はじめに
半年前くらいに、社内の先輩に「世界で一番やさしい考え方の教科書」という書籍をお薦めいただきました!
この書籍は私の中で学びが多く、ビジネスパーソン向けに作られていると思うのですがシステム開発の現場でも置き換えられそう!と思いました。
本書を読んでから、日々の業務で意識することや行動が変わったと感じてます。
今回は、本書から得た学びと、それによって業務がどう変わったのかを言語化することで、自分の中に定着させたいと思い記事を書きました!
この記事では、書籍の詳しい解説は割愛し、特にエンジニアとしての業務に活かせると感じたポイントに絞って紹介します。
本書はストーリー形式で読みやすいので、気になった方はぜひ手に取ってみてください!
考えるとは
「考え方」は誰も教えてくれない。
「よく考える」とは一体、何をどうすることなのだろうか?
どうしたら「考えた」ことになるのだろうか?
上司や先輩から「ここ、もう少しよく考えてみて」と言われても、「"よく考える"って、具体的にどうすれば…?」と、手が止まってしまった経験はないでしょうか。
それが本書を読み進めた大きなきっかけになりました。
世の中にはたくさんの思考をするツールがあると思いますが、本書では全く新しい思考ツールを紹介するのではなく、考える力のある人が自然にしている「考え方」を言語化して再現性を高めることを目指しています。
それが考え方の循環サイクルです。
考え方の循環サイクルの全体像
ビジネスの世界では「一発で正解を出す」のは難しい
「認知・思考・行動」のサイクルをグルグル回すことで、段階的に思考の質を上げていく
明確な答えがある学校のテストと、現実の世界は全く違う最初に考えて出た答えは「たぶんこうなんじゃないか?」という仮説
その仮説を段階的に確信に近づけていけばいい
「認知・思考・行動」1箇所でも苦手なところがあると、サイクルが止まってしまう。
質問で認知を深める
言葉、状況、意図。この3つを意識して話を聞くと、認知が根底から変わる。
黙って聞くのではなく、積極的に質問をしながら聞くことになる。耳を傾けるんじゃなく、必要な情報を自分から取りにいく
質問で主体的に認知を深める。思考に足りない情報は自ら集める
ただ傾聴するのではなく、必要な情報を自ら取りに行くという姿勢は学びになりました。
要件を詰めるにあたっても同じことが言えることかと思いました。
自分の主張は一旦忘れる
自分の意見がしっかりあると、かえって相手の話を素直に聞けなくなってしまう。自分の考えと違うことを言われると、思わず「それは違うでしょ」と言いたくなってしまう
自分の考えを否定されると、認知どころではなく自己弁護に入ってしまう
→ 本来は、状況や意図をきちんと認知してから反論すべきとにかく認知に徹する、思考や主張はその先
それは違うんじゃないかと思っていると相手の話があまり耳に入ってこないということがあるので、注意すべきだなと思いました。
単にモヤモヤと悩んでいるのは思考ではない。「問いに対して考えを巡らせ、答えを出す」という活動が思考
答えなんて誰にも分からない
20点・30点だろうがとりあえず答えを出すことが大事
いきなり80点の答えを出そうとすると身動きが取れなくなってしまう
最初から80点を目指さないといけないのだろうなと思っていましたが、20・30点でも良いからとりあえず答えを出すというのはすごく気持ちが楽になりました!
20・30点で良いから自分なりに答え(仮説)を出し、それをマネージャーやチームメンバー、Bizサイドと相談しながら80点・90点と点数を上げてけば良いという気持ちになりました。
相談は一緒に考えを深める行為
正解がないビジネスの世界では、採点方式だけでは成り立たない
だからこそ、チームで考えて、チームで速く、より良い思考を作り出すべきサッと考えて、仮説をつくる。それをベースに他者と議論して、新たな展開を生み出す
完璧を求める時代は終わった。今は協働と共創の時代いいものを出したいという変なこだわりが、思考の速度を落とすことがある
だから早く考えて、続きは誰かと一緒に深めていけばいい
チームで思考の質を上げる
誰かが1人で考えるんじゃない、上司だって完璧じゃない
上司に思考を任せていると考える習慣がなくなる。そしてある日、自分が考える側の立場になる
考えることをサボっちゃだめ。誰かに正解を求めてもダメ。一人で抱え込んでもダメ思考の4つのStepで素早く考えて、煮詰まったら周囲をうまく使って、再度考えられる状態に戻す。この繰り返ししかない。急がば回れ
以前は、与えられたタスクに対して自分一人で答えを出さないといけないという気持ちが強かったのですが、自分一人で考えるのではなく、チームで思考の質を上げていけば良いんだという気持ちになりとても気持ちが楽になりました!
以前よりも早い段階で相談できるようになったのはこれが大きいのかなと思いました。
またチームで考えて作り上げたものになるので、自信を持ってBiz側に説明できるようになったと感じてます。
簡単に答えを求めない、自分で考える
新しい状況はこの先いくらでも出てくる
知っている人に頼るのも大事なことだが、自分で考えて状況を切り開いていく力がなければ、結局は誰かの言うことをそのまま聞くしかなくなる。
必要なのは経験でも答えでもなく、考える力。
思考力が人生を左右する時代になる
仮説を持てると、応用が効くようになる
一定、書籍で勉強できるだろうが、でもそれだけだと
「教えてもらっていないからできない」「やったことがないからできない」となってしまう「教えてもらっていないことでも、自分で考えて道を切り開く」力が絶対に必要
これだけ変化が激しい時代には、誰も経験していないことがどんどん出てくる、誰もやったことがない、誰も教えられないことばかりの世界にもう変わってしまっている
「考え方」が変わってからの業務の変化
変わった点は大きく2点あります。
- プロダクトに向き合う姿勢
- 悩む時間が減り、行動が増えた
1. プロダクトに向き合う姿勢
以前は、自分が担当するタスクの関心度は高い一方、他のメンバーが取り組んでいるタスクに関しては正直、自分のタスクほど高くはありませんでした。
ですが、現在はチームメンバーが取り組んでいる内容にも関心度を高く持てていると感じており、それは意識的に行なっているものではなく、ここはどうなっているんだろう? この考慮は足りているのかな?と自然と気になるようになりました。
自分の中で「考え方」が変わったからこそプロダクトに対してより前向きに向き合えているのかと思います!
2. 悩む時間が減り、行動が増えた
以前よりも悩む時間が減ったと感じてます。
タスクの要件を詰めるにあたって、今の情報だけだと足りてないなという時にAIに壁打ちしたり、マネージャーやチームメンバーに早い段階で相談するなど、あまり悩まず行動できるようになったと感じています。
それは認知が足りていないのであれば、認知を深めるために行動するしかないと割り切ることができたからです。
勿論、マネージャーやチームメンバーに相談するにあたって、現状の整理とどういう材料を提示したら相手が判断しやすいかなど、なるべく回答者に工数をかけないように意識してます。
それがまた認知を深めるきっかけにもなると思い、思考の質が上がり結果的に出来上がる物の質に繋がっていくのかなと思いました。
AI時代における要件を詰める大切さ
AIが急速に発展している今だからこそ、「要件を詰める」という作業はものすごく大事なことだと感じています。
私の体感上、AIエージェントにタスクを依頼するとき、要件が明確だと一発で精度の高いアウトプットが返ってくる確率が高いなと感じてます。
一方で、最初から完璧な要件をAIに渡す必要はないと思ってます。
荒削りな要件でAIに壁打ちし、それをレビューして考慮漏れに気付き、要件をブラッシュアップしていく
このサイクルを高速で回すことが、AIを有効活用する鍵であり、本書で学んだ「考え方の循環サイクル」そのものだと感じています。
最後に
「考える」ことが早い人は頭の回転が早いからだと思っていましたが、本書を読んで全然そんなことはないのだと気付かされました。
私は「考える」スピードがあまり早い方ではないと自覚しているのですが、それは考える速度が遅いからではなく、悩んでいる時間が長かったからだと気付きました。
悩んでいる時間を短くし、無意識に考え方の循環サイクルを高速で回していけるようになりたいと思ってます!
最後になりますが、本書をお薦めしてくださった @TairaNozawa さん、ありがとうございました!
この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!