経理のAI化で止まりやすいのは「責任」の部分
PDFを読んで日付や金額を拾う処理は、言語モデルが得意とするところです。それでも経理の自動化が進みにくいのは、間違えたときに取り返せるかどうかが操作によって違うからです。
- 誤った仕訳:修正仕訳で直せる
- 誤った送金:相手の協力がないと戻らない
そこで、業務単位ではなく操作単位で線を引きます。
| 操作 | 例 | エージェントの担当 |
|---|---|---|
| 読む | 証憑PDF、銀行明細CSV | 任せる |
| 下書きする | 仕訳案、請求書案、督促文案 | 任せる |
| 記録する | 会計ソフトへの登録 | 人間が確定 |
| 送る | 請求書・督促メール | 人間の承認後に実行 |
| 出金する | 振込 | 権限を渡さない |
3つの業務の分担
1. 証憑 → 仕訳案
- PDFからテキストを取り出し、決めた項目のJSONにする
- 項目はインボイスの記載事項(登録番号、税率ごとの区分など)に合わせる
- 勘定科目は過去の確定仕訳から候補を出し、根拠も付ける
- 会計ソフトへの登録はしない。仕訳案のCSVを人間が確認して取り込む
2. 請求書の作成 → 承認 → 送付
- 作業ログから明細を作るが、単価や精算方法は契約マスタから読む
- 承認では金額・件数・単価・宛先の4点と、その差分を見る
- 承認した請求書PDFのハッシュ値と、送るファイルが一致することを確かめる
3. 入金照合と督促
- 自動で消し込むのは完全一致だけ。手数料の差額やあいまいな一致は人間が確定する
- 督促文は3つのトーンで候補を出し、送る文面は人間が選ぶ
承認の条件は、AIの外のコードで評価する
金額の上限、初めての取引先、送付先・振込先の変更、営業時間外などの条件はルールとして書き出し、言語モデルとは別のコードで判定します。「危なそうなら聞いて」とAIに頼むと、危ないかどうかの判断がAIに残ってしまうためです。
記事では、承認ルールのYAML例(説明用、未検証)と、導入前のチェックリストも載せています。
※2026年10月時点の公開情報に基づきます。
▼記事本文はこちら
https://shinichi.noguchi.jp.net/blog/2026-10-09-accounting-agent-delegation.html