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令和元年度秋 情報処理安全確保支援士試験 合格体験記

Last updated at Posted at 2020-01-27

Abstract

2019年10月21日(日)に情報処理安全確保支援士試験を受験し、合格しました。
勉強方法や試験の手応えについて振り返ります。

Introduction

情報処理安全確保支援士試験(SC) とは、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験の一つであります。
ITスキル標準スキルマップでは、レベル4に位置付けられます。また、試験の難易度としては、IPAの国家試験の中では応用情報技術者試験と他の高度試験の間と言われています。
IPAの試験とCiscoやOracleなどのベンダー試験、それぞれの特徴は過去に書いた通りです。

情報処理安全確保支援士試験に合格すると、情報処理安全確保試験士(登録セキスペ、略してRISS)という国家資格に登録する事が可能です。国家資格と言っても無線従事者や危険物取扱者のような業務独占資格と異なり、プロフィールにその名称の記載が出来る名称独占資格でしかありません。しかし、政府系の情報システム案件に提案する際、プロジェクトチームに有資格者がいる事が入札要件の一つになる可能性があります。

Methods

参考書

手始めにIPA発行の情報セキュリティ白書2019をDLして読み始めました。情報セキュリティに関する各国の取り組みの歴史や、近年のサイバー攻撃について記述されています。しかし、ページ数が多いうえに試験に不要な細かい情報ばかりのため、読むならこれではなく対策本がおススメです。

筆者が使用した対策本は、翔泳社の『情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2019年版』です。網羅性が高いとネットで評判だったため、この書籍を選定しました。
今回も前回同様に自炊しました。
自炊したPDFファイルで8月下旬から本格的に読み始め、1ヶ月強で読み終わった気がします。

午前対策

参考書で勉強した後は、情報処理安全確保支援士ドットコム 過去問道場で午前II試験を解いていきました。10月上旬~10月中旬で4年半分(9回分)を解き、正答率は9割ほどでした。
なお、応用情報処理試験に合格しているため、午前Iは免除です。

午後対策

試験日直前に午後問題の過去問も幾つか見ておきました。

Results

午後問題選択

問題選択は、試験開始して受験番号等を記入後の感覚値5~10分間で行いました。
設問幾つかに目を通してその傍線部付近を流し読みし、自分がよく知らない用語や解答出来なさそうな知識を問われている場合は、その問題を捨てて他の問題を選択する感じです。
午後I試験は3問中2問選択、午後II試験は2問中1問選択のため、それぞれ1問だけ捨てられます。
筆者が選択した問題は、下記の通りです。

  • 午後 I … 問2, 問3
  • 午後II … 問2

試験時間は、午後I試験は1時間30分、午後II試験は2時間です。
午後II試験の方が1問当たりの問題文が長いとはいえ、解答に1時間30分以上時間を使えます。対して午後I試験は、1問当たり40分間も掛けられません。
そのため、午後I試験において如何にスピーディーに解答出来るかが、合格のカギとなります。

自己採点

午前問題はIPAによる解答発表、午後問題は資格スクールによる解答速報を参考に自己採点しました。

  • 午前 I … ***点(免除)
  • 午前II … 92点/100点満点
  • 午後 I … 61~67点/100点満点
    • 問2 … 28~29点/50点満点
    • 問3 … 33~38点/50点満点
  • 午後II … 79~80点/100点満点
    • 問2 … 79~80点/100点満点

各時間区分とも60%の得点が合格基準のため、午後Iは配点・採点次第では不合格になる事も考えられます。さすがに応用情報と比較して、午後試験では細かい知識が要求されます。12月下旬の合格発表まで約2か月間、やはりこの待ち期間は期待と不安でドキドキします。
仮に不合格でも、次は試験対策に2か月間も費やさなくても合格するまで受け続ければ良いかなと思いました。

合格発表

受験票の下側の受験番号・パスワードを入力して成績照会を行いました。

時間区分 得点
午前II 92.00点
午後I 73点
午後II 71点

上記の通り、合格でした。

Discussion

点数に関して

自己採点と結果を比較しますと、

  • 午前に関しては、自己採点通りでした。
  • 午後に関しては、午後Iが自己採点よりも高く、午後IIが逆に低い結果となりました。合格者の割合を調整(20%前後に)するため、採点の加減や配点の調整があったのかも知れません(統計資料得点分布)。

Conclusion

試験勉強期間として2ヶ月強を充てましたが、。つまり、春試験を受験する場合は遅くても2月下旬に勉強開始です。
但し、午前I試験の免除が受けられ、暗号技術に関して元々勉強していたり、業務でファイアウォールを扱っていた事が大いに貢献しています。
午前I試験も解答が必要であったり、情報セキュリティが専門外な方は、やはり3ヶ月間の計画でいた方が良いでしょう。

Future work

登録是非

試験に合格しても、登録しなければ「情報処理安全確保支援士」とは名乗れません。
登録には手数料・登録税が2万円程度掛かり、講習受講料金が3年間で14万円掛かる模様です。ベンダー試験の受験料並みにお金が掛かるなと感じました。このランニングコストは大きなデメリットと言えます。
一方で、会社に有資格者がいれば、上述した通り事業拡大の機会が増えるかも知れません。会社が本資格を業務に役立つと認めれば、経費として処理して貰えるでしょう。また、集合講習で他の会社の方と意見交換出来る事は興味深いですし、資格欄に記載出来る事は転職活動で役立ちそうです。今のところ、メリットはこれくらいでしょうか。
デメリットを超えるメリットにはならないかも知れませんが、物は試しで登録する事に決めました。

次回試験

次回は、データベーススペシャリスト試験を受験予定です。理由は、業務などでデータベースを扱った経験が少なく苦手意識があるため、一度体系的に勉強したいからです。資格試験の勉強は、その分野に従事するに期待される知識の最低限を網羅的に身に着けるのに効果的です。

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