最初のサンプル

プリントコマンド

pコマンドを指定すると、現在の pattern space を表示する。ただし、課題があって、下記のように２行ずつ出てくる。なぜ２行出てくるか？というと、stdout と pattern space の両方がデフォルトで表示されてしまうから。

$ sed 'p' /etc/passwd
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
daemon:x:1:1:daemon:/usr/sbin:/usr/sbin/nologin
daemon:x:1:1:daemon:/usr/sbin:/usr/sbin/nologin
bin:x:2:2:bin:/bin:/usr/sbin/nologin
bin:x:2:2:bin:/bin:/usr/sbin/nologin
sys:x:3:3:sys:/dev:/usr/sbin/nologin
sys:x:3:3:sys:/dev:/usr/sbin/nologin
　　　：

ちなみに、pattern space はなんだろな？と思ったのだけど、これは、sed 内のバッファのことで、ファイルなどから読み取ると、バッファに入るけどそのことらしい。

それを止めるためには、上のマニュアルに表記があるけど、-nを使うと、自動でのpattern space の表示をやめるので、１行のみになる。

$ sed -n 'p' /etc/passwd
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
daemon:x:1:1:daemon:/usr/sbin:/usr/sbin/nologin
bin:x:2:2:bin:/bin:/usr/sbin/nologin
sys:x:3:3:sys:/dev:/usr/sbin/nologin
sync:x:4:65534:sync:/bin:/bin/sync

ちなみに、Range や、Pattern も指定することができる。最初のは何行目を表示するか？

$ sed -n '1,3 p' /etc/passwd
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
daemon:x:1:1:daemon:/usr/sbin:/usr/sbin/nologin
bin:x:2:2:bin:/bin:/usr/sbin/nologin
$ sed -n '/^root/ p' /etc/passwd
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash

print コマンド他のパターン

test を使ってみる

                      #start
start end
  start  end
  startend
  b
 #bb
bbb
# end
ab12 7af
a234 7ef

５行目から最後$ まで


$ sed -n '5,$ p ' test
  b
 #bb
bbb
# end
ab12 7af
a234 7ef

正規表現も使う。/ / でくくって使う

$ sed -n '/^a/ p ' test
ab12 7af
a234 7ef
$ sed -n '/^a[0-9]/ p ' test
a234 7ef

substitute コマンド

s コマンドは置換する。s に続く文字がデリミタになる。大抵は/ を使う。下記のコマンドは、特定の範囲の<string>を<replacement>で置き換える。

$ sed ' [range] s/<string>/<replacement>/ ' /etc/passwd

デリミタは/以外にしても良いので下記のようなものも良い。下記のものは、tsuyoshiで始まる行の/bin/bashを/bin/shに置き換えている

$ sed ' /^tsuyoshi/ s@/bin/bash@/bin/sh@ ' /etc/passwd

サンプル

こんなシェルファイルがあります。nl は標準出力に行番号を添付して送るコマンドです。

number lines of files

$ nl parsecsv.sh
     1	#!/bin/bash
     2	OLDIFS=$IFS
     3	IFS=","
     4	while read product price quantity
     5	do
     6	echo -e "\e[1;33m$product \
     7	========================\e[0m\n\
     8	Price : \t $price \n\
     9	Quantity : \t $quantity \n"
    10	done < $1
    11	IFS=$OLDIFS

指定した行にインデントをつける

レンジを指定して、sコマンドで、先頭行をスペースに置換すればOKです。最後の、gは、hold space をpattern space にコピーもしくは追加するためのコマンドです。両方のコンセプトは次の記事が良い感じです。ホールドスペースは、保存用の領域で、h コマンドで、pattern space から、hold space に保存することができます。

sedのパターンスペース・ホールドスペースの動作を図で学ぶ

$ sed ' 6,9 s/^/    /g' parsecsv.sh
# !/bin/bash
OLDIFS=$IFS
IFS=","
while read product price quantity
do
    echo -e "\e[1;33m$product \
    ========================\e[0m\n\
    Price : \t $price \n\
    Quantity : \t $quantity \n"
done < $1
IFS=$OLDIFS

同じ感じで、自動での、pattern space 出力をやめて、p オプションで、現在のpattern space の出力を指定すると、マッチした部分のみの表示になります。

$ sed -n ' 6,9 s/^/    /p' parsecsv.sh
    echo -e "\e[1;33m$product \
    ========================\e[0m\n\
    Price : \t $price \n\
    Quantity : \t $quantity \n"

先ほど習った通り、デリミタが/で都合が悪い時は他のものも使えます。パスなどはその典型例です。

$ sed -n ' /^azure/ s@/bin/bash@/bin/sh@p ' /etc/passwd
azureuser:x:1000:1000:Ubuntu:/home/azureuser:/bin/sh

sed(1) - Linux man page

まとめ

まだ、先ほどの、gを指定した意義がわかっていません。実際無くしても結果は同じだし、hold space に保存していない限り結果はかわらなさそう。もう少ししたらわかるかな。