索置換せなあかんもんな」
ワイ「でも大した手間やないやん?」

ハスケル子「検索置換だけじゃ済まない場合もありますよ」
ハスケル子「例えば・・・」

JavaScript
// 新しく使う xxxSortLibrary というライブラリは
// 引数の渡し方が lodash.orderby と違う
// (オブジェクトとして渡さないといけない)
const sortedUserList = xxxSortLibrary({
  array: userList,
  sortKeys: ['name', 'age'],
  sortOrders: ['asc', 'desc']
})

ハスケル子「↑こんな感じで」
ハスケル子「似たようなライブラリでも、引数の渡し方が結構ちがうこともあるじゃないですか」

ワイ「ほんまや・・・」
ワイ「こんなん、いろんなページで修正するとなったら、結構めんどくさいで・・・」

ハスケル子「ですよね?」

ラッパー関数を作っていた場合

ハスケル子「ラッパー関数を作って、それを使っていた場合は」
ハスケル子「1箇所だけの修正で済みます」

JavaScript
// xxxSortLibrary を import
import xxxSortLibrary from 'xxxSortLibrary'

// xxxSortLibrary をラップした関数
export const orderBy = (itemsList, sortKeys, sortOrders) => {
  return xxxSortLibrary({
    array: itemsList,
    sortKeys,
    sortOrders
  })
} 

ハスケル子「↑こんな感じで、ラッパー関数を修正してあげるだけです」

ワイ「なるほどなぁ」
ワイ「自作のラッパー関数が受け取った引数たちを」
ワイ「今まではそのまま渡すだけやったけど」
ワイ「新しいライブラリ関数に合う形式に変換して、渡してやればええわけか」

ハスケル子「そうです」
ハスケル子「ラッパー関数が作ってあれば」
ハスケル子「ライブラリを入れ替えた場合でも」
ハスケル子「各ページからの呼び出し方は変わりません」

JavaScript
// ラッパー関数の引数は変わっていないので
// 各ページからは今まで通り使える
const sortedUserList = orderBy(userList, ['name', 'age'], ['asc', 'desc'])

ワイ「おお、ほんまや・・・」
ワイ「呼び出し側はそのままでOKなんやね」

ハスケル子「はい」
ハスケル子「それに、ライブラリを入れ替える場合だけじゃなく」
ハスケル子「ライブラリのバージョンアップによって、インターフェース(使い方)が変わる可能性もありますし」

ワイ「なるほどな」
ワイ「最近のフロントエンド開発では、多数のnpmライブラリを使うし」
ワイ「流行り廃りが激しいから、ライブラリを入れ替えることもあるもんな」
ワイ「メンテナンスコストのことも考えとかんとな」

まとめ

  • ライブラリの関数をラップした関数を作っておくと、あとあと便利
  • 逆に、ラップしないで直接呼び出していると、ライブラリの入れ替え時に手間がかかる
  • 新旧ライブラリの**インターフェースの違い(使い方の違い)**を、ラッパー関数が吸収してくれる
  • 結果的に保守性が上がる
  • 関数名をiLoveHipHop()にするとか、そういうことではない

ワイ「ってことやな!」

ハスケル子「ですね!」

〜おしまい〜

新しい記事もよろしくやで

スペシャルサンクス

ばりとんさん(考え方を教えてもらったから)
きんみさん(ラップをパクらせてもらったから)

追記

ばりとんさんも記事を書いてたから、被りまくってしまった。
ばりとんさん、申し訳ありません・・・!

わて「なにっ!?韻を踏むだけで保守性があがるやと!?」

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