Firefox のエディション
デスクトップ向け Firefox を使っていると、通常の Firefox に加えて様々なエディション(チャネル)があることに気がつきます。Firefox Nightly、Firefox Developer、 Firefox Beta がそれに当たります。これらは何が違うのでしょうか?この記事では、それぞれのエディションの違いについて整理します。
なお、この記事は基本的に Why are there Four Firefoxes? というYouTubeビデオを参考にして書いています。
Firefox
通常のエディションの Firefox です。PC に Firefox をインストールする際は、通常はこの Firefox が使用されます。
Firefox Beta
Beta
という名前が示す通り、正式リリースされていない次期バージョンの Firefox です。例えば、現行の Firefox のバージョンが 70 であれば、Firefox Beta はバージョン 71 でリリースされる予定の機能を含んでいます。QA チームがテスト中の段階であり、動作が不安定になる可能性もあります。
Firefox Developer
基本的には Beta と同じですが、これは Web 開発者向けのエディションであり、以下の点が異なります。
セキュリティ要件が緩くなっている
開発者が Firefox プラグインを作成する場合、開発段階のプラグインを動作させたいケースは頻繁にあります。通常はセキュリティ上の理由から、プラグインが正式リリースされるまで Firefox 上で実行させることはできませんが、Developer エディションではそれが可能となります。
スニペット
Firefox で新しいタブを開いた場合には、ページ下部にスニペット(メッセージ)が表示されて、新機能が紹介されたりします。Developer エディションでは、この内容がより開発者向けになります。
Devtool
Firefox の Devtools では、ベータ機能をいち早く試すことができます。また、Developer エディションでは、Devtools のデフォルトのテーマがダークになっています。
Firefox Nightly
Beta や Developer が 1 つ先のバージョンを示すのに対して、Nightly は 2 つ先のバージョン を提供します。つまり、現行の Firefox バージョンが 70 であれば、Nightly によって提供されるのはバージョン 72 で提供予定の機能ということになります。搭載予定の機能が開発中のステータスであり、毎日の様にアップデートが行われます。Beta、Developerよりも不安定であり、正しく動作しない可能性もありますが、現時点で開発中の機能を試すことができます。
最後に
通常のエディションを除き、上述した各種エディションの Firefox は、どれも新しい機能を先行して提供しています。新たに対応する JavaScript や CSS、あるいは Devtools の機能をいち早く試したいというようなケースで役に立つのではないでしょうか。なお、Google Chrome や Microsoft Edge でも同じ様な開発サイクルとなっており、 Chrome Canary
、 Edge Canary
が、 Firefox の Nightly に相当します。