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お題は不問!Qiita Engineer Festa 2023で記事投稿!

IPアドレスとCIDR表記の理解:AWSでのネットワーキング

Last updated at Posted at 2023-06-29

今回はIPアドレスとCIDR表記について解説します。それぞれの数字が何を示しているのか、そしてどのようにしてAWSのVPC(Virtual Private Cloud)やサブネットを設定するのかをわかりやすく解説します。
当時AWSの本を読んでいたとき、VPCのルーティングを勉強するとき「なんでこんなわかりにくい説明するんだろう」とずっと思っていたので、自分なりに図を使って解説していきたいと思います。

IPアドレスとは

IPアドレスは、インターネット上のデバイスを一意に識別するための番号です。IPv4と呼ばれる現在主流の方式では、IPアドレスは4つの数(各々が0から255の間)によって表現されます。例えば、192.168.1.1などです。
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これらの数値は、それぞれが8ビットのバイナリ数値(2の8乗で256通り)を表しています。そして、それが4つ並んでいるため、全体としては32ビットのバイナリ数値を表現しています。これは理論的には2の32乗、つまり約43億のユニークなアドレスを指し示すことが可能です。

CIDR表記とは

CIDR(Classless Inter-Domain Routing)表記は、IPアドレスとともに使われ、/に続けて数字を記述します。この数字は、IPアドレスのネットワーク部分とホスト部分を区別するために使用されます。

例えば、192.168.1.0/24のような表記を見たことがあるかもしれません。ここでの/24は、32ビットのうち最初の24ビットがネットワークを表し、残りの8ビットがホスト(つまり特定のデバイス)を表すことを意味します。

ネットワーク部分が同じIPアドレスは同じネットワーク(例えば、同じローカルネットワークやVPC)に属します。一方、ホスト部分はそのネットワーク内でのデバイスを一意に識別します。

AWSでのネットワーキング

AWSでは、VPCを作成する際に、そのVPC用のIPアドレス範囲をCIDR表記で指定します。例えば、10.0.0.0/21と指定すると、10.0.0.0から10.0.7.255までのIPアドレスがそのVPC内で使用できることを意味します。この範囲内では2^11(すなわち2048)のIPアドレスが存在します。ただし、最初の4つと最後の1つのIPアドレスはAWSによって予約されています。

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さらに、このVPCをいくつかのサブネットに分割したい場合があります。その際には、それぞれのサブネットにもCIDR表記でIPアドレス範囲を指定します。例えば、10.0.1.0/24と指定すると、そのサブネットでは10.0.1.0から10.0.1.255までの256個(実際には251個)のIPアドレスが使用できます。以下の図の例では、10.0.0.0/21のVPC内に/24のサブネットを作成する例を示しました。

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以下にそれぞれのCIDR表記ごとの詳細を説明します:

  1. CIDRが/25の場合

サブネット1: 10.0.0.0/25 - IPアドレス範囲は 10.0.0.0から10.0.0.127まで、123個の使用可能なIPアドレス。

サブネット2: 10.0.0.128/25 - IPアドレス範囲は 10.0.0.128から10.0.0.255まで、123個の使用可能なIPアドレス。

  1. CIDRが/26の場合

サブネット1: 10.0.0.0/26 - IPアドレス範囲は 10.0.0.0から10.0.0.63まで、59個の使用可能なIPアドレス。

サブネット2: 10.0.0.64/26 - IPアドレス範囲は 10.0.0.64から10.0.0.127まで、59個の使用可能なIPアドレス。

サブネット3: 10.0.0.128/26 - IPアドレス範囲は 10.0.0.128から10.0.0.191まで、59個の使用可能なIPアドレス。

サブネット4: 10.0.0.192/26 - IPアドレス範囲は 10.0.0.192から10.0.0.255まで、59個の使用可能なIPアドレス。

  1. CIDRが/28の場合

サブネット1: 10.0.0.0/28 - IPアドレス範囲は 10.0.0.0から10.0.0.15まで、11個の使用可能なIPアドレス。

サブネット2: 10.0.0.16/28 - IPアドレス範囲は 10.0.0.16から10.0.0.31まで、11個の使用可能なIPアドレス。

このような形で、CIDR表記によりそれぞれのサブネットで利用可能なIPアドレスの数が異なります。これらの値を理解することで、ネットワーキングニーズに合わせた適切なサブネットの設計が可能になります。
このように、IPアドレスとCIDR表記を理解することで、AWSでのネットワーキングがどのように動作するかがわかるはずです。それぞれの数字が何を示しているかを理解し、どのようにネットワークを設計するかについて考えることが重要です。

以上、このチュートリアルがCIDR表記とIPアドレスの理解に役立つことを願っています。

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