1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

SoCの熱を手作りヒートシンクで迎え撃つ #03

1
Posted at

リファレンスを超えた日

ヒートシンクを手作りするなんて変わった趣味だと自覚しつつ、ヒートシンクを作り始めて数ヶ月経ちました。作っていくうちに色々と発見があったので、ここで共有したいと思います。

市販の空冷ヒートシンクは、大体以下のような構造です。

板状フィンタイプ(イメージ)

ピンフィンタイプ(イメージ)

以下はリファレンスに使っている銅製のヒートシンクです。フィン数や高さが上の画像ほどはありませんが、ピンフィンタイプです。

フィンの数が多いほど、表面積が増えて熱抵抗が下がるはずです。素材が同じならば、板状フィンよりもピンフィンの方が冷えるんだろうなぁと漠然と感じていた日々、近所のホームセンターで金属ブラシを見て「これだ!」と思いました。ピンフィンを微細化したみたいでいいかも…

ブラシ状フィン構造、銅板に銅線の毛束を埋め込めばできそうです。銅線毛束は、被覆銅線を剥けばいいんでは… 例えば電子工作用の30芯コードならば剥くと30本の毛束になります。

ブラシ状フィンを持つヒートシンクの作成

【ベースプレート貫通型ブラシ】

早速、ブラシ状フィンを持つヒートシンクを作ってみました。0.3mm厚銅板にピンバイスで4つの穴を開け、ボタン付けと同じ要領で2つの穴にU字状に銅線を通します。裏面にU字の底部があります。毛束は1つの穴から30本ずつ出ているので、フィン数としては120本になります。穴の大きさに対して銅線が少なくてちょっとスカスカですが…

ちょっとガタつきますが、試しにこのブラシ状フィンを持つヒートシンク(Brush)をラズパイのCPUの上に乗せてストレステストしてみました。比較対象はBare(何も乗せない)とRef(ラズパイセットの付属ヒートシンク)です。
熱抵抗Rthの算出値と温度推移のグラフを以下に示します。

条件 Rth
Bare 6.29
Brush 5.86
Ref 5.38

ブラシ型ヒートシンクのRthは5.86、リファレンス(5.38)には及ばずですが、前回のピラミッド型(5.87)と同等でした。こんなガタついてても冷えるんだ、と少し驚きました。
ならばガタつきを改善すればもっと冷えるんでは… 銅板に穴を開けて銅線を貫通させるより、銅線束を銅板表面にハンダ付けすれば裏面がフラットになってガタ付きが抑えられると思います。

【表面ハンダ付け型ブラシ】

早速毛束をU字に曲げて、銅板表面にハンダ付けしてみました。フィン数を振ったサンプルをいくつか作成しました。
まずはフィン数120本(貫通型Brushと同じ本数)。Brush_120と命名。

フィン数240本。Brush_240と命名。

フィン数360本!かなり密になってきました。Brush_360と命名。

う〜ん…狙ってた金属ブラシとはだいぶ違うな…ハンダで銅線束が変形しちゃうんですよねぇ…ちょっと笑ってしまうぐらい変なビジュアルですが、これらをラズパイのSoCの上に乗せてストレステストしてみます。冷えてくれるでしょうか?

実験

実験は、Bare(SoCの上に何も乗せない)、Brush(貫通型)、Brush_120、Brush_240、Brush_360(表面ハンダ型フィン数違い3種)、Ref(リファレンスのヒートシンク)の6条件でRaspberry Pi 4B、冷却ファンありにて、stress-ng (cpu 4) を実行し、CPU温度、雰囲気温度、電力を測定しました。

結果と考察

熱抵抗Rthの算出値と温度推移のグラフを以下に示します。

条件 Rth
Bare 6.29
Brush 5.86
Brush_120 5.75
Brush_240 5.45
Brush_360 5.28
Ref 5.38

【貫通型とハンダ付け型の比較】

BrushとBrush_120のRthを比較してみると、Brush_120の方が約0.1低くなっています。やはりガタ付きはない方がよいと考えられます。

【フィン数と熱抵抗の関係】

フィン数を増やすにつれて熱抵抗値が下がり、フィン数360本はリファレンスよりも熱抵抗値が0.1低くなっています。フィン数360本の温度推移グラフを見ると、立ち上がりはリファレンスより速く温度が上昇しますが、後半はリファレンスよりほぼ同等〜やや下回っています。つまりリファレンスより早く定常状態に達し安定して放熱し続けることができていると考えられます。リファレンスを超えたと言えるんではないでしょうか!フィン数の物量が効いたようです。

以下に熱抵抗とフィン数の関係をプロットしてみました。

フィン数が増えると熱抵抗が低下します。おそらくどこかで下げ止まりするでしょうが、もっとフィン数を増やしてどこまで下げられるか見てみたくなりました。13x12mmの銅板にどれだけ銅線を詰め込めるか…ハンダ付けの腕が必要です💪

つづく

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?