#はじめに
仕事がもともと映像のCG屋さんだったのでMayaやC4Dなどのプリレンダーをずっと使っていましたが
Ue4のプリレンダー機能があまりに優秀なのでDCCツールのレンダラーをほとんど使わなくなった人の話です。
Ueを使うメリットや逆に使ったことでこういうことが困ったよっていうのを書こうと思います。
ちょうど本日こんなものが発表されました。
https://www.unrealengine.com/ja/wakeup?sessionInvalidated=true
これ、リアルタイムです。僕たちが今まで寝る前にレンダリングボタンを押して数フレームなのに朝になってもレンダリングが終わっていないなんてよくある話は過去の話になりそうです。
今はArnoldやVray使ってるけど最近盛り上がってるUeの波に乗りたいな!と思ってるあなたの背中を押せれば光栄です。
実際にこうやって作るんだよ~という解説は公式さんが動画上げているので参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=0Jsm5UN9F_U&ab_channel=UnrealEngineJP
とある講義のために取った動画があるので動画で見たい方は音割れしたこちらの音声を聞きながら読み進めてもらえればと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=qU0zyOBsfzo&t=20s&ab_channel=taku_egg
#UnrealEngineを使う上でのメリット
今までCGツールでやってきたことが数十倍速く、より簡単にできるようになった!
https://twitter.com/takuegg_/status/1454726999210016770?s=20
↑4kで約300フレームが1分前後でマルチパスで出てくる
- レンダリングが爆速、100倍といっても過言ではないです。
Movie Render Queueという機能が追加されてから以前までの映像の書き出しよりもより高品質になりマルチパスも書き出すことができるようになりました。
これによりコンポジットの作業(Ae・Nuke・Flame)との連携がより強化されました。
詳しい記事は下記を参照
映像向け機能
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Nuke13.1にはUeノードが登場!カメラやCryptomatte、Movie Render Queueが同期するので本当にコンポジターは嬉しい!
https://www.youtube.com/watch?v=jK_8OhrtckQ -
レンダリング結果がリアルタイムに見えるためリテイクに強くなります。私が初めてUeを使用した案件は2020の紅白歌合戦の嵐の演出「きみのうた」でした。NDA的にどうがや画像を貼ることはできませんがこの案件の話があったのは12月の上旬。その時点ではVコンもなく3分強のライブ演出をフル3dcgで作りたいとのこと、従来のプリレンダーではとても間に合いませんでした。ギリギリでの製作で常にレンダリングされている状態で結果が見えるので監督やディレクターにZoomで画面共有して見た目を伝えられるのはコミュニケーションコストも大幅に節約できました。
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アセットの管理が楽です。Dccだと数貸すのアセットストアからダウンロードしてきたobjやfbxがエクスプローラーに散らかってしまいます。自分はPC内の整理整頓が苦手なのでアセットストアからDLしたものをランチャーで可視化、整理してもらうのは本当に助かってます。
映像利用なら価格は無料
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これおかしいと思うんですよね。こんなにいいソフトなのに無料で使えてしまうなんて...
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Mayaの価格は1年で30万円くらい、Adobeも7万前後
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Blenderと合わせて使って最強になりたい!
プログラミング言語が必須ではない
- BPという優秀なノードグラフがあるためにノンエンジニアでも開発ができる。(しかしエンジニア的思考は必要)
つまり参入のハードルが低い
Ueを触ることでゲーム業界と映像業界どちらでも活躍が可能
これに関してはまだ経験が浅いので僕の主観での話になりますが、映像の人間がある程度Ueを使えればゲーム業界でも活躍することは可能だと思います。
元コンポジター出身の自分は今はAAAタイトルのLightingArtistとしてゲーム会社で働いています。
それは映像業界でのコンポジットの技術や知見がポストプロセスや実際のlightingでそのまま使えたからです。
またコンシューマーゲームにはカットシーンというものがあり、大体Ue上のシーケンスで作成されることが多いです。
こちらに関してもUeというソフト自体が非常にハードルの低いソフトであるため
MayaやHoudiniといったソフトに比べて直感的に操作が可能なことからより多くのビジネスチャンスを生み出すことに長けていると考えられます。
勿論Ueだけ使える状態は映像業界でもゲーム業界でも弱いと思いますがメインツールをUeとする事も視野に入れるべきかなとも思います。
#UnrealEngineで辛かったこと
どうしてもプリレンダーに見た目で負ける
- ArnoldやVrayなどの大手rendererと比べて見た目がチープになりがち。ハリウッド級の映画やドラマでUeはまだ使えないかな...とは思うんですけど正直MVやCMなど納期が短すぎるものはUeで効率上げていった方がいいと思います。まじで
CGスタジオの方、いつも短納期でCM/MV本当につらいと思いますし自分もつらい思い何度もしたので愚直に重いrenderer使うの、もうやめませんか?
誰も声を上げないので僕が上げておきます笑
- どんなに素晴らしいモデルやアセットを使っても個人では解決できないバグやチラつきなどがたまーーーーに出ます。前回これ出た時はNeat VideoというAeのプラグインで超えましたがあまりに力技過ぎました。
個人では解決できないって言い方が悪いというか自分の知識不足なんですがどうしても発生します。個人でUeと戦うより複数人で戦った方がいいですね。何事もそうですが。
ワークフローの確立が難しい(初回だけ)
- これは映像業界にいたノンエンジニアの僕の感想です。まず僕がいた業界のワークフローではバージョン管理ソフトというものに馴染みがなく、あって素材サーバーのFTPやSVN、ほとんどの場合は個人で完結するプロジェクトだったのでMayaのプロジェクトファイルやAeの素材収集したものをZipにしてギガファイル便って感じです。これは末端フリーランスの自分だけかもしれません。ですがUeにはバージョン管理ソフトというものがあり複数人で同時に同じプロジェクトの中に入ってオンラインで作業することができます。このワークフローやパイプラインを組むのが正直教えてもらわないと厳しかったです!!
モデリング(Zbrush、World Creator、Maya、substance)
↓
アニメ・リグ・モーキャプ(Maya、Motionbuilder)
↓
エフェクト(Niagara、Houdini)
↓
ライティング(Ue)
↓
ポストプロセス、コンポジット(Ue、Nuke、Ae、DaVinciResolve)
みたいなワークフローをとることが多かったです。バージョン管理ソフトはPerforceかGitを使用します。
#まとめ
以上技術的なことはあまり書いていませんがマトリックスのデモ見てたらこういうことが書きたくなっちゃいました。
概念的な部分で申し訳ありません。
LightingArtistとしてゲーム開発を生業としているのですがライティングに関しては僕よりもっとベテランの方がCGworldでセミナーするみたいなのでそちらを参考にした方がいいと思います。
https://tutorials.cgworld.jp/con/1266?from_category_id=48
映像制作のためのUe使用はもっと広がっていいと思います。今から新しいツールを覚えるのはちょっと...と思っているそこのあなた!!
日進月歩のCGの世界でその考えは危ないかもしれません!
勿論他のソフトを止めてUeを勉強した方がいいというわけではありません!
それぞれのソフトの一番強い部分を使うのがいいですね。
初めての記事を執筆しましたがおそらく大変見づらくなっていますね...来年は気を付けます。
以上UnrealEngineで映像制作のすゝめでした!
上記すべて主観で書いてありますので、質問、ご指摘ありましたら下記のツイッターにお寄せください。
2021年もあと少し、良いお年を!