【ITパスポート】経営戦略・情報システム戦略(10-4~10-5)
まえがき
ITパスポートの勉強をしているので、復習として記事にまとめました。
理解しやすいようにまとめたため、教材と一部説明が異なります。
今回は、10章の「経営戦略」「情報システム戦略」についてまとめます。
使用教材
令和8年 イメージ&クレバー方式でよくわかる
かやのき先生のITパスポート教室
https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-15243-7
経営戦略
経営戦略とは、競合他社との競争に勝つための戦略である。
経営戦略は、大きく次の3つに分類される。
- 全社戦略
- 事業戦略
- 機能別戦略
全社戦略
企業全体の方針を決定する戦略である。
主力事業を決めたり、自社の強みを活かした経営方針を策定したりする。
コアコンピタンス
自社だけが持つ独自の技術やノウハウなど、競争優位となる強みのことである。
Competenceは「能力」を意味する。
ベンチマーキング
自社の製品やサービスを測定し、競合他社と比較する分析手法である。
他社の優れた点を参考にし、自社の改善につなげることを目的としている。
M&A(Mergers and Acquisitions)
企業の合併や買収を行うことである。
企業規模の拡大や新規事業への参入などを目的として行われる。
例
- 地方銀行同士の合併
- 他企業の買収
TOB(Take Over Bid)
株式公開買付けのことである。
証券取引所を通さず、多数の株主から株式を買い付けることで経営権の取得を目指す。
敵対的買収で利用されることもある。
MBO(Management Buyout)
経営陣が自社の株式を買い取り、経営権を取得することである。
アライアンス
企業同士が協力・提携して事業を行うことである。
OEM(Original Equipment Manufacturer)
相手企業のブランド名で販売する製品を製造すること。
高い技術力を持つものの知名度が低い企業で利用されることが多い。
ジョイントベンチャ
複数の企業が共同で出資し、新しい会社を設立すること。
CVC(Corporate Venture Capital)
自社と関連するベンチャー企業へ投資し、相乗効果を狙う手法である。
アウトソーシング
自社の業務の一部を外部企業へ委託することである。
専門企業へ委託することで、コスト削減や業務効率化が期待できる。
事業戦略
企業全体ではなく、事業ごとに立てる戦略である。
基本戦略
| 戦略 | 特徴 |
|---|---|
| コストリーダーシップ戦略 | 低価格で競争優位を目指す戦略 |
| 集中戦略 | 地域や顧客層を限定して販売する戦略 |
| 差別化戦略 | 品質や機能など価格以外で差別化する戦略 |
| 同質化戦略 | 競合と同様の商品を開発し、優位性をなくす戦略 |
分析手法
PPM(Product Portfolio Management)
市場成長率と市場占有率から事業を4つのカテゴリに分類する分析手法である。
事業の将来性や投資の優先順位を判断する際に利用される。
| 分類 | 市場成長率 | 市場占有率 | 特徴 | 経営方針 |
|---|---|---|---|---|
| 花形 | 高い | 高い | 売上が大きく将来性も高い | 積極的に投資する |
| 問題児 | 高い | 低い | 将来性はあるが利益は少ない | 投資するか撤退するか判断する |
| 金のなる木 | 低い | 高い | 安定した利益を生む | 利益を確保し、他事業へ投資する |
| 負け犬 | 低い | 低い | 利益・将来性ともに低い | 撤退・縮小を検討する |
SWOT分析
内部環境と外部環境を4つのカテゴリに分類して分析する手法である。
Strength・Weakness・Opportunity・Threatの4要素で分類する。

出典:https://www.innovation.co.jp/urumo/swot/
自社の現状を把握し、戦略立案に活用される。
3C分析
市場を次の3つの視点から分析する手法である。
- Customer(顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
マーケティング戦略を立てる際によく利用される。
ファイブフォース分析
企業を取り巻く競争環境を、5つの脅威から分析する手法である。
脅威
- 競合企業
- 新規参入者
- 代替品
- 売り手の交渉力
- 買い手の交渉力
VRIO分析
自社の経営資源を4つの視点から評価する分析手法である。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Value | 経済価値 |
| Rareness | 希少性 |
| Imitability | 模倣困難性 |
| Organization | 組織 |
バリューチェーン分析
製品やサービスのどの工程で付加価値が生み出されているかを分析する手法である。
企業の強みや改善点を把握する際に利用される。
アンゾフの成長マトリクス
市場と製品を「既存」と「新規」の2軸で分類する分析手法である。
| 既存市場 | 新規市場 | |
|---|---|---|
| 既存製品 |
市場浸透 既存市場で既存製品の販売を増やす |
市場開拓 既存製品を新しい市場へ展開する |
| 新規製品 |
製品開発 既存市場向けに新製品を開発する |
多角化 新市場へ新製品を投入する |
ビジネスモデルキャンバス
ビジネスモデルを9つの要素に分けて整理・分析するフレームワークである。
規模の経済と範囲の経済
規模の経済
事業を大規模に展開することで、1つ当たりのコストを削減する考え方である。
範囲の経済
複数の事業で設備や技術などを共有し、コストを削減する考え方である。
デジタルトランスフォーメーション(DX)
AIやIoTなどのデジタル技術を活用し、企業や業務を変革することである。
単なるIT化ではなく、業務やビジネスモデルそのものを変革することが目的である。
情報システム戦略と業務プロセス
情報システム戦略
情報システム戦略とは、経営戦略を実現するために情報システムをどのように活用するかを定める戦略である。
企業全体の業務効率化や競争力の向上を目的として策定される。
CIO(Chief Information Officer)
CIO(最高情報責任者)とは、企業の情報戦略を統括する責任者である。
経営戦略に沿った情報システムの導入やIT投資の判断を行う。
ITガバナンス
ITガバナンスとは、ITを企業戦略に沿って適切に活用・管理するための仕組みである。
情報システムを安全かつ効果的に運用し、企業価値の向上を目指す。
エンタープライズアーキテクチャ(EA)
EA(Enterprise Architecture)とは、企業全体の業務や情報システムを体系的に整理し、最適化するための手法である。
業務とシステムの全体像を可視化し、効率的なシステム構築を目指す。
EAを構成する4つの体系
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ビジネスアーキテクチャ(BA) | 業務体系 |
| データアーキテクチャ(DA) | データ体系 |
| アプリケーションアーキテクチャ(AA) | システム体系 |
| テクノロジアーキテクチャ(TA) | 技術体系 |
SoRとSoE
企業で利用される情報システムは、大きく次の2種類に分類される。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| SoR(System of Record) | 社内業務や記録を管理する 内部向けのシステム |
| SoE(System of Engagement) | 顧客とのつながりやコミュニケーションを重視する 外部向けのシステム |
SoRの例
- 販売管理システム
- 会計システム
- 人事システム
SoEの例
- SNS
- チャットシステム
- 顧客管理システム(CRM)
業務プロセスとモデリング
業務を効率よく進めるためには、業務の流れ(業務プロセス)やデータの流れを視覚的に図示する(モデリング)のがよい。
モデリング手法
DFD(Data Flow Diagram)
データの流れを図で表現する手法。
データの流れと処理の関係がわかる。
BPMN(Business Process Model and Notation)
業務プロセスを図で表現するための記法。
ワークフロー形式で表される。
アクティビティ図
システムの処理や作業の流れを表現する図である。
オブジェクト指向の設計・分析によく利用される。
BPR(Business Process Re-engineering)
BPRとは、業務プロセスを根本から見直し、再構築する考え方である。
既存業務を改善するだけでなく、大幅な業務改革を目的としている。
BPM(Business process Management)
PDCAサイクルで継続的に業務プロセスを見直すこと
RPA(Robotic Process Automation)
RPAとは、ソフトウェアロボットを利用して定型業務を自動化する技術である。
活用例
- データ入力
- 請求書作成
- 定型メールの送信
- 集計作業
グループウェア
グループウェアとは、組織内で情報共有や共同作業を支援するソフトウェアである。
主な機能
- スケジュール管理
- 電子メール
- 電子掲示板
- ファイル共有
- ワークフロー
BYOD(Bring Your Own Device)
BYODとは、個人所有のスマートフォンやPCを業務で利用することである。
メリット
- 導入コストを削減できる
- 使い慣れた端末を利用できる
デメリット
- 情報漏えいのリスクが高まる
- セキュリティ対策が必要になる
試験によく出るポイント
| 項目 | 覚えるポイント |
|---|---|
| コアコンピタンス | 自社だけが持つ競争優位の強み |
| M&A | 企業の合併・買収 |
| TOB | 株式公開買付け |
| アライアンス | 企業同士の提携・協力 |
| OEM | 相手ブランドで販売する製品を製造すること |
| アウトソーシング | 業務の一部を外部へ委託すること |
| PPM | 市場成長率と市場占有率で事業を分類する手法 |
| SWOT分析 | 強み・弱み・機会・脅威を分析する手法 |
| VRIO分析 | 経営資源を価値・希少性・模倣困難性・組織で評価する手法 |
| DX | デジタル技術で業務やビジネスを変革すること |
| CIO | 最高情報責任者 |
| EA | 業務・データ・システム・技術を体系化する手法 |
| SoR | 記録・基幹業務を管理するシステム |
| SoE | 顧客との関係を重視するシステム |
| DFD | データの流れを表す図 |
| BPMN | 業務プロセスを表現する記法 |
| BPR | 業務を抜本的に見直す手法 |
| RPA | 定型業務を自動化する技術 |
| BYOD | 私物端末を業務で利用すること |
あとがき
今回は、情報システム戦略、業務プロセスについてまとめました。
経営戦略と情報システム戦略は、企業が競争力を高めるために欠かせない考え方です。特に英語の略称が多いので、その語の表す意味と一緒に覚えると覚えやすいです。
次回は、10章の続きの「マーケティング戦略」「技術戦略」の内容についてまとめていきます。