エンジニアの単価について、「経験年数が上がれば単価も上がる」と考えている人は多いと思います。
しかし実際に案件データを見ていくと、これは必ずしも正しくありません。
本記事では Freelance-Engineer.net の活動でお世話になっている Relance さんの公開案件情報を整理・分析した結果から、「年数 × 単価」の関係(2026春)を整理します。
結論
単刀直入に言うと
年数は単価を直接決めない。単価を決めるのは役割(ポジション)である。
分解すると:
- 年数:到達できる上限を決める
- スキル:選択できる役割を広げる
- 役割:単価を決める
年数と単価の実態
傾向としては以下です。
- 〜3年:単価は年数に比例(50〜70万)
- 3〜7年:停滞 or 分岐(60〜80万)
- 7年以上:二極化(70万 or 90万以上)
ここで重要なのは「7年以降の分裂」です。
分岐の正体:なぜ同じ年数で単価が違うのか
単価の差は「スキル量」では説明しきれません。
実際に効いているのは “どの役割を担っているか” です。
ポジションの具体像(ここが重要)
抽象的に「役割」と言うと分かりづらいので、分解します。
① 作業者(Implementation)
- 実装担当
- タスクベース
- 指示を受けてコードを書く
👉 単価:〜70万程度に収まりやすい
② 設計者(Design / Architecture)
- 技術選定
- アーキテクチャ設計
- 非機能要件(性能・可用性など)を考慮
👉 単価:70〜90万帯
③ 意思決定者(Decision / Ownership)
- 要件整理
- 優先順位決定
- 技術的リスク判断
- プロジェクト進行責任
👉 単価:90万以上ゾーン
「スキル → 単価」が直結しない理由
よくあるモデルはこう。
年数 → スキル → 単価
しかし実態は。。。
年数 → スキル ─┐
├→ 役割 → 単価
意思決定力 ────┘
二極化
同じ「Reactが書ける」でも
- コンポーネントを実装する人
- 状態管理設計を決める人
- アーキ全体を決める人
で単価は全く違います。
👉 スキルは役割を通じてしか単価に変換されない
LLM時代による変化(2026春)
何度も擦られた話題ですが、重要な変化です。
以前
- 実装力 ≒ 生産性
- コードを書く質と速さが価値
現在(LLM後)
- 実装はAIが補助
- 誰でも一定速度で書ける
その結果
👉 実装の価値が相対的に下がった
今、単価を決めているもの
LLM時代では以下が重要になります。
- 何を作るか決める力
- 抽象→具体に落とす力
- 不確実な要件を整理する力
- AIに正しく指示する力
- AIの成果物の正しさを検証する力
言い換えると
「コードを書く人」ではなく
「コードを書く前後を推進できる人」が高単価
エンジニア不要論への反論
LLMの普及でよく言われるのがこれです。
「エンジニアはいらなくなった?」
結論から言うと:
不要になるのは“作業者”であり、エンジニア自体ではない
なぜか
システム開発の本質は
- 要件が曖昧
- 正解がない
- トレードオフだらけ
- リリース前の正しさ確認や未来予想
です。
AIが苦手な領域
- 優先順位決定
- 仕様の曖昧さの解消
- ビジネス判断との接続
👉 これらは人間がやるしかない・AIもできるけど、最後は「権威性」たる人間の確認が必要
本質
ここまでを一行でまとめます。
単価はスキルではなく「責任の位置」で決まる
行動指針
単価を上げるための現実的なステップ:
- 実装だけで完結しない
- 設計に関与する
- 判断を引き受ける
- 「何を作るか」に踏み込む
おまけ:自己チェック
- 自分は仕様を決めているか?
- 技術選定に関与しているか?
- 誰かの意思決定に依存していないか?
まとめ
年数は入口であり、単価はポジションで決まる。
そして2026年以降は、
そのポジションの価値は、さらに拡大している。