はじめに
ITIL 4では、ITサービスを単に提供するだけではなく、「サービスを通じて顧客と価値を共創する」ことが重要な考え方となっています。
その中で重要な役割を担うのがビジネス関連管理(Business Relationship Management:BRM)です。
IT部門の担当者であれば、
- 利用部門との認識合わせがうまくいかない
- システムは安定稼働しているのに評価が低い
- 要件が後から変わる
- ITとビジネス部門の間に温度差がある
といった経験があるのではないでしょうか。
これらの課題を解決するためにITIL 4ではビジネス関連管理という考え方を提供しています。
ビジネス関連管理(BRM)とは
ITIL 4におけるビジネス関連管理とは、サービス提供者と顧客およびステークホルダーとの関係を確立・維持・発展させるためのプラクティスです。
単純に言えば、「IT部門とビジネス部門の橋渡しを行う活動」と言えます。
IT部門は技術的な観点を持っていますが、ビジネス部門が求めているのは技術そのものではなく、
- 売上向上
- 業務効率化
- コスト削減
といったビジネス成果です。BRMは両者をつなぎ、ITサービスがビジネス価値に結び付くよう支援します。また、顧客との関係を強化し、ニーズや期待を適切に管理することで、結果として顧客満足度向上につながります。
BRMの目的
ITIL 4では、BRMの主な目的として以下が挙げられています。
- 顧客ニーズの把握
- 顧客との信頼関係構築
- ステークホルダーとのコミュニケーション促進
- 顧客満足度向上
- ビジネス目標とITサービスの整合
- 継続的な価値創出の支援
つまり、「顧客が本当に求めている価値を理解し、その価値を実現するためにITサービスを方向付けること」がBRMの本質です。
BRMの主な活動
- 利用部門との定期対話
定例会やレビュー会議を通じて、
- 現在の課題
- 将来の構想
- サービス評価
を把握します。
- 顧客満足度の測定
ビジネス関連管理では顧客満足度を継続的に確認します。
- 顧客満足度(CSAT)
- NPS(Net Promoter Score)
- サービスレビュー結果
- エスカレーション件数
- 要望対応率
などがあります。
- 期待値管理
BRMにおいて特に重要な活動の一つが期待値管理です。
例えば、
利用部門:AIを導入すれば業務工数が50%削減できる
IT部門:現状では10%程度が現実的
というケースがあります。BRMでは双方の認識を合わせながら適切な期待値を形成します。
- 新たな要求の収集
利用部門は常に変化しています。
- 新商品投入
- 法規制対応
- DX推進
- AI活用
などの変化を早期に把握し、IT戦略へ反映します。
ITIL 4時代にBRMが重要な理由
DX時代ではITは単なる支援部門ではありません。
ITIL 4でも、ITはビジネスと共に価値を創出する存在
として位置付けられています。
そのため、
- IT部門
- 事業部門
- ベンダー
- 顧客
が密接に連携する必要があります。
BRMは単に顧客の要求を受け取る活動ではありません。顧客とサービス提供者が継続的に協力しながら価値を共創するための関係づくりを支援することが重要な役割です。
まとめ
ビジネス関係管理(BRM)とは、
「サービス提供者と顧客・ステークホルダーとの良好な関係を構築・維持し、価値共創を実現するためのプラクティス」
です。
ITサービスの品質が高くても、それだけでは顧客満足やビジネスの成果にはつながりません。
- 顧客や利用者のニーズを理解する
- 期待値を適切に管理する
- 信頼関係を構築する
- ビジネス目標とITサービスを整合させる
- 継続的な価値共創を支援する
こうした活動を通じて、ITと事業部門を結び付ける役割を担うのがBRMです。
DXや生成AI活用が進む現在、ITは単なる支援部門ではなく事業価値を共に創出するパートナーとなっています。そのため、ビジネス関係管理の重要性はこれまで以上に高まっていると言えるでしょう。
一般的マネジメントプラクティス一覧
- アーキテクチャ管理
- 情報セキュリティ管理
- ナレッジ管理
- 測定と報告
- 組織変更の管理
- ポートフォリオ管理
- プロジェクト管理
- ビジネス関係管理
- リスク管理
10.サービス財務管理
11.戦略管理
12.サプライヤ管理
13.要因及びタレント管理
14.継続的改善
株式会社ジールができること(宣伝)
AIを活用するためには確かなデータ基盤とPDCAのそもそもPを始めるためのデータの可視化が必要です。ジールではZ-BISS BI製品選定サービスというものを提供しております。はじめてのデータ活用、もっとデータ活用したい方へ。また、数十以上のBI製品を取扱う安心安全のBI選定サービスをご利用になりたい方は、 BI・データ活用の窓口「Z-BISS」 へアクセスしてみてください。