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FileMaker Data Migration Tool オススメの構成

Last updated at Posted at 2022-06-15

FileMaker Data Migration Toolとは

FileMaker Data Migration Toolとは、Claris社から提供されている、FileMakerのデータ移行を行うためのツールです。
FileMakerで作ったシステムをバージョンアップさせる際に、とても便利に使えるツールでしょう。

紹介内容

今回はマイグレーションを行うための作業環境について、オススメの構成があるため、紹介します。

構成

とてもシンプルな形で表現すると次のようになります。
shot 2022-06-14 at 18.00.03.png

FMDataMigration・・・マイグレーションを行うためのプログラム

新本番.fmp12・・・新しく使おうと考えているFileMakerファイル

旧本番.fmp12・・・これまで使っていた、実際のデータが入っているFilemakerファイル

doneフォルダ・・・マイグレーション作業で出来上がるFileMakerファイルを格納するフォルダ

公式用語との紐付け

FileMaker Data Migration Toolを利用する際に、ファイルの名称に混乱してしまうケースがあるように思います。
ソースファイルって何? クローンファイルって何? という疑問が出てくるのではないでしょうか。

今回のファイル構成と対比してみましょう。
image.png
/var/folders/qq/t2scl2cn0rg6kl0lbs99yljc0000gt/T/com.evernote.Evernote/image.png

まずは「旧本番」ファイルです。これはリリース前の状態でいえば、今まさに本番で稼働しているシステムのファイルのことです。
データ(ソース)が日々登録されたり更新されたりしているファイルです。
FileMaker Data Migration Toolでは、それを 「ソースファイル」 と呼びます。
「データ=ソース」と考えると、このあとの流れもスムーズに理解できると思います。

つぎに、「新本番」ファイルです。これは、プログラムやレイアウト表示、データベース構成、アカウントなどを最新にしたものです。
開発環境がある方ならば、開発環境で開発を行い、完成させた「これをリリースするぞ」ファイルを指します。
FileMaker Data Migration Toolでは、それを 「クローンファイル」と呼びます。
クローン? 複製? 何の複製物? という感じで、日本人にはピンと来ないネーミングかもしれません。
「ソースファイルがデータだったから、こちらはデータベースやスクリプト等の構造系のことだ」と覚えるとわかりやすいでしょう。

このようなコンビネーションとなりますので、FileMaker Data Migration Toolの操作を文字にすれば、「ソースファイル」に入っているデータを取り出して、「クローンファイル」に入れ込むよ。 ということになります。
「データ」について厳密には、各レコードの情報以外にも、アカウント情報や、シリアル値の「次の値」そしてインデックス情報なども含まれ、移行対象となっています。

ソースファイルが 「中身」 
クローンファイルが 「箱」 
と捉えればよりわかりやすくなるでしょう。

オススメ構成のポイント

以下の2つのポイントがあります
image.png
・コマンド文を記述する際に内容をシンプルにできる
・マイグレーションした後のファイル名を実際に使う時の名称と同じにできる

内容は地味なようですが、実務としてはラクになると思います。
シンプルイズベストです。

コマンド文

FileMaker Data Migration Toolは、ターミナル上でコマンドを入力して実行します。
今回のオススメ構成における、コマンド文は以下になります。

前提条件

新本番.fmp12、旧本番.fmp12 共にファイルにアクセスするための

  • アカウント名は test
  • パスワードは xxx
    とします。

また、コマンドを実行する際には、FileMaker Data Migration Toolを入れたディレクトリまで移動しておきます。今回の例でいえば、「作業フォルダ」の中に移動しておくことになります。

./FMDataMigration  -src_path 旧本番.fmp12 -src_accounts test -src_pwd xxx -clone_path 新本番.fmp12 -clone_accounts test -clone_pwd xxx -target_path ./done/本番.fmp12

このコマンド文を実行することで、doneフォルダに中に、「本番.fmp12」というファイルが作られます。
このファイルは、開発環境で作った最新のプログラムやテーブル構成になっており、かつ、これまで本番で動いていたデータが格納されています。

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