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ITIL4 情報セキュリティ管理プラクティス 〜敵は海賊、でも定時で帰るらしい〜

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Last updated at Posted at 2026-04-12

敵は海賊、週休二日制で定時に帰る

以前、関わっていた顧客のWebサイトがサイバー攻撃を受けたことがありました。
ログを眺めていて気づいたのですが、攻撃の時間帯に妙なパターンがありました。
なぜか毎回、平日の始業直前に攻撃が始まるのです。
夜中でもなく、休日でもなく、祝日も避ける。
しかも律儀に毎営業日。
発信元は(言葉を濁しますが)隣国。
「これ、中の人は公務員なのでは……?」
などと勝手な妄想をしながら、WAFのログを眺めていた記憶があります。
もちろん、攻撃者の勤務体系など笑い話で済ませてよいものではありません。
攻撃は、こちらの都合などお構いなしに“起こる前提”で考える必要がある。
ITIL4の「情報セキュリティ管理プラクティス」は、その考え方をうまく整理してくれます。

ITIL4における情報セキュリティ管理とは

ITIL4の**情報セキュリティ管理(Information Security Management)**プラクティスの目的は、次の一文に集約されます。

組織の情報を、機密性・完全性・可用性の観点から保護すること

いわゆる CIA(Confidentiality / Integrity / Availability) ですね。
ここで大事なのは、セキュリティ = とにかく堅牢にすること、ではなくビジネスに対する「適切な保護レベル」を維持することだという点です。

ITIL4は「セキュリティ部門だけの話」ではない

もう少し大きなスキームで考えたセキュリティについてはこちらもご覧ください
ITIL4とPESTELで読み解く、企業セキュリティのあるべき姿

ITIL4では、情報セキュリティ管理を専任部門だけの責務とは考えません。
以下のようなプラクティスすべてに、情報セキュリティは横断的に関与します。

  • 開発
  • 運用
  • サービスデスク
  • サプライヤ管理
  • 変更管理

よくある例

  • 変更管理をすっ飛ばした夜間リリース
    → 脆弱性混入
  • サービスデスクの本人確認が甘い
    → なりすまし対応
  • サプライヤ管理不足
    → サプライチェーン攻撃

「どこか一箇所が穴になる」それが情報セキュリティの怖さです。

ISO/IEC 27001との関係

情報セキュリティ管理というと、ISO/IEC 27001を思い浮かべる方も多いと思います。
ざっくり整理すると、

  • ISO/IEC 27001
    • 「何を満たすべきか(要求事項)」
  • ITIL4 情報セキュリティ管理
    • 「どう運用に組み込むか(プラクティス)」

という関係になります。認証取得がゴールになり、下記のような状態を防ぐ意味でも、ITIL4の視点は実務寄りで有効です。

  • 文書は立派
  • 運用は形骸化

実務で意識したいポイント

1. 「完璧」を目指さない
守る価値の低い情報まで過剰に守ろうとすると、下記のような負担につながります。

  • コスト増
  • 運用負荷増
  • 現場疲弊

2. 可用性もセキュリティ
「止めないこと」
「すぐ復旧できること」
これも立派な情報セキュリティです。

3. 人は必ずミスをする

  • 教育
  • 手順
  • 仕組み
    上記でカバーする前提に立つのが現実的です。

4. ログは「見る前提」で残す
あとから眺める場合でも、ある程度にはログは価値があります。

  • 兆候に気づける
  • 妄想できる!(←重要)

おわりに

サイバー攻撃者が定時で帰るかどうかはさておき、こちらは24時間365日、サービスを守る側です。ITIL4の情報セキュリティ管理プラクティスは、
セキュリティを「特別扱い」しないサービスマネジメントの一部として扱うという点で、現場にとてもフィットします。「堅牢さ」よりも「バランス」。敵が海賊でも、こちらは淡々とサービスを守り続けるだけなのです。

一般的マネジメントプラクティス一覧

  1. アーキテクチャ管理
  2. 情報セキュリティ管理
  3. ナレッジ管理
  4. 測定と報告
  5. 組織変更の管理
  6. ポートフォリオ管理
  7. プロジェクト管理
  8. 事業関係管理
  9. リスク管理
    10.サービス財務管理
    11.戦略管理
    12.サプライヤ管理
    13.要因及びタレント管理 ← 今回はコレ
    14.継続的改善

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