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ダイエットでわかる目標管理と成果指標設計のコツ

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はじめに

OKR、KGI/KPI…と3つの英字で表現される目標管理ツール。無駄に英字のせいで「KPI設計(成果指標設計)」と言われると難しいものと思ってしまいがちです。本来は皆さんも普段から実践しているシンプルなものであるはずなのに、英字のせいで「PVが〜」「CPAが〜」とそれらしいけど的はずれなことをしてしまうのです。

この記事では、ダイエットを例に成果指標設計のコツを伝えます。

ダイエットでわかる目標管理

無題のプレゼンテーション.jpg
私の言いたいことは、この図ですべて言い表されています。ダイエットで考えると「えっ、これだけ!?」と思われるかもしれません。目標管理や成果指標、OKRツリー、KPIツリーなどと難しい言葉で表現しても、実際やっていることは当たり前のことなのです。

定性目標

定性指標は、あなたが成し遂げたいことを文で表現したものです。OKRのObjectiveに相当します。

単純に見えて一番難しいのが定性目標の設定かもしれません。「痩せないと〜」という人は多いですが、どうして痩せなければならないのかを明確に答えられる人は多くありません。「痩せないと〜」と口に出しても痩せるための納得できる理由がなければ、「まっ、いいか」となり、モチベーションを維持できません。ダイエットなら個人の問題ですが、複数人で共通の意味のある目標を考えるのは至難の業です。意識の高い本は「ビジョナリー・カンパニーになろう!」とか簡単に言ってきますが、痩せる理由すら明文化できる人は多くないことを真摯に受け止めるべきです。

成果指標(遅行指標)

成果指標は、定性目標を達成するために基準となる指標です。OKRのKey ResultsやKPIに相当します。

体重が減ること自体は目的ではありませんが、体重が減れば憧れの服を着られるのに近づきます。どのくらい目標に近づいているかのマイルストーンになるのが成果指標です。

成果指標は往々にして遅行指標であることが多いです。遅行指標は、遅れて数字が変動する指標で、直接はコントロールできない数字です。「体重を減らそう」と思っても、通常直接体重自体を減らすことはできません。(体重の場合、脂肪吸引手術のように直接減らす荒業もありますが、普通は取られない手段です。)

目標管理でよくある失敗は、作るのを成果指標(遅行指標)までで止めてしまうことです。遅行指標は、直接コントロールできないので、遅行指標だけを見ていても何をすればいいかがわかりません。りんごダイエットやバターコーヒーダイエットなど※当てずっぽうで施策を打って、上がった下がったと一喜一憂し、一度あたった施策が効果がなくなるまで、使い潰すということをしてしまいます。これをしないようにするのが先行指標です。

※ りんごダイエットやバターコーヒーダイエットも摂取カロリーをコントロールする置き換えダイエットとして行うなら構いません。世の中には、これをしてさえいれば、いくらでも代わりに食べてもいいという発想の人もいます。そういう人のことをここでは当てずっぽうの施策と言っています。

先行指標

先行指標は、成果指標(遅行指標)を変動させる因果関係を持った指標です。OKRツリーやKPIツリーの末端(葉)よりの指標です。技術的に一番設定が難しいのが先行指標かもしれません。

体重を減らしたい場合、体重自体ではなく一日の摂取カロリーと代謝カロリーをコントロールしようとするでしょう。摂取カロリーや代謝カロリーは自らの行動でコントロールできるものであり、摂取カロリーを抑えたり代謝カロリーを増やしたりすれば、その結果、体重が減ることがわかっているからです。レコーディングダイエットは、先行指標を管理することで痩せようとしているダイエット法と言えるかもしれません。

体重だと既にカロリーが影響するということはわかっていますが、そうでない成果指標の場合は、因果関係を持っている指標を自ら探さなければなりません。疑似相関を持った指標を誤って設定しないように、統計学的な素養が必要です。これは、難しいは難しいですが、あくまでテクニックの問題です。感情的なものが混ざる定性目標と比べれば、まだ解決しやすい問題です。

施策

施策は、先行指標を変動させるための行動です。正しい先行指標を見つけ出せさえすれば、難しい話ではありません。摂取カロリーを抑えたいなら、お菓子や日々の食事の量を減らせばいいですし、代謝カロリーを増やしたいなら運動量を増やせばいいのです。欲望に負けちゃって、実践が難しいというのはまた別の問題です。

もし、施策がパッと思いつかないとすれば、先行指標の抽象度が未だ高いのかもしれません。先行指標の先行指標を見つけ出し(ここで、OKRツリーやKPIツリーをなぜ作るべきかがわかりますね!)、施策がスッとでてくるようにしましょう。

おわりに

厳密に言えば、目標管理や成果指標設計について、ダイエットの例では適当ではない部分もありますし、企業固有の難しい問題もあります。しかしながら、その難しい問題に至る前に躓いている企業や部署は少なくないと思っています。

この記事は、そういう企業や部署向けに当たり前のことだけを書きました。小難しい本を読む前に、この記事を読んで「何を当たり前のことを言っているんだ」と言いながら、自社・自部署を振り返ってみていただければと思います。私自身も、常には実践できてはいません。多分、適切な目標を設定し、PDCAサイクルを回すというのは、当たり前ですが容易なことではないと思うのです。

これよりも若干テクニックよりの目標管理の話は、『なぜKPIよりもOKRと言われるのか?OKRの勘所』で行っています。
よければご覧ください。

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