ある時、上司の上司から突然4つの象限のスライドを渡されて、自分の抱えている会議を整理するように言われたことがあります。正直そのときは、「なぜこれで整理できるのか」が全く腹落ちしていませんでした。でも、ポートフォリオ管理について考えを巡らせていると、どうも「7つの習慣」を元にした物事の優先順位を整理するメソドロジーとして考えられていたように思います。ポートフォリオ管理とは、いわば「何をやるか」ではなく「何をやらないか」を組織として決める行為です。しかしながら、世の中には様々な優先順位付けやタスクの整理の手法があって、どれに合わせるのがいいのか、考えれば考えるほどよくわからなくなってきます。
本記事では、そのモヤモヤを整理するために、ITIL4におけるポートフォリオ管理の考え方を軸にしながら、以下の2つのメソドロジーも組み合わせて考えてみます。
- Run / Grow / Transform / Retire
- 「7つの習慣」における時間管理のマトリクス
ITIL4におけるポートフォリオ管理の意義
ITIL4でいうポートフォリオ管理とは、単なる「案件の棚卸し」ではありません。
組織の戦略や価値提供に基づいて、どの投資・活動にリソースを振り向けるかを
限られた時間・リソースの中で「どれを残し、どれを削るか」を決めるための意思決定フレームワークです。
重要なのは次の2点です:
- すべてをやることはできない前提に立つ
- 価値と優先順位を明確にし、トレードオフを受け入れる
つまり、あの「4象限のスライド」は単なる分類ではなく、
意思決定のためのフレームワークだったわけです。
4象限で考えることの本質
4象限というと、真っ先に思い浮かぶのは「7つの習慣」の時間管理マトリクスです。
| 緊急 | 緊急でない | |
|---|---|---|
| 重要 | 第1領域(火消し) | 第2領域(価値創出) |
| 重要でない | 第3領域(錯覚の忙しさ) | 第4領域(無駄) |
このフレームワークのポイントは一つです:
第2領域(緊急ではないが重要)にどれだけ投資できるか
会議で言えば、
- なぜこの会議をやるのか?
- 価値に繋がっているのか?
- 惰性で続いていないか?
という問いを突きつけることになります。
Run / Grow / Transform / Retire で活動を再定義する
ITIL4のポートフォリオ管理と非常に相性がいいのが、この分類です。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| Run | 現行業務の維持・運用 |
| Grow | 改善・効率化 |
| Transform | ビジネス変革 |
| Retire | 廃止・終了 |
これを会議に当てはめると、普段何気なく参加している会議の性質が見えてきます。
例:会議の分類
-
Run
- 定例進捗会議
- 運用報告
-
Grow
- 改善施策の検討会
- プロセス見直し
-
Transform
- 新規ビジネスや企画
- 戦略検討
-
Retire
- 既に目的を失った会議
- 形骸化している定例
2つの視点を掛け合わせる
ここで面白いのは、
「7つの習慣」と「Run/Grow/Transform/Retire」を掛け合わせる
という考え方です。
マトリクス化するとこうなる
| 区分 \ 重要度 | 緊急・重要 | 重要・非緊急 |
|---|---|---|
| Run | 火消し運用 | 本来あるべき運用改善 |
| Grow | 緊急改善 | 継続的改善(理想) |
| Transform | 危機対応 | 戦略投資(最重要) |
| Retire | 急ぎ廃止 | 計画的整理 |
特に重要なのはここです:
- Transform × 非緊急(第2領域)
- Grow × 非緊急(第2領域)
ここに時間を使えているかで、組織の未来が変わります。
なぜ「手法が多すぎて迷う」のか
最初の違和感に戻ります。
「どれに合わせるのがいいのかわからない」
これは当然で、各手法は解く問題が違うからです。
| 手法 | 向いている問い |
|---|---|
| 7つの習慣 | 自分の時間の使い方は適切か? |
| Run/Grow/Transform | 活動の性質は何か? |
| ITILポートフォリオ | 投資配分は適切か? |
つまり、
1つに統一する必要はなく、役割に応じて組み合わせるもの
なのです。
実務での使い方(おすすめ)
実際にやるなら、以下のステップがシンプルで効果的です。
Step1:全部書き出す
- 会議
- タスク
- プロジェクト
Step2:Run / Grow / Transform / Retireに分類
Step3:重要度(7つの習慣)で再分類
Step4:意思決定する
- Retireは思い切ってやめる
- Runは最小限にする
- Growは計画的に回す
- Transformは意図的に時間を確保する
まとめ
あのとき渡された「4象限のスライド」の正体は、
- 優先順位付け
- 投資判断
- 時間の使い方の可視化
を一度に行うためのツールだったのだと思います。
ITIL4のポートフォリオ管理の視点を持つことで、単なるタスク整理から一歩進んで、
「何をやらないか」を決めるための意思決定
ができるようになります。
もし今、会議やタスクに追われているなら、一度こう問い直してみてください。
- これはRunか?Growか?Transformか?それともRetireか?
- これは本当に重要か?それともただ緊急なだけか?
その問いが、仕事の質を一段引き上げてくれるはずです。
一般的マネジメントプラクティス一覧
- アーキテクチャ管理
- 情報セキュリティ管理
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- 測定と報告
- 組織変更の管理
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11.戦略管理
12.サプライヤ管理
13.要因及びタレント管理 ← 今回はコレ
14.継続的改善
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