前回までの振り返り
前回の記事では、会社のMV(ミュージックビデオ)を(個人的趣味で)作るべく、生成AIを使って「作詞」と「画像素材の作成」まで行いました。
制作フロー(全体の流れ)
- MVのテーマ決め・作詞(前回実施済)
- 画像素材の作成(前回実施済)
- 動画素材の作成(今回ココカラ!)
- 音楽素材の作成
- 動画編集・仕上げ
- MV完成!
今回は前回生成したイラストたちをもとに、「3. 動画素材の作成」から行っていきます!
技術スタック
今回使用したツール・サービスは以下の通りです。
作詞:ChatGPT, Gemini, Claude Sonnet, Perplexity(前回実施済)
画像生成:ImageFX, Ideogram(前回実施済)
動画生成:Google AI Studio(今回ココカラ!)
楽曲制作:Suno AI
動画編集:Filmora
プロンプト生成補助:Gemini
3. 動画素材の作成
さて、前回IdeogramとImageFXで生成した美麗なイラストたち。これを動画にするわけですが、もちろん今回も主役は生成AIです。世の中には画像を動画にしてくれるAIサービスがいくつかあります(Luma Dream Machine,Runway Genなど)。
いろいろ試した結果、今回は 「Google AI Studio の Veo」 をメインで使っていくことにしました!
【Google AI Studio の Veo を選んだ理由】
- 無料で試せる:無料でも8秒程度の動画が生成できるので、お試しにはもってこい
- すぐ試せる:Googleアカウントがあれば、登録や課金なしですぐに生成が始められる
- クオリティが高い:生成される動画の滑らかさや表現力が素晴らしい
- 操作が直感的:画像をアップして、どう動かしたいか指示(プロンプト)を入力するだけ。シンプルでわかりやすい!
さあ、ツールは決まりました。早速、前回の画像たちを動かしてみましょう!
実践!VeoでAI動画生成
まずは、Google AI Studioの公式サイトにアクセスし、Goodleアカウントでログインします。
ログイン後、画面左のメニューから「Generate Media」を選択し、右側に表示される「Explore models」内で「Veo」を選びます。

Veoを選んだ後、画面右側に、Veoのバージョン、生成する動画の個数、アスペクト比などを設定できる項目が表示されます。※現在、無料プランで設定できるのは動画の個数を1か2に選択できるところくらいですね
中央の入力欄にプロンプトを入力して動画生成もできますが、今回は生成した画像から動画を生成するので、プロンプト入力欄右下にある「画像アイコン」を選択します。すると、アップロード方法を選べるので、任意の方法を選択し、画像ファイルをアップロードします。
ここからプロンプトで「どう動かしたいか」を指示することができます。ただ、今回はほとんどプロンプトで指示しませんでした。というのも、何度か試してみた結果、プロンプトを入れない方が自然な動きの動画になったためです。同じ画像で少し動きを変えたい時だけ、指示するようにしました。参考動画を以下にて紹介いたします。
プロンプトなし
プロンプトあり:「激しくドラムをたたく男性」と指示
ちなみに、動画生成AIすごいな!と一番思った動画がこれです(プロンプトなし)
かなり自然に動いてくれていますし、リモート会議の様子がリアルでした!この後は前回作った歌詞の各シーンを思い浮かべながら、次々と動画を生成していきました。
4. 音楽素材の作成
動画素材が揃いました!しかし、MV(ミュージックビデオ)というからには、主役である「音楽」がなければ始まりません。作詞は前回済ませているので、次はこの歌詞にメロディーと歌声をつけていきます。
もちろん、この工程も生成AIにお任せです!
音楽生成AIの有名どころでいうと「Suno AI」と「Udio AI」といったところでしょうか。
そして今回、楽曲制作の相棒として選んだのは 「Suno AI」 です。
【Suno AI を選んだ理由】
- 無料で試せる:無料でも最大4分の楽曲が生成できる
- 日本語に対応:日本語の曲に対応 & Rock/Pop/HipHop等の様々なジャンルに対応
- クレジット付与:Free Plan(無料)の場合は10曲分の50Creditsが毎日付与される
- 自分の好み:Sunoはイントロからまず2分生成され、その後指定した部分から楽曲が延長できます。Udioは1度の生成で33秒生成され、そこから前後に30秒ずつ指定して拡張していく方法です。まずイントロから聞きたい私にとってはSunoの方があっていました
実践!SUNO AIで楽曲生成
Suno AIには「簡単生成(Simple)モード」があるので、楽曲の雰囲気とジャンルを指定するだけでも「歌詞」と「曲」が生成できます。
私は前回の記事で、自作(Gemini作)の歌詞を用意していますので、楽曲の歌詞やスタイルを細かく指定することができる「Customモード」を使用しました。
ブラウザでログイン後の画面にて、「Create」をクリックします。
歌詞を「Lyrics」のスペースへコピペします。
そして「Styles」にタグ形式で曲のジャンルや楽器等を指定していきます。

今回はノリノリのサマーロックにしたかったので、以下を入力しました。
Rock, electric guitar, Summer, High-Tempo
「Lyrics」と「Styles」を入力して、「Create」をクリックすると楽曲が生成されます。
SUNOの使いはじめだけかと思いますが、無料プランで生成できる「v3.5」の2曲とあわせて、有料プランでしか生成できない「v4.5+」の楽曲も2曲生成されます。おそらく「聞き比べてみてよ」というSunoからの無言のメッセージだと受け取って、生成された曲を試聴していきます。
ちゃんと指定した歌詞通り日本語で歌唱されて、1つの曲として成立しており、無料プランでも歌詞とイメージだけでここまで作れるのはすごいな!と思いました。その後は、「Styles」の内容を少しずつ変化させながら、かっこよくて納得のいく楽曲になるまで、生成を繰り返していきました。
何回か無料プランで生成していくことで、気づいたことがいくつかあります
【無料プランの楽曲生成で気づいたこと】
- Rockと指示しているのだが、ラップやヒップホップのような楽曲になりがち
- スピーディなアップテンポ曲にしたく「High-Tempo」と入力していたが、ゆったりした曲になることが多い(深夜に聞きたくなるchill曲になりがち)
- たまに(10曲に1曲程度)、早く歌詞を歌い切ってしまい、その後、聞き取れない歌詞の曲が不思議なメロディで流れる(ちょっと怖い)
- なんとなくボーカルの音声がこもっている気がする(生歌にアレンジ効かせ過ぎな感じ)
ここが無料プランの限界だろう思い、この辺で手を打とうかなと思っていた矢先、「v4.5+」の楽曲も少し試聴できるようなので、聞いてみたところ、、、
す、すごい。まさしく疾走感あふれるロック曲になっていて、ボーカルの声もクリアで、なんといっても曲がカッコイイじゃないですか!?
その後、悩みに悩み、私は有料のProプランに入ることに決め、一番動画のイメージと近いv4.5+の曲にを採用することにしました。。。
この記事を書いた後、SUNO AIのアップデートがありました。
2025/11/29現在、無料プランは「v4.5-all」、有料プランでは「v5」までが利用可能となっています。
ということで、タイトルの「無料で~」の部分は企画倒れとなってしまいましたが、クォリティを求めた故の結果のため、悔いはありません!
参考までに、SUNO AIの3つある料金プランの比較表を簡単にまとめました。
主要なセクション一覧
| 項目 | Free Plan | Pro Plan | Premier Plan |
|---|---|---|---|
| クレジット数 | 無料 | $10 | $30 |
| 曲数 | 10曲/日 | 500曲/月 | 2000曲/月 |
| 同時生成数 | 4 | 10 | 10 |
| 商用利用 | 不可 | 可能 | 可能 |
5. 動画編集・仕上げ
動画編集のツールについては、私がもともとプライベートで家族写真を動画にまとめていた時に、インストールした「Filmora」がありましたので、それを今回のMV制作に使用しました。
使い方は簡単で、画像や動画を繋ぎあわせ、バックグラウンドで音声や音楽を流して、そこに文字を入れたりして、一つの動画を作ることが出来ます。
初心者でも使いやすいので、私はオススメします!
6. MV完成
そして完成したMVがこちらです!
時間はかかりましたが、(ほぼ)無料でMVを作ることができました。こだわりをある程度捨てれば完全無料で作ることができると思います。
最後に、
思い付きの企画ではありましたが、どんどん形になっていく過程を楽しみながらができたのでやってよかったと思っています。
ここまでご覧になって頂きありがとうございました。

