背景
新人SEとしてデータ仮想化(データバーチャライゼーション)プラットフォームのDenodo Platform 9を業務で使い始めたのを機に、公式資格取得を目指しました。Denodoは「論理データマネジメント」の業界リーダーであり、データ統合・クエリ最適化・キャッシュ・セキュリティなど多彩な機能を備えています。Denodo Certified rofessional Programには、アーキテクト(Architect)、デベロッパー(Developer)、管理者(Administrator)の各ロールに対応した認定が用意されており、アソシエイト(初級)とプロフェッショナル(上級)のレベルがあります。
特にアーキテクト認定は「プラットフォームの役割やアーキテクチャを理解できるデータアーキテクト」を認定するもの、デベロッパー認定は「Denodoでの実践経験を伴う知識・スキル」を検証するもの)とされています。これら公式の位置付けも知見を体系化する動機となり、Architect AssociateおよびDeveloper Associate試験に挑戦することにしました。引用
学習方法
資格学習には以下の方法を組み合わせました:
- 公式オンデマンド学習:Denodo社のオンデマンドトレーニングで基礎を学習しました。公式サイトにも「Denodo On-demand Training」により、自分のペースで講義や演習が受けられる」と案内されています
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実環境でのハンズオン:社内サーバだけでなく、無料版「Denodo Express」もインストールして実際のデータ仮想化を体験しました。Denodo社も「Hands-onで実際に触ることで理解が進み、試験準備に効果的」と推奨しています
(Denodo Expressは自環境にインストール可能な無償版です) - チュートリアル・ドキュメント参照:Denodo Communityにあるチュートリアルやドキュメントを読み、公式マニュアルも確認しました。特にチュートリアルの演習問題で理解を確認しながら進めました
- 模擬問題・クイズ作成:学習内容を自分でクイズ形式にまとめ、復習しました。問題作成で苦手分野を洗い出し、繰り返し解くことで知識定着を図りました
勉強時間と難易度
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Architect Associate:社内業務での経験もあったため約1ヶ月で合格できた。範囲はデータ仮想化のアーキテクチャや運用設計が中心で、基本概念が身についていればスムーズに解ける問題が多かった。
Developer Associate:範囲が非常に広く、公式コースの内容量も多かったため約半年かけて計画的に学習した。実際のデータソース連携、ビュー作成、キャッシュ設定、API公開など開発業務に即した実習を繰り返した。
どちらの試験も範囲が広く、Denodo未経験者にはやや難易度が高く感じるかもしれません。公式ドキュメントやオンデマンド学習を活用してコツコツ勉強すれば、実務経験ゼロでも合格は十分可能だと感じました。
試験形式
- 形式:両試験とも四択の選択問題で構成されており、すべて英語で実施されます。
- 問題数・時間:Architect Associate は35問・90分、Developer Associate は40問・90分です。英語が母国語でない受験者には自動的に30分の追加時間が付与されます。合格には正答率72%以上が必要です。
- 出題範囲:Architectでは「Denodo Platformの基本機能(ガバナンス・セキュリティ・キャッシュなど)」「ユースケース/パターン」「展開アーキテクチャ」の3大テーマから出題されます。実際の配点では機能関連が20問、ユースケース10問、展開アーキテクチャ5問と、機能側の比重が大きいです。Developerでは「データソースへの接続」「ビュー作成・統合」「ビューの実行」「ログ解析」「開発ベストプラクティス」「キャッシュ設定」「データサービス公開」など、多様なテーマから出題され、特に「ビュー作成・統合」が最多で12問を占めます。問題の傾向がセクションによって偏りがあるため、頻出分野を中心に重点的に復習しました。
取得後の成果
資格合格によって得られた主な成果は以下の通りです:
- 自信の向上:学んだ知識を使って課題を解決できる実感が湧き、自分のスキルに対する自信が高まりました。
- 知識の拡充:日常業務ではあまり触れない機能や最適化技術、運用ベストプラクティスなどを学ぶことで、業務に直結しない分野の知見が増えました。
他の技術者へのおすすめ理由
Denodo認定資格取得は、他のSEにもいくつかメリットがあります。まず、モチベーションが向上します。資格取得という明確な目標を持つことで学習意欲が高まり、継続的なスキルアップにつながります。また、異なる視点が得られる点も大きいです。認定試験の学習を通じて普段扱わない機能やユースケースに触れることで、自分の業務範囲外の知識を獲得でき、課題解決の引き出しが増えます。さらにキャリア面のメリットも見逃せません。実際に「認定資格は自身の存在感を高め、より高度なプロジェクトやリーダー的役割への道を開く」と言われており、認定資格は就職市場で差別化を生み、キャリアの飛躍をもたらすと考えられます。以上の理由から、特に新人SEやDenodo未経験者には、ぜひ挑戦してみる価値があると思います。
今後もDenodoを実務で触れながらさらに理解を深めていきたいと思います。
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参考資料: Denodo公式ドキュメント・認定試験ガイド,Denodo公式トレーニングサイト,および認定者の声など