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KiroとMCPでAWSアップデート調査を効率化した話

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Last updated at Posted at 2026-07-15

はじめに

AI統合開発環境「Kiro」を使って、AWSの最新アップデート情報を調査し、社内発表資料やブログ記事を作成する一連の作業を行いました。
本記事では、その実践例と得られた知見を共有します。

Kiroとは

KiroはAIアシスタント機能を統合したIDEです。
コード編集だけでなく、ドキュメント作成や情報調査など、開発に関わる幅広いタスクをAIと対話しながら進められます。

特にMCP(Model Context Protocol)との組み合わせにより、外部データソースと連携することで一次情報へのアクセスを効率化でき、確認作業を進めやすいというメリットがあります。

image.png
図1:Kiroの作業画面。左側にエディタ、右側にチャットが配置されています。

実践例:S3アップデート情報の調査と資料作成

今回、Amazon S3の新機能「アカウントリージョナルネームスペース」について調査し、複数の資料を作成しました。
以下、実際に投げたプロンプトと作業の流れを紹介します。

1. 初期調査フェーズ

最初のプロンプトはシンプルです。

このAWSアップデートについて、どのようなアップデートか解説して
https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2026/03/amazon-s3-account-regional-namespaces/

S3のアップデート「汎用バケットのアカウントリージョナル名前空間」

KiroはMCPを通じてAWS公式ドキュメントにアクセスし、アップデートの概要を説明してくれました。ここでMCPの威力を実感します。
従来なら自分でドキュメントを読み込む必要がありましたが、Kiroが要点を抽出して整理してくれます。

image.png
図2:AWS公式ドキュメントから情報を取得している様子

ただし、概要だけでは実務での影響が見えにくいため、次のプロンプトで深掘りしました。

概要だけではなく、具体的にイメージできるようなユースケースをあげて
このアップデートがどのような影響をユーザに与えるか説明してください

これにより、4つの具体的なユースケースと詳細な解説が得られました。
マルチアカウント環境での運用改善や、バケット名の衝突回避など、実務に即した内容が提示されたことで、アップデートの価値が明確になりました。

image.png
図3:MCPを通じてAWS公式ドキュメントから情報を取得している様子

2. 資料作成フェーズ

調査内容を社内で共有するため、発表資料の作成を依頼しました。

このチャット内の情報を社内で発表したいと思います
内容を整理して発表資料を作成してください

Kiroは会話の文脈を理解し、これまでのやり取りを構造化した資料を生成しました。さらに、作成者情報や発表時の注意点も追加で依頼できます。

作成者はTakasaki、作成日は2026年3月13日としてください
再度、発表資料を作成してください
また、私に向けて発表における注意点などをまとめたメモ書きも作成してください

このように段階的に要求を追加していくことで、必要な資料が揃っていきます。

image.png
図4:Kiroが資料を作成している様子

3. 検証準備フェーズ

理論だけでなく実際の動作確認も重要です。検証手順の作成を依頼しました。

どのようなコンソール画面になっているか確認をしたいので、
自分の検証環境でS3バケットの作成を行いたいと思います
その手順と確認観点などをまとめた資料を作成してください

詳細な検証手順書が作成されましたが、実際の作業では簡易版が欲しくなることもあります。

詳細な検証手順をありがとうございます
簡易な検証手順を作成して別のファイルとして保存してください
内容は検証手順のみで大丈夫です

このように、用途に応じた複数バージョンの資料を効率的に作成できます。

4. リスク分析フェーズ

新機能には必ずトレードオフがあります。セキュリティ観点での懸念を投げかけました。

このアップデートは基本的に素晴らしいものであると思いますが、
アカウントIDがS3バケット名にのってしまうのはリスクがあるのではと危惧しています
考えられる具体的なリスクと攻撃、それに対する対応策をまとめた資料を作成してください

Kiroは一般的なアカウントID露出リスクを分析しましたが、今回の新機能特有のリスクに焦点を当てたかったため、方向性を修正しました。

アカウントIDの露出リスクよりも、今回のS3アップデートによる
アカウントID流出の想定されるケースとそれにより発生する可能性があるリスクを
中心に資料を修正してください

このように対話を重ねることで、求める内容に近づけていけます。
image.png
図5:Kiroが書き込みエラーに対応している様子

5. 外部発信フェーズ

最後に、Qiita投稿用の記事作成を依頼しました。
なるべく希望のものになるように詳細なプロンプトを入力しています。

ここまでの内容をQiitaに投稿したいと思います
文字数は5,000~6,000文字、画像は3枚程度の規模を想定しています
このアップデートによるメリットとデメリットを、それぞれ読み手がイメージできるよう
なるべく具体的な内容で作成してください
検証を行う想定でその部分も内容に組み込んでください
検証部分はこちらで修正しますので内容は想定で構わないです

一連の会話から、構造化されたブログ記事が生成されました。
作成されたものから一部修正をしたのが以下の記事です。

S3のアカウントリージョナル名前空間について

6. 振り返りフェーズ

最後に、作業の振り返りとして重要なプロンプトを投げました。

私がKiroに投下したプロンプトを共有したいのでまとめてください
プロンプト一覧としてテキストファイルで出力してください

これは個人的に最も重要なプロンプトだと感じています。
Kiroはクレジットベースで利用量に応じて消費されるため、効率的な使い方が求められます。
作業後に自分が投げたプロンプトを振り返ることで、以下のメリットが得られます。

  • どのプロンプトが効果的だったか分析できる
  • 無駄な問い合わせがなかったか確認できる
  • 次回以降のプロンプト設計に活かせる
  • チーム内でプロンプトのベストプラクティスを共有できる

Kiroは会話履歴を整理し、プロンプトと生成物の対応関係を明確にしたリストを作成してくれます。
これにより、「このアウトプットはどのプロンプトから生まれたのか」が一目瞭然になります。

今回の調査では約15クレジットを消費しましたが、可能な限り最適化しながら質の高いアウトプットを得るには、この振り返りプロセスが欠かせません。

得られた成果物

10個のプロンプトから、以下の8つの資料が作成されました。

  • Qiita投稿用記事
  • セキュリティリスク分析資料(詳細版・簡易版)
  • 検証手順書(詳細版・簡易版)
  • 発表資料
  • プロンプト一覧
  • 発表メモ

image.png
図6:Kiroが作成したファイル

従来であれば数時間かかる作業が、30分程度で完了しました。
特に最後のプロンプト一覧は、今後の作業効率化に向けた重要な資産となります。

Kiroを使って感じたこと

とにかく便利

最も実感したのは、思考の流れをそのまま作業に変換できる点です。
「これについて調べて」「資料にまとめて」「別の視点で分析して」という自然な対話で、複数の成果物が生まれます。

MCPとの組み合わせが強力

特に効果的だったのがMCPとの連携です。
AWS公式ドキュメントから正確な情報を取得できるため、調査時間が大幅に短縮されました。
従来は複数のドキュメントページを行き来しながら情報を集める必要がありましたが、Kiroが必要な情報を統合して提示してくれます。

前日のアップデート情報も問題なく参照できていて、誤った情報や古い情報に基づく説明のリスクも減り、信頼性の高いアウトプットが得られました。

段階的な深掘りが可能

一度に完璧な成果物を求めるのではなく、対話を通じて段階的に内容を深めていけるのも利点です。
最初は概要を掴み次に具体例を追加し、さらにリスク分析を加える、という流れが自然に実現できます。

今後の展望

現在はIDE内での利用が中心ですが、今後はKiro CLIの活用も検討しています。
調査などのタスクを同時実行させたり、必要な拡張機能を追加して作業環境を整えられる可能性があるなど、さらなる効率化の可能性を感じています。

まとめ

KiroとMCPを組み合わせることで、情報調査から資料作成までの一連の流れを効率化できました。
特にAWSのような頻繁にアップデートされる技術領域では、正確な情報を素早く取得し、様々な形式で展開できる点が大きな価値を持つと感じています。
ただ、Kiroの出力結果を盲目的に信用するのではなく、どの情報源を参考にしているかの確認などは最低限必要です。
プロンプトを毎回振り返ってより最適な調査をできるように努めていきます。

参考リンク

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