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Spresense 開発環境構築(2021/08)

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#Spresense 開発環境構築

まえがき

Windows10で、Spresense開発環境を整えます。
CLI環境を作ったあと、VScode IDEでの環境をつくります。

基本はSony公式スタートガイドの通りに進めればいいですが、最新の環境との食い違いで不具合があった所をサポートしながら書き進めます。

CLI版の環境構築

IDEを使用するためにも、まずCLI環境をセットアップしておく必要があります。

MSYS2セットアップ

64bit版のダウンロード

ダウンロードは、こちらのリンクから。

この中から、 msys2-x86_64-20210419.exe をダウンロードします。

MSYS2最新版では、後程IDEで使用するSDKコンフィグが動きませんでした。

ウィルススキャン例外設定

MSYS2をインストールするフォルダ、および上記でダウンロードしたファイルを例外設定します。
MSYS2はウィルススキャンにひっかかりやすいようで、必要なビルドコマンドが隔離されたりしないように設定します。

MSYS2インストール

インストーラに従ってインストールします。

ここではD:\msys64にインストールしています。

ビルドに必要なパッケージをインストール

「MSYS2 MSYS」を開きます。

「MSYS2 MinGW ~~」のほうではないので注意。
また、pacman DBのアップデート(pacman -Syu等のコマンド)は行わない事。ビルドコマンドパッケージが最新バージョンに更新されてしまい、後程のIDE環境で不具合がでます。

pacman -S --needed base-devel mingw-w64-x86_64-toolchain

Spresense用ツールのインストール

curl -L https://raw.githubusercontent.com/sonydevworld/spresense/master/install-tools.sh > install-tools.sh
bash install-tools.sh

インストールができたら、sourceしておきます。

source ~/spresenseenv/setup

Spresense SDKのclone

git clone --recursive https://github.com/sonydevworld/spresense.git

USBシリアルドライバのインストール

こちらから、ドライバをインストールします。

ドライバをインストール後、SpresenseをUSB接続します。

USBシリアルポートの確認

デバイスマネージャーから、Spresense接続ポートを探します。
デバイス名は、次のようになります(ここではCOM3)
Silicon Labs CP210x USB to UART Bridge(COM3)

CLIサンプルアプリケーション "Hello, World!" をためす

サンプルアプリケーションのコンフィグ

MSYS2を起動し、次のコマンドでコンフィグを行います。

cd spresense/sdk
tools/config.py examples/hello

上記コンフィグコマンドを打った後、次のようなWARNINGが表示されることがあります。
WARNING: New loader vN.N.N is required, please download and install.
この場合、表示されたバージョンのブートローダーのインストールが必要です。

ブートローダーのインストール

 1. 上記WARNINGのところで表示されたURLをブラウザで開きます。
 2. 表示されたページのDownload nowボタンを押し、End User License Agreementが同意できたらZIPファイルがダウンロードされます。
 3. ダウンロードされたZIPファイルをspresense/sdkディレクトリに移動します。
 4. ZIPファイルを、次のコマンドで展開します。

./tools/flash.sh -e (ダウンロードしたZIPファイル名)

 5. SpresenseメインボードとPCをUSB接続します。
 6. 次のコマンドで、ブートローダーバイナリをSpresenseメインボードへ書き込みます。

./tools/flash.sh -l ~/spresense/firmware/spresense -c (COMポート)

SDKとサンプルのビルド

make

バイナリイメージのnuttx.spkファイルができたらOKです。

サンプルアプリケーションをSpresenseボードへの書き込み

tools/flash.sh -c (COMポート) nuttx.spk

正常に書き込みが完了すると、ボードは自動的にリブートし書き込まれたイメージが実行されます。

シリアルターミナル上での動作確認

Windowsなので、Tera Termを使って確認します。
通信設定は、次の設定で。

項目 設定値
ボーレート 115200
データ 8 bit
パリティ none
ストップ 1 bit
フロー制御 none

NuttShellへシリアル接続し、コマンドhelloを打って、次のようになればOK

NuttShell (NSH)
nsh> hello
Hello, World!!
nsh>

IDE環境構築

ここからIDE開発環境をセットアップします。

Visual Studio Codeのインストール

こちらからダウンロードして、インストール。

日本語言語パックをインストール

拡張機能から、日本語言語パックもインストールしておきます。

Spresense 拡張機能のインストール

  1. 拡張機能画面でSpresenseと検索
    capture20210721-154.png
  2. 「Spresense VSCode IDE」をインストール

MSYS2インストールPathの設定

  1. F1キーを押してコマンドパレットを表示
  2. spresense msys2と入力してコマンドを絞り込み「Spresense: MSYS2パスの設定(Windowsのみ)」を選択
  3. フォルダーの選択画面が出るのでMSYS2のパスを選択して「フォルダーの選択」をクリック

アプリケーションプロジェクトの作成

  1. F1キーを押してコマンドパレットを表示

  2. spresense workspaceと入力してコマンドを絞り込み「Spresense: ワークスペースセットアップウィザード」を選択

  3. 「新規ワークスペースの作成」ダイアログが表示されるので、
    Spresense SDK パス:CLI開発環境でgit cloneしたspresense SDKのフォルダを選択
    プロジェクトフォルダーパス:新しく作成したフォルダーを指定します。

  4. 「作成」 ボタンをクリックし、「Spresenseセットアップ: セットアップ完了」 が表示されればワークスペースセットアップは完了

  5. ファイルから名前を付けてワークスペースを保存を選択することで作成したワークスペースを保存

シェル設定の有効化

  1. ターミナルから新しいターミナルを選択
  2. 「新しいターミナルの作業ディレクトリを選択してください」と入力を求められますので、どちらかを選択してください。(どちらでも同じ結果になります。)

公式ガイドでは、「このワークスペースによるターミナルシェルの変更を許可しますか?」とありましたが、このダイアログは出現しませんでした。

アプリケーションコマンド "myapps" の追加

  1. 上記で作成したプロジェクトフォルダー上で右クリックし、「Spresense: プロジェクトフォルダーへの追加」を選択します。
  2. 開いた「プロジェクトフォルダーへの追加」ダイアログから、アプリケーションコマンドを追加したいプロジェクトフォルダーを選択し、次へ をクリック
  3. アイテムの種類から「アプリケーションコマンド」を選択し、次へをクリック
  4. アプリケーションコマンド名に追加したいアプリケーションコマンドの名前を入力(今回の例ではmyappsです。)
  5. 作成ボタンをクリック

メインソースコードの編集

  1. 上記のとおりに進めて作成ボタンを押すと、メインソースコードがエディタに表示されます。
  2. 次のようにソースを編集して、"Hello Spresense!!!"と表示されるようにします。
myapps_main.c
#include <sdk/config.h>
#include <stdio.h>

int myapps_main(int argc, char *argv[])
{
  printf("Hello Spresense!!!\n");
  return 0;
}

ビルドのコンフィグレーション

capture20210726-175.png

  1. 次にビルドするためのコンフィグレーションを行います。プロジェクトフォルダー上で右クリックし、プロジェクトメニューから「Spresense: SDKコンフィグ」を選択します。
  2. 別タブに「SDKコンフィグ」が開くので、「新規作成」をクリック
  3. 「New Configuration」ダイアログが出たら、何も選択せず、「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。
  4. 「保存」をクリック
  5. コンフィグレーションが保存されました。と通知が表示されるまで待ちます。

プロジェクトのビルド

  1. プロジェクトフォルダー上で右クリックし、プロジェクトメニューから「Spresense: アプリケーションのビルド」を選択します。
  2. アプリケーションビルドが開始するので完了まで待ちます。
  3. ビルドが完了すると、ターミナルはタスクで再利用されます、閉じるには任意のキーを押してください。と表示されます。

シリアルポートの設定

  1. F1キーを押してコマンドパレットを表示
  2. spresense serial portと入力してコマンドを絞り込み「Spresense: シリアルポートの選択」を選択
  3. シリアルポートの選択 リストの中からSpresenseのポートを選択します。(ここではCOM3)

Spresenseボードへの書き込み

  1. プロジェクトフォルダー上で右クリックし、プロジェクトメニューから「Spresense: ビルドと書き込み」を選択します。
  2. ビルドと書き込みが実行され、それが終わると自動でシリアルターミナルが開きます。

動作確認

  1. 開いたシリアルターミナル上でmyappsを入力しエンターキーを押します。
  2. 作成したコマンドの実行結果が表示されます。
NuttShell (NSH) NuttX-8.2
nsh> myapps
Hello Spresense!!!
nsh>

capture20210816-198.png

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