はじめに
5月に開催されたMicrosoft Build 2025、正直言って「ついに来たか」という感じでした。生成AIと「エージェント」の発表ラッシュを見ていて、これまでの「質問したら答えてくれるAI」から「勝手に仕事を進めてくれるAI」への大転換を実感しています。
この記事で伝えたいこと
- Build 2025の主な新機能を実際の現場目線で整理
- インフラエンジニアの仕事がどう変わりそうかのリアルな予想
- 「で、結局何から始めればいいの?」という疑問への答え
想定読者
- インフラ運用やクラウド管理で日々格闘している人
- 「AIに仕事取られるのかな...」とモヤモヤしている人
- でも新しい技術には興味がある人
1. Build 2025で「これはスゴイ」と思ったベスト5発表
Microsoft Build 2025で発表された中でも、特にインフラエンジニア的に「これは無視できない」と感じた機能をまとめました。
| 項目 | 個人的な印象 |
|---|---|
| Copilot Tuning | 自社のドキュメントや手順書でCopilotを賢くできる。これで「うちの環境知らないでしょ?」問題が解決しそう |
| Microsoft 365 Agents Toolkit | Teams内でのChatOpsが本格化。夜中の障害対応がチャットで完結する未来が見える |
| Azure AI Foundry | AIアプリを「工場で作るように」量産できる仕組み。個人的にはクラウド版が気になる |
| GitHub Copilot Coding Agent | コードを書いてPRまで出してくれる。これはすごい… |
| Model Context Protocol | 異なるAIエージェント同士が安全に連携できる仕組み。エージェント間の「共通語」ができた感じ |
「エージェント」って何?
従来のChatGPTは「質問→回答」の一往復でしたが、エージェントは目的達成のために複数のツールを使い分けながら、自分で考えて行動します。人間でいう「タスクを任せたら、途中経過は報告するけど基本的に一人で完結させてくれる後輩」みたいな存在です。
2. 仕事の変化を想像してみた
正直、最初は「仕事なくなるのかな」と不安でしたが、よく考えてみると「つまらない作業から解放される」って感じかもしれません。4つ想像してみました。
想像①:「手で作業する」から「AIの提案をチェックする」仕事の世界
| これまで | これから |
|---|---|
| マニュアル見ながらCLIコマンド打ちまくり | Copilotが手順生成→実行案を提示→人間は「これでOK」の判断だけ |
| エラーログとにらめっこでgrep職人 | AIがログ+設定を照合して原因候補を整理してくれる |
| Terraformの構文エラーと格闘する深夜 | Coding Agentがテスト→修正→PR作成まで自動化 |
想像②:監視業務が「寝てる間に直ってる」世界
例えば監視業務だと以下のような感じ…
- 監視エージェントがCPUスパイクを検知
- 自動修復エージェントがスケールアウト実行
- 報告エージェントがTeamsに「対応完了しました」
- 朝起きたら「あ、夜中に障害あったんだ。でももう直ってる」みたいな。
想像③:オンプレ+クラウドの混在環境が楽になりそうな世界
- Azure AI Foundryでクラウド側のAI基盤構築
- Model Context Protocolでオンプレ⇔クラウドのエージェント連携
- セキュリティ要件の厳しい工場でも、ローカルAIで対応可能
想像④:AIを使うことによるインフラエンジニアの業務の変化
| 時間 | without AI | With AI |
|---|---|---|
| 09:30 | 夜間障害のアラートメール確認、ログ調査開始 | Teamsを開くとCopilotが夜間障害の要約+対処完了報告を表示 |
| 11:00 | Terraformコードの構文エラー修正、レビュー依頼 | Coding Agentが自動修正してPR作成→Aさんはレビューして承認するだけ |
| 14:00 | 定例MTG用の資料作り(コピペ地獄) | Copilotが監視データを要約→PowerPointまで自動生成 |
| 17:00 | 明日のメンテ手順書をWordで作成 | チューニング済みCopilotが社内ガイドラインベースで手順書出力 |
3. 明日から始められる3つのこと
想像の世界に近づくために、明日から取り組みたいことを考えてみました。
3.1. プロンプト力を鍛える
- ×「エラーログ見て」
- ○「このエラーログから原因を3つ推測して、それぞれの対処法も教えて」
3.2. 小さく試すから始める
- Copilot Tuningなどの新技術をデモ動画みて触ってみる
3.3. AIと人間の役割分担を今のうちに考える
- 「どのエージェントにどこまで権限を渡すか」のルール作り
- 「人間が最終チェックする箇所」の明確化
- Excelの表でもいいから整理しておく
Build 2025のニュースでよく出てくる用語を、現場目線で解説します。
4. 個人的な感想とまとめ
Build 2025を見ていて感じたのは、やばい機能ベスト5に衝撃を受けて、未来を想像しました。そこで、AIエージェントがインフラ運用の常識を変えるだろうということに気が付きました。
これまでの「手順を覚えて正確に実行する仕事」から、「AIの提案を判断して、より高度な設計や改善に集中する仕事」へのシフトが本格化しそうです。AIに丸投げするんじゃなく、しっかり理解して使いこなして、AIと良い関係を築いていこうと思います。正直な気持ち、不安もありますが、少しだけワクワクしています。この変化が、つまらないルーチンワークから解放してくれるなら、むしろ歓迎されるべきだと思います。
📚 参考資料
- Microsoft Build 2025 Book of News
- Microsoft 365 Copilot Tuning発表記事
この記事を書いた人
- インフラ歴5年目のエンジニア
- 「技術は人を幸せにするためにある」が信条
- 「もっとこんなこと知りたい!」「ここ間違ってない?」などのコメント、お待ちしています 🚀