DCF法で固定値の無リスク金利と固定値のリスクプレミアムを使うのはなんというか気持ち悪さを感じていた。
将来キャッシュフロー$X$の期待値$E[\cdot]$に対して、これを無リスク金利やリスクプレミアムで割り引くのがDCF法だ。
PV = \sum \frac{E[X]}{1+r_f+\lambda}
である。
でも、好況時と不況時とでは、無リスク金利もプレミアムも異なるだろうし、そもそも将来予測して市況の変化によって割引に使われるべきレートも異なるべきではないか。
あるいはその違いを確率変数の分散効果として式に織り込んでおくべきなのではないかと思っていた。
考えてみれば当たり前なんだが、将来CFと将来における確率的割引因子の共分散を取ればいいことがわかる。確かにこれは直感通りで、今その資産に資金投下することと将来CFの現在価値が一致すべしというDCFの基本思想を限界効用(=効用関数の微分)で表現してやればいい。
なんせ現在消費の限界効用は定数であり、将来キャッシュフローの限界効用は確率変数となるが、これらの比率を取れば確かに、今求めたい将来CFと、将来割引因子を確率変数として捉えることができるわけだ。
この辺の導出は今後執筆する。
とりあえず、結論として導出した意識だけ書いておく。
m= \beta \frac{u'(C_1)}{u'(C_{now})} \\
E[mX] = E[m]E[X]+Cov(m,X)
PV=E[mX]=\frac{E[X]}{1+r_f}+Cov(m,X)
つまり、DCFの基本思想である、そもそも現在価値を消費と見た時の効用と、将来CFを現在に割り引いた時の効用とを比較し、両辺の微分(=限界効用)が一致する点が、DCFにおけるPVを規定する点の限界効用なわけで、ここから出てくる、現在と将来の限界効用の比を確率的割引因子とし、それと将来CFの積を確率変数と見て期待値を取り、これを共分散公式にぶち込んで式変形すれば良いという話。