はじめに
これまで、Copilot Studio に関する沢山の記事を書いてきました。ファイルをアップロードしたり、URL を指定するだけで生成 AI チャットボット (Copilot Studio 的にはエージェント) が作成できるのが長所です。また、チャットベースのエージェントだけではなく、Power Automate のトリガーやアクション等を活用することで自律型のデージェントも作成できるのが魅力です。
そして、Copilot Studio には沢山の種類のナレッジを追加できます。その中の一つに、Power Platform のデータベースである、Dataverse があるのですが、正直、これまでは、こちらのナレッジを追加した際の回答の品質はイマイチでした。
例えば、質問をして、データベースの情報を基に回答をしてもらおうとしたものの、該当する行を見つけて回答を返してくれないことがしばしばありました。こちらの回答の品質に大きく関わる部分は Datavrese のインデックスです。
そして、今回、Dataverse のインデックスが進化しました。2025 の Microsoft Build で案内があったのですが、その機能がいよいよ展開され始めています。
ということで、今回はそちらを基に Copilot Studio の検証を再度行ってみたいと思います。
Dataverse の新しいインデックスを有効化する
こちらのインデックスの有効化について、まず、環境単位で設定をします。新しい機能が展開されている場合、以下のような設定画面になります。
なお、旧設定画面は以下のような感じです。こちらの設定画面となっている場合は、まだ機能が展開されていないと判断できます。
また、環境の設定に加え、Copilot Studio のナレッジとして追加する際に必須かどうかは分かりませんが、以下の設定もしています。
① 列で検索を有効化
② ビューで列を検索対象にする
以下の簡易検索ビューで、検索対象の列をビューに加え、また、検索対象にします。
※こちらが漏れていた場合、Copilot Studio で上手く回答してくれませんでした。その場合の回答例も後述いたします
② ソリューションで Dataverse 検索用にインデックスを作成するテーブルを選択
用意したテーブル
今回は、総務部向けの Q と A を格納したテーブルを用意しました。
検証
Copilot Studio にて、テーブルをナレッジとして追加しました。
以下二つの設定はオフにしています。
今回は、二つのエージェントを作成しています。片方は日本語で、GPT-4o ベースです。
もう片方は、英語で、日本語をセカンダリ言語で追加して、GPT-5 ベースです。
こんな感じで、想定質問と想定回答を用意して試してみました。
ファイルアップロードの場合
まず、個人的に Copilot Studio でナレッジをライトに登録する際、インデックスの精度が一番高いと思うファイルアップロードを再度試してみます。個人的に、Dataverse テーブルを追加した際も、こちらと同等の回答品質になるととても嬉しく、より実用的になると思っています。
これくらいライトな感じで作成しています。
以下のような感じで、ちょっと文言を変えても、Answer 列の内容をいい感じに回答してくれています。
Dataverse テーブルの場合
まず、結論から言うと、少し試してみた感じでは、ファイルアップロードと比較してもほとんど変わらない品質でした。
多少文言を変えても回答してくれています。
社内 WiFi から無線 LAN に文言変えても回答しています。
社員証、ID カード、セキュリティカードいずれの場合も回答してくれています。
住所変更に関して、多少言い回し変えても回答してくれています。
簡易検索ビューの設定が漏れていた場合
自省も兼ねて、簡易検索ビューの設定が漏れていた場合の動作についても記載します。
Question 列しか簡易検索ビューの設定をしていなかったため、レコードは見つかっていそうだったものの、Answer 列の内容を上手く回答してくれませんでした。
また、時々回答をくれた際も、Answer 列に記載されている内容とは別の内容でした。。。
以下は上手く回答をしてくれたパターンです。ただ、ちょっと文言を変えると、上記と同じような感じの回答になりました。
以下も、レコードは見つけているようなのですが、Answer 列の内容を回答してくれませんでした。
まとめ
今回は、Dataverse のインデックスが進化したため、改めて、Copilot Studio のナレッジに追加して検証をしてみました。もちろん、私が検証した範囲での内容ですが、かなりいい感じに回答をしてくれました。
個人的に、こちらの機能の品質が向上したことで、Dataverse にデータを溜めていくことにメリットが更に増すと考えています。
例えば、以前紹介した Plan designer や Generative pages などの新機能は Dataverse をベースにしているため、これらの機能を基にアプリをサクッと作ってデータを溜めて、そのデータを Copilot Studio のナレッジに活用して実用的なエージェントを作成することができると思っています。
また、このような循環が生まれることで 生産性が一層向上し、マイクロソフトにとってはサービス利用促進、ユーザーにとっては業務効率化や迅速な価値創出という双方にメリットがあると考えています。
そのため、引き続きこちらの機能の品質については追求していきたいと思っています。
































