画像生成AIで記事の挿絵を作っていると、
頭の中には欲しい画像があるのに、うまく指示できない
ことがあります。
私はChatGPTと一緒に長文記事を制作し、その記事に入れる挿絵も画像生成AIで作っていました。
何枚も生成する中で、
- 指定した言葉では画像を生成できない
- 生成はできるが、何を表しているのか分かりにくい
- 同じ概念を何度も画像にするため、毎回構図を考えるのが大変
といった問題が出てきました。
そこで途中から、
「何を表現したいか」と「画像の中に実際に何を描かせるか」を分けて考える
ようになりました。
この記事では、実際に記事用の画像を作る中で使った方法を整理します。
まず「何を描きたいのか」ではなく「何を伝えたいのか」を分ける
例えば、
「他人のプライベートな話を、ちょっと覗いてみたい」
という感情を持った人物の画像を作りたいとします。
私の頭の中では、この好奇心を「スケベ」という言葉で表現していました。
性的な場面を作りたいわけではありません。
他人の個人的な話を、
「ちょっと知りたい」
「覗いてみたい」
と思っているような、少し悪い好奇心のある表情を作りたかっただけです。
そこで当初は「スケベな顔」のような言葉を含めて画像生成を試しました。
しかし、私が使用していた画像生成サービスでは、何度試してもうまく生成できませんでした。
正確な内部判定は分かりませんが、「スケベ」という言葉が性的な内容として解釈された可能性があると考えました。
本当に必要だったのは「スケベ」ではなかった
ここで、
そもそも自分は、画像の中に何が見えれば「スケベ」と感じるのか
を考え直しました。
欲しかったのは性的な表現ではありません。
例えば、
- ニヤニヤしている
- 何かを知りたそうにしている
- 他人の秘密に興味を持っている
- 少しいたずらっぽい表情をしている
といった状態です。
そこで「スケベ」という言葉を使うことをやめて、
実際に画像として表現したかった表情や状況
を指定しました。
すると、欲しかった方向の画像を生成できました。
ここでやったことは、
生成できなかった言葉
「スケベな顔」
↓
その言葉で本当に表現したかったものを分解する
↓
「他人のプライベートを知りたそうに、
少しニヤニヤしている人物」
という変換です。
特定の単語を別の単語に置き換えれば生成できる、という話ではありません。
元の言葉を捨てて、自分が本当に画像で表現したかったものを考え直した
という方が近いです。
「生成できない理由」と「欲しい画像」を分けて考える
このケースでは、最初に使っていた言葉そのものに問題がある可能性がありました。
しかし、そこで
「この画像は作れない」
と考える必要はありませんでした。
私が必要としていたのは「スケベ」という単語ではなく、
その言葉を使って自分が表そうとしていた非性的な好奇心の表情
だったからです。
そこで、
- どの言葉を入れたときに生成できなくなるのか
- その言葉で自分は何を表現しようとしていたのか
- それは画像の中では、どんな表情・姿勢・物・状況として見えるのか
を分けて考えました。
少なくとも今回のケースでは、この考え方で目的の画像を作ることができました。
生成はできるが「意味が伝わらない」場合もあった
別の問題もありました。
例えば、
「有料記事について考えている人物」
を画像にしたい場合です。
これは普通に生成できます。
しかし、現実に近い場面として作ろうとすると、
- 人物がいる
- パソコンがある
- パソコン画面に記事が表示されている
- その記事が有料であることを示す
- 人物がそれについて考えている
という構図になります。
私が実際に生成した範囲では、こうした画像は一枚に含める情報量が多くなりました。
画面内の記事は小さくなり、文字も読み取りにくくなります。
人物・机・パソコン・ディスプレイなどを同時に入れることで、構図も複雑になりました。
そこで私は、
現実の「有料記事」をそのまま再現することをやめました。
代わりに、
「有料記事」と書かれた紙の束
として表現しました。
現実には、有料記事はそのような物体ではありません。
しかし記事の挿絵としては、
「これは有料記事を表している」
と大きく見せることができます。
正確な再現より、伝えたい概念を単純な物体に置き換える
この方法は、
現実の場面を正確に再現すること
よりも、
画像を見たときに何を表しているのか分かること
を優先しています。
例えば今回なら、
有料記事
↓
パソコン画面の中に記事を表示する
↓
要素が増えて分かりにくい
有料記事
↓
「有料記事」と書かれた紙束
↓
一つの大きな物体として扱える
という違いがありました。
記事の挿絵では、現実に存在する場面を完全に再現する必要はありません。
そのため私は、必要に応じて抽象的な概念を単純な物体へ置き換えるようになりました。
同じ概念を何度も描く場合は「固定表現」を作る
さらに長文記事では、同じ概念を何度も画像にする必要がありました。
特に多かったのが、
「人間とChatGPTが一緒に文章を作っている」
という場面です。
これを毎回そのまま画像にしようとすると、
- パソコンを操作する女性
- パソコン画面を見る女性
- AIらしい画面
- ロボットと作業する人物
などになりやすく、
似た構図の画像が増えていきました。
また、画像を作るたびに、
「今回はChatGPTを何として描くか」
を考える必要があります。
そこで私は、ChatGPTを表す人物を一人決めて、同じキャラクターとして繰り返し使うようにしました。
以降は、
ChatGPTという抽象的な存在をどう描くか
を毎回考えるのではなく、
固定したChatGPT役の人物に、今回は何をさせるか
だけを考えればよくなりました。
例えば、
- 二人で原稿を見る
- 二人で相談する
- 二人で文章を書く
- 二人で何かを運ぶ
といった、人間同士の場面として構図を考えられます。
固定表現を作ると「毎回考えること」を減らせる
この方法で画像生成AIそのものの性能が上がるわけではありません。
変わったのは、
画像を作る人間側が毎回決めなければならないことの数
でした。
固定する前は、
今回は何を表現する?
↓
ChatGPTをどう描く?
↓
どんな構図にする?
↓
何をさせる?
と考えていました。
固定した後は、
今回は何を表現する?
↓
固定キャラクターに何をさせる?
まで減らせます。
長い記事で何枚も挿絵を作る場合、一枚ごとの差は小さくても、この判断を繰り返す回数が多くなります。
そのため私の場合は、繰り返し登場する概念に固定した視覚表現を与えることで、挿絵を考える負担が減りました。
今回使った考え方を整理する
私が実際の記事制作で使った方法を整理すると、主に3種類ありました。
| 困ったこと | やったこと |
|---|---|
| 言葉の解釈によって生成できない | 本当に表現したかった非性的な表情・状況まで分解して指定する |
| 構図が複雑で意味が伝わりにくい | 抽象概念を単純な物体に置き換える |
| 同じ概念を何度も画像にする必要がある | 固定キャラクターなど、毎回使える視覚表現を決める |
共通しているのは、
頭の中で使っている言葉を、そのまま画像生成AIに渡す必要はない
という点です。
「この言葉を描いてほしい」ではなく、
「この画像を見た人に何が伝われば目的を達成できるのか」
まで戻って考えると、別の表現方法を選べる場合がありました。
まとめ
画像生成AIで欲しい画像が作れないとき、私は次の順番で考えるようになりました。
- まず、画像で何を伝えたいのかを確認する
- 指定している言葉そのものが本当に必要か考える
- 表情・人物・動作・物体など、画面上で確認できる要素へ分解する
- 構図が複雑なら、概念を単純な物体へ置き換える
- 何度も登場する概念なら、固定した視覚表現を作る
特に、
「生成できない」ことと「表現できない」ことは同じではない
というのが、今回の制作で大きかった部分です。
ある言葉では生成できなくても、その言葉自体が作品に必要とは限りません。
自分がその言葉によって何を表そうとしていたのかまで戻れば、別の画像表現に変換できることがあります。
ちなみに、私がChatGPTの固定表現として使っているキャラクターは、画像生成中に偶然できた「ChatGPT」と書かれた覆面レスラーです。
偶然できたものですが、固定して使ってみたら、毎回ChatGPTの表現方法を考えなくて済むようになりました。
文系Qiita部
この記事で扱った現象は、ChatGPTと長文を作っている途中で起きたことの一つです。
一つの記事を長期間一緒に作っていると、文章が綺麗に整理されすぎたり、途中の細かい情報が消えたり、誰が最初に言った言葉なのか分からなくなったりと、他にもいろいろな「なんか変だ」が起きました。
それらを一つずつ切り出して観察した記録を「文系Qiita部」にまとめています。
この実験の元になった長文記事
今回のケースは、私がChatGPTと一緒に長文記事を制作している途中で実際に起きたことを、個別に抜き出して整理したものです。
制作過程全体は、noteの
「何も役に立たないAIに書かせた記事が5000円で売れた」
という記事に残しています。
かなり「AIで稼ぐ」系に見えるタイトルですが、これは意図的です。刺激的なタイトルから入った読者が、そのまま読み進めるとどのような内容にたどり着くのか、という実験も兼ねています。
実際の本文は「AIを使えば簡単に稼げる方法」の紹介ではありません。
ChatGPTと記事を作りながら、文章が綺麗に整理されすぎる問題、AIとの長いやり取りで発言者や時系列が曖昧になる問題、途中の思考をどう残すか、人間とAIでどこまで役割分担するか、といったことを試行錯誤した制作記録です。
つまり、タイトルの時点では中身をかなり偽装していますが、Qiitaから来る方には先にネタバレしておきます。
今回の記事を書く際には、この長文記事を制作ログ・メモとして参照しています。