#マテリアルズ・インフォマティクス(MI)がなぜ注目されているのか
最近なぜMIが注目されているのか、
日本政府の戦略などから、調査を行い、まとめてみた。
#マテリアルズ・インフォマティクス(MI)とは?
下記記事にも、MIについて説明があります。
【超入門】マテリアルズインフォマティクス(MI)とは
https://qiita.com/YH_BK/items/dd14b875425ce53930b6
機械学習を含む情報処理技術をフルに活用し材料開発を進めていく分野をマテリアルズインフォマティクス(MI)と呼びます。
短期間で、新しい材料が開発できると期待されています。
参考
DXの教養 デジタル時代に求められる実践的知識 [ 志度 昌宏 ]
MIの概念として、
機械学習やデータマイニングなどをうまく活用し、天才研究者の頭脳を模擬していくことで、新材料開発に貢献していくことです。
参考 :
https://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport090.pdf
MIは科学者(研究者)のアシスタントとして活用していくものである。
機械学習さえできれば何でもOKではなく、材料の知見を持った科学者が機械学習をうまく使わないといけない。
参考
マテリアルズ・インフォマティクス 材料開発のための機械学習超入門 [ 岩崎 悠真 ]
MIの活用事例としては、
・材料の構造情報などをもとに予測モデル作成、物性予測値、モデル最適化(学習)を行っていき、
物性評価を行っていく。
・今まで自社内で培ってきた材料、製品のデータベースを作り、新たな用途の探索につなげる。
など、企画、研究、開発、量産と幅広く活用することができる。
また、下図のように、
材料(ターゲット)や目的によって、適用する技術が異なるため、
一概にもどの場合、どの技術を適用したらよいかパターン化を作るのは難しいところである。
参考 :
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/2019_07.pdf
#なぜMIが注目されてきているのか
##化学産業として
ある調査では、化学産業のデジタル化を推進していくことで
売上拡大をけん引して10%を超える増収が実現できることが分かった。
参考 :
https://www.strategyand.pwc.com/jp/ja/publications/industry-trends/trends-2019-chemicals.html
化学産業は化学反応を使って製品を作る産業である。
そのため1つ1つ深い専門知識がないと生き残れないため、
その分野に特化した人(専門家)が集まりやすい産業です。
そのため、デジタル化を推進できる人材が少ないため、
デジタル化は複雑だと思われており、なかなか進められていないのが現状である。
最近では業務効率化のためのデジタル化が進んでいるところも多いが、
DXの本来の目的であるビジネスの変革に至っていないのが現状である。
##文部科学省として
文部科学省は、マテリアル各新緑強化のための政府戦略に向けて、下記イメージを提唱している。
参考 :
マテリアル革新力強化のための政府戦略に向けて
(戦略準備会合取りまとめ)
令和2年 6 月 2 日
マテリアル革新力強化のための戦略策定に向けた準備会合
https://www.mext.go.jp/content/20200602-mxt_nanozai-000007507_1_2.pdf
日本として、マテリアルDXプラットフォームを作っていきたいと考えており、
大学や研究所と民間企業のデータをうまく活用できるようにしようとしている。
##経済産業省として
経済産業省としては、デジタル技術を活用した新しい素材開発インフラの整備として、「超超PJ」を始動している。
AIなどを徹底活用して、開発期間を今までの1/20を目指そうとしている。
##政府として
2030年にIT人材が40万人以上不足が生じる懸念があり、
政府としてもIT人材の育成にも力を入れようとしている。
参考 :
https://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport090.pdf
#まとめ
化学産業としてはデジタル化、MI推進をしていきたいが、
デジタル化を推進できる人材が少なく、
推進できていいないのが現状である。
もちろん材料開発者が機械学習などを学んでいき
材料開発者が自ら進めていけるのがベストであるが、
すぐには習得は厳しいため、
はじめは、
データサイエンティストと材料開発者が
協力して進めていくのがよいと考えられる。
記事作成者もデータサイエンスを学び、
データサイエンティストと材料開発者をうまくつなげて
MIの推進に貢献できればと思う。