はじめに
Copilot Studio で MCP がサポートされるようになりました。以下の通り、ツールの個所から追加できるようになっています。
今回は、こちらを試してみましたので、記事化したいと思います
MCP とは
多くの Power Platform 市民開発者の方にとって、MCP とは何?という感じだと思いますので、ちょっと調べてみました。ChatGPT に尋ねてみると以下のような返答でした。
Model Context Protocol(MCP)は、Anthropic が提唱した AI モデルと外部システムをつなぐためのオープンスタンダード
分かるようで分からないですよね。個人的には、AI が良い感じに外部システムと連携できるようにするための新しい仕組みで、Copilot Studio もそちらに対応した
と捉えるくらいでも良い気がしています。
そして、Power Platform 市民開発者からすると、外部システムとの連携というと、コネクタ/API が思い浮かぶと思います。
もちろん、引き続きコネクタを利用した Power Apps アプリや Power Automate クラウドフローは強力で、様々な業務効率化の手段になると思いますが、Copilot Studio で MCP がサポートされたことでどんなメリットがあるか、どんなことが嬉しいかについて、検証もしつつ確認していきたいと思います。
検証
今回は、まず、こちらの MCP Server を使ってみたいと思います。
使い方は簡単で、コネクタのように接続を追加するだけです。
入力の追加は、選択しても以下しか出てこないため、一旦何も追加せずにおこうと思います。
ツールの方を見てみます。英語ですが、コネクタのアクション名と似ていますね。
追加できたので、とりあえず、メールを送ってほしいという依頼をしました。そうすると、メールの件名を尋ねてきました。
次は、メールの本文を尋ねてきました。
そうするとメールが送信されました。※なぜか 2 通届きましたが
つまり、こちらの MCP サーバーは、Outlook コネクタで提供されているような機能を会話ベースで利用できる、 不足している情報があれば尋ねるなど、柔軟に動作する
感じになります。
コネクタを使用して同様の処理を実現しようとした場合、メール送信アクションに必要な各種情報(宛先、件名、本文など)を一つずつ質問し、それぞれの情報を変数に格納したうえで、最終的にそれらの変数をメール送信アクションに渡す実装となるでしょう。
会話ベースでお願いをしたい場合、今回の MCP の動作のように、ツールに追加するだけで、不足している情報があれば尋ねるなど、柔軟に動作する方が、使い勝手が良いと思います。
実は、以前から、会話ベースで柔軟にコネクタを利用できる機能として、プラグインアクション (今はコネクタ?) がありました。確か、以前は以下の MSN Weather のコネクタでデモされていた記憶があります。ただこちら、MSN Weather くらいであればいい感じに動いてくれていたのですが、Outlook コネクタなどでは、私が当時検証した限りでは、あまりいい感じに動いてくれませんでした。今回、MCP Server が出てきたことで、ある意味この辺の課題がクリアされていくかも?と思っています。
次に受信したメールについて尋ねてみます。色々聞き方工夫したら何とか返答が来ますが、ライトに聞くとエラーになるため、もう少し柔軟性が欲しいところです。
続いて、こちらも検証してみました。
何やら、会議の日程調整などに使えそうなツールがありそうです。ただ、試してみる限り、日本語だと安定しなかったです。もう少しというところでしょうか。
もちろん、安定的に動作すれば、さまざまな可能性が広がるとは思いますが、現時点では、私の場合、日程調整に関しては、安定して動作している以下の Power Apps で作成したアプリと Bookings を使い分ける形の方が良さそうです。
また、以下の通り、現時点で選択できる MCP Server 以外も追加できるようです。こちらにより、Copilot Studio のできることの幅が更に広がりそうです
まとめ
今回は、Copilot Studio で MCP がサポートされるようになったため、実際に試してみました。検証した範囲では、現時点では正常に動作しないケースもありましたが、今後この機能が安定することを期待しています。
標準で選択できる MCP Server は今後さらに増えていくことが予想され、さまざまな MCP Server をツールとして追加できるようになることで、Copilot Studio の活用範囲は一層広がると感じています。
コネクタとの違いも踏まえながら、上手く使いこなしていければと思います。