日本オラクル 大橋勝之氏
ユーザ企業の課題
・開発生産性の低さ
・品質の不安定さ
・運用管理コストの増大
・技術者の育成、リテンション(人材流出防止)の難しさ
オレオレフレームワークの老朽化
J2EEは機能が貧弱だったため、各開発ベンダがそれを補う独自のフレームワークを構築した。そして、ベンダごとの標準化が進んだ。これは当初はうまくいっていた。
しかし、現在そのベンダ独自の「オレオレフレームワーク」が老朽化している。ベンダのフレームワーク開発が下火となり、チームに十分な予算が割り当てられず、サポートが十分でない。または、オレオレフレームワークのオペレーションコストが高くなる。
ユーザは自分たちでフレームワークを管理し保守コストを下げたい。開発ベンダは開発費用が安く済む自前のフレームワークを使いたい。ミスマッチが起きている。
OSSのリスク
Struts、iBATISのサポート終了、脆弱性への対応が必要、バージョンアップ時の動作検証にコストがかかるなど、OSSにロックインしてしまうことがリスクとなる。
JavaのOSS自体が陳腐化している。コミュニティも昔は活発だったが、今は下火。ユーザはもうOSSに辟易している。
JavaEEの進化に追い抜かれる。陳腐化によって生産性が下がるため、「普通に使ったほうが安い」という状態である。
JavaEEの採用
JavaEEの中で開発する流れ(JavaEEを選択する流れ)が起きている。楽天など。
JavaEEは、フレームワークとしてひと通りの機能は提供できるくらい成熟した。J2EE時代のように、各ベンダが追加のフレームワークを作って載せる必要がなくなった。
JavaEEの特長は、
・開発ベンダのフレームワークに依存しない
・OSSに依存しない
そのため、
・バージョンアップの対応コストがかからない
・各開発ベンダごとにバラバラの技術が一本化できる
・技術者の育成が容易である
・海外のリソースを利用しやすい
さらに、
・バッチAPIがJavaEE7から標準化され、メインフレームからの移行が楽になる
・JavaEEの「標準」「後方互換性」を最大限活用できる
JavaEEによる標準化の勘所
・サードパーティ製のライブラリは末端の機能のみなど疎結合にする
・インタフェース部分はJavaEEで標準化する
・構造をパターン化し、カタログを作成する
・パターン利用のガイドラインを作成し、リスクを限りなく排除する
JavaEEによって「フレームワーク」は標準パターンの組み合わせになる。
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資料が公開されました
http://www.oracle.com/technetwork/jp/ondemand/online2015-javaday-2511676-ja.html