<<多重ストレスを生き抜いた、AI思考チームの育て方>>
私は、生成AI…ChatGPT/Gemini/Copilotをチームにして、
次々襲いかかるトラブルに対処し、ライフイベント・ストレス(LCU)が300を超える
多重ストレスから生き残りました。
今日はその実践事例をご紹介します。
AI三体を反証させる、まるでエヴァンゲリオンのマギシステムです 笑
1.自己紹介:
-情シス管理職を経験し、現在はPMやSEをしています。
-Midjourneyやniji・journeyでAIイラストを描いており、Xやmixi2で公開しています。
2.はじめに:多重ストレス沼をLLMチーム活用で生還
-ここ2年、様々なトラブルが重なり、ライフイベントのストレス(LCU)が300を越える
「多重ストレス沼」をLLMチーム活用で生還しました。
(LCUの詳細は文末の参考をご覧ください)
-多重ストレスは、転居・転職・仕事のトラブル・愛犬の死亡・公私のトラブル・
心身の消耗…最終的に数か月の休職に至りましたが、さらにXアカウント凍結まで
起きました。
-その期間に痛感したのは、
極度なストレスが複数同時に起こると、思考力が落ち、判断力が働かなくなる。
この状態で判断を続けると、ミスが増え、焦り、トラブルが増幅し、悪循環になります。
-そこで私は、思考を自分の外側に出して整理する「外化脳(Externalized Brain)」を
つくり、それぞれの問題に対して対処していきました。
3.具体的に:複数のLLM…ChatGPT・Gemini・Copilotを思考チームとして活用
-私は普段からChatGPTを活用していましたが、難局が訪れる都度、新たな活用を見出し、
最終的にはLLMをチーム化して役割分担して活用するようになりました。
(1)Basic:単一LLM(ChatGPT)の活用
よくある活用方法ですね。
■活用例
-スケジュール管理
-AIアートのプロンプト作成
-転職検討・企業調査
-仕事の調査・まとめ・レポート作成
(2)Advanced:単一LLM(ChatGPT)の踏み込んだ活用
心身の消耗から休職した直後、何もできない状態でした。
そのためメンタルや自身のあり方を測るため、LLMに情報をとにかく外に出しました。
AIに事実・判断材料・捨てていいノイズを分ける指示を追加することで、
混乱した情報を整理し、論理的な構造を見出し、次の行動ステップや
反証すべきポイントを提示させました。
ぐったり消耗しているので、プロンプトを書く余力はない。
しかし「会話」ならできる。
プロンプトを使わず、会話だけでAIを動かすスタイルを確立しました。
疲弊した私自身の代わりに冷静な思考を請け負ってくれる。
この会話型の使い方が、思考を外に置く技法、「外化脳(External Brain)」になりました。
※会話例
私「全部ぐちゃぐちゃ。犬のこと、仕事、全部関係あるのかどうかもわからない。」
LLM「承知しました。まずは、事実と感情を切り分けましょう。以下の項目を整理します。
1. 解決すべき『事実』ベースの問題。
2. それに伴う『感情』。
3. 現時点で『ノイズ』として無視して良い情報… 」
■活用例
-キャリアの壁打ち
-心身の消耗の状態確認
-外科・心療内科の調査
-メンタルの整理
-自身の立ち位置の把握
-会社や組織の立付け・案件の俯瞰
-保護猫のお迎え作戦
(3)Expert:複数LLMチーム(ChatGPT/Gemini/Copilot)の活用
休職・復職・X凍結解除など、専門的な分野に向き合うにつれ、
何をどう話せばいいか?証拠はどこまで整理すればいいか?など、
動きたくても動けない「空白地帯」が多くなりました。
その空白地帯を埋め、何をどのように進めるかを整える必要が出てきました。
この頃には、単一LLMでは意見の偏りや要素の漏れ抜けが多く、
対処しきれなくなったことから、「外化脳」をより進化させる必要がありました。
そのため、複数のLLMを「AIチーム」としてそれぞれ役割を持たせ、
問いをコピペで順繰りに回すことで、答えをブラッシュアップするようにしました。
■各LLMの役割と回し方(自分用ワークフロー例)
1. ChatGPT:整理・統合・文章化
→ まずここで問いを投げて、土台となる叩き台を作る
2. Gemini:ロジック・反証・整合性
→ ChatGPTの回答をコピペし、「抜け・矛盾・反証ポイント」を洗い出してもらう
3. Copilot:外部視点・倫理・トーン
→ 最後に、全体のトーンや第三者視点での違和感をチェックしてもらう
最後にもう一度ChatGPTに戻して、「一つの結論」に統合するイメージです。
今はコピペで回していますが、API連携やスクリプト化でさらに効率化も可能でしょう。
■活用例
-ワイヤレスイヤホンのレビュー記事の作成
-休職に至る経緯の整理と原因・対策の検討
-復職戦略の立案
-X凍結解除の準備(異議申立て・行政・法務に出す前の整理)
-組織・SNSでの「泳ぎ方」の検討 など
4.外化脳のメリット:コピペで働かせるAIチーム
単一LLMと複数LLMでメリットが変わるけれど、最小の管理で最大の精度を得られました。
-単一LLMのメリット
・思考の流れをそのまま外化できる低摩擦な相棒
・文体やロジックが揃い、安定したフィードバックが得られる
・「自分の鏡」として思考の癖や変化を継続的に確認できる
-複数LLMチームのメリット
・同じ問いに対する多視点の回答が得られる
・反証・矛盾指摘を通じて、抜け漏れの少ない結論に近づける
・モデルごとのバイアスを相互補正できる
・差異そのものが「創造的な摩擦」になり、新しいアイデアが生まれやすい
5.注意点:主体は自分・専門分野は前準備まで
私も試行中ですが、以下の注意が必要です。
・主体はあくまでも自分。
・方針や最終判断を丸投げしないこと。
・スレッド(会話履歴)は時々整理して、テーマごとに分けて運用すること。
・法務・医療など専門家が必要な分野は、「相談前の整理」まで にとどめること。
・コピペが面倒なので、各自でAPI連携などして省力化・効率化して下さい。
6.最後に:課題は多いが有用
私は有料プランも一部使っていますが、無料枠のLLMも組み合わせれば、
ここで紹介した運用は十分可能でした。
・まずは単一LLMで「外化脳」を試す
・慣れてきたら、複数LLMで役割分担してチーム化する
ぜひ、あなた自身の AI思考チームを育ててみてください。
あなたが抱えている問題を3つ書き出して、LLMそれぞれに役割も持たせ、
順を追って相談してみて下さい。
※AI企業の公開資料を頑張って読んでみた結果、私が行った運用…
会話型・マルチエージェントXは、思想と構造が合っていました。
更に調査して、私の動きがどういう立ち位置になるか確認したいと思います。
7.参考:LCU、マルチエージェント、会話UX文献
■ ライフサイクルストレス(LCU)
https://www.niph.go.jp/journal/data/42-3/199342030005.pdf
■ マルチエージェント・協調モデル(理論寄り)
Chain-of-Agents(Google Research)
https://research.google/blog/chain-of-agents-large-language-models-collaborating-on-long-context-tasks/
AutoGen(Microsoft / OpenAI)
https://microsoft.github.io/autogen/
M3RL(Meta AI)
https://ai.meta.com/research/publications/m3rl-mind-aware-multi-agent-management-reinforcement-learning/
Assistants / Agents(OpenAI)
https://platform.openai.com/docs/assistants/overview
■ モデルルーティング/MoE(実践寄り)
AWS ML Blog,Multi-LLM Routing Strategies
(最適モデル選択実践ガイド)
https://aws.amazon.com/blogs/machine-learning/multi-llm-routing-strategies-for-generative-ai-applications-on-aws/
Google / DeepMind,Sparsely-Gated Mixture-of-Experts(MoEの原典)
https://arxiv.org/abs/1701.06538
■ 実装サンプル(実践寄り)
AWS multi-LLM routing
https://github.com/aws-samples/sample-multi-llm-dynamic-prompt-routing