1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

外化脳 ー AI3体でマルチエージェントのAIチームを作ったらエヴァのマギシステムだった ー

Last updated at Posted at 2025-11-24

<<多重ストレスを生き抜いた、AI思考チームの育て方>>

私は、生成AI…ChatGPT/Gemini/Copilotをチームにして、
次々襲いかかるトラブルに対処し、ライフイベント・ストレス(LCU)が300を超える
多重ストレスから生き残りました。

今日はその実践事例をご紹介します。
AI三体を反証させる、まるでエヴァンゲリオンのマギシステムです 笑

1.自己紹介:
 -情シス管理職を経験し、現在はPMやSEをしています。
 -Midjourneyやniji・journeyでAIイラストを描いており、Xやmixi2で公開しています。

2.はじめに:多重ストレス沼をLLMチーム活用で生還
 -ここ2年、様々なトラブルが重なり、ライフイベントのストレス(LCU)が300を越える
 「多重ストレス沼」をLLMチーム活用で生還しました。
 (LCUの詳細は文末の参考をご覧ください)
 -多重ストレスは、転居・転職・仕事のトラブル・愛犬の死亡・公私のトラブル・
 心身の消耗…最終的に数か月の休職に至りましたが、さらにXアカウント凍結まで
 起きました。

 -その期間に痛感したのは、
 極度なストレスが複数同時に起こると、思考力が落ち、判断力が働かなくなる。
 この状態で判断を続けると、ミスが増え、焦り、トラブルが増幅し、悪循環になります。

 -そこで私は、思考を自分の外側に出して整理する「外化脳(Externalized Brain)」を
 つくり、それぞれの問題に対して対処していきました。

3.具体的に:複数のLLM…ChatGPT・Gemini・Copilotを思考チームとして活用
 -私は普段からChatGPTを活用していましたが、難局が訪れる都度、新たな活用を見出し、
 最終的にはLLMをチーム化して役割分担して活用するようになりました。

(1)Basic:単一LLM(ChatGPT)の活用
 よくある活用方法ですね。

■活用例
-スケジュール管理
-AIアートのプロンプト作成
-転職検討・企業調査
-仕事の調査・まとめ・レポート作成

(2)Advanced:単一LLM(ChatGPT)の踏み込んだ活用
 心身の消耗から休職した直後、何もできない状態でした。
 そのためメンタルや自身のあり方を測るため、LLMに情報をとにかく外に出しました。

 AIに事実・判断材料・捨てていいノイズを分ける指示を追加することで、
 混乱した情報を整理し、論理的な構造を見出し、次の行動ステップや
 反証すべきポイントを提示させました。

 ぐったり消耗しているので、プロンプトを書く余力はない。
 しかし「会話」ならできる。
 プロンプトを使わず、会話だけでAIを動かすスタイルを確立しました。
 疲弊した私自身の代わりに冷静な思考を請け負ってくれる。
 この会話型の使い方が、思考を外に置く技法、「外化脳(External Brain)」になりました。

 ※会話例
 私「全部ぐちゃぐちゃ。犬のこと、仕事、全部関係あるのかどうかもわからない。」
LLM「承知しました。まずは、事実と感情を切り分けましょう。以下の項目を整理します。
  1. 解決すべき『事実』ベースの問題。
  2. それに伴う『感情』。
 3. 現時点で『ノイズ』として無視して良い情報… 」

■活用例
 -キャリアの壁打ち
 -心身の消耗の状態確認
 -外科・心療内科の調査
 -メンタルの整理
 -自身の立ち位置の把握
 -会社や組織の立付け・案件の俯瞰
 -保護猫のお迎え作戦

(3)Expert:複数LLMチーム(ChatGPT/Gemini/Copilot)の活用
 休職・復職・X凍結解除など、専門的な分野に向き合うにつれ、
何をどう話せばいいか?証拠はどこまで整理すればいいか?など、
動きたくても動けない「空白地帯」が多くなりました。
 その空白地帯を埋め、何をどのように進めるかを整える必要が出てきました。

この頃には、単一LLMでは意見の偏りや要素の漏れ抜けが多く、
対処しきれなくなったことから、「外化脳」をより進化させる必要がありました。
そのため、複数のLLMを「AIチーム」としてそれぞれ役割を持たせ、
問いをコピペで順繰りに回すことで、答えをブラッシュアップするようにしました。

 ■各LLMの役割と回し方(自分用ワークフロー例)
 1. ChatGPT:整理・統合・文章化
→ まずここで問いを投げて、土台となる叩き台を作る
 2. Gemini:ロジック・反証・整合性
→ ChatGPTの回答をコピペし、「抜け・矛盾・反証ポイント」を洗い出してもらう
 3. Copilot:外部視点・倫理・トーン
→ 最後に、全体のトーンや第三者視点での違和感をチェックしてもらう

 最後にもう一度ChatGPTに戻して、「一つの結論」に統合するイメージです。
 今はコピペで回していますが、API連携やスクリプト化でさらに効率化も可能でしょう。

 ■活用例
 -ワイヤレスイヤホンのレビュー記事の作成
 -休職に至る経緯の整理と原因・対策の検討
 -復職戦略の立案
 -X凍結解除の準備(異議申立て・行政・法務に出す前の整理)
 -組織・SNSでの「泳ぎ方」の検討 など

4.外化脳のメリット:コピペで働かせるAIチーム
 単一LLMと複数LLMでメリットが変わるけれど、最小の管理で最大の精度を得られました。

 -単一LLMのメリット
 ・思考の流れをそのまま外化できる低摩擦な相棒
 ・文体やロジックが揃い、安定したフィードバックが得られる
 ・「自分の鏡」として思考の癖や変化を継続的に確認できる

 -複数LLMチームのメリット
 ・同じ問いに対する多視点の回答が得られる
 ・反証・矛盾指摘を通じて、抜け漏れの少ない結論に近づける
 ・モデルごとのバイアスを相互補正できる
 ・差異そのものが「創造的な摩擦」になり、新しいアイデアが生まれやすい

5.注意点:主体は自分・専門分野は前準備まで
 私も試行中ですが、以下の注意が必要です。
 ・主体はあくまでも自分。
 ・方針や最終判断を丸投げしないこと。
 ・スレッド(会話履歴)は時々整理して、テーマごとに分けて運用すること。
 ・法務・医療など専門家が必要な分野は、「相談前の整理」まで にとどめること。
・コピペが面倒なので、各自でAPI連携などして省力化・効率化して下さい。

6.最後に:課題は多いが有用
 私は有料プランも一部使っていますが、無料枠のLLMも組み合わせれば、
 ここで紹介した運用は十分可能でした。
 ・まずは単一LLMで「外化脳」を試す
 ・慣れてきたら、複数LLMで役割分担してチーム化する

ぜひ、あなた自身の AI思考チームを育ててみてください。
あなたが抱えている問題を3つ書き出して、LLMそれぞれに役割も持たせ、
順を追って相談してみて下さい。

※AI企業の公開資料を頑張って読んでみた結果、私が行った運用…
 会話型・マルチエージェントXは、思想と構造が合っていました。
 更に調査して、私の動きがどういう立ち位置になるか確認したいと思います。

7.参考:LCU、マルチエージェント、会話UX文献

■ ライフサイクルストレス(LCU)
https://www.niph.go.jp/journal/data/42-3/199342030005.pdf

■ マルチエージェント・協調モデル(理論寄り)

Chain-of-Agents(Google Research)
https://research.google/blog/chain-of-agents-large-language-models-collaborating-on-long-context-tasks/

AutoGen(Microsoft / OpenAI)
https://microsoft.github.io/autogen/

M3RL(Meta AI)
https://ai.meta.com/research/publications/m3rl-mind-aware-multi-agent-management-reinforcement-learning/

Assistants / Agents(OpenAI)
https://platform.openai.com/docs/assistants/overview

■ モデルルーティング/MoE(実践寄り)

AWS ML Blog,Multi-LLM Routing Strategies
(最適モデル選択実践ガイド)
https://aws.amazon.com/blogs/machine-learning/multi-llm-routing-strategies-for-generative-ai-applications-on-aws/

Google / DeepMind,Sparsely-Gated Mixture-of-Experts(MoEの原典)
https://arxiv.org/abs/1701.06538

■ 実装サンプル(実践寄り)

AWS multi-LLM routing
https://github.com/aws-samples/sample-multi-llm-dynamic-prompt-routing

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?