同じなのに違う
同じ部門内であっても、組織やチームによってプライマリーKPIは異なります。あるチームはリード本数、別のチームは導入済み顧客への訪問数、案件獲得数、粗利など、フォーカスする指標がそれぞれ違うわけです。
もちろん営利企業であれば、最終的には 純利益 に収斂していくという考え方は間違いではありません。しかし、日々の朝礼で「昨日の純利益は○○円でした」と共有されたところで、社員一人ひとりの行動レベルに落ちるわけではなく、具体的な改善行動にもつながりません。
つまり、組織の最上位指標(純利益)と、現場で日々運用される行動指標(KPI)の間には構造が必要だということです。
まず最初の一歩
対象がシステムなのか、サービスなのか、組織なのかによって扱う要素は異なりますが、どの場合でも最初に必要なのは、その全体像となる アーキテクチャ(構造・設計思想)を定めること です。
ここで役立つのが、ITIL4 の一般マネジメントプラクティスの一つである 「アーキテクチャ管理」 です。
アーキテクチャ管理とは
アーキテクチャとは、システム全体の「骨組み」や「構造」、そしてそれらがどのように機能し連携するかを示す概念です。
これは 建物の設計図 に例えられます。
どの材料を使い、どんな構造にし、どの導線で人や情報が流れるのか――これらを決めることで、建物としての安全性や使いやすさが担保されます。
同様に、組織やサービスも 設計図なしに効率よく動くことはできません。
アーキテクチャ管理の重要性
- システム(組織)の整合性を保つ
アーキテクチャ管理により、組織やシステムの各要素がどう連携し、全体としてどう機能するかを明確化します。
これにより、KPI の設定や業務プロセスがバラバラになることを防ぎます。 - 開発(運営)効率の向上
良いアーキテクチャは、システム開発における効率・保守性・拡張性・信頼性に影響を与えるだけでなく、
組織に置き換えれば、現場のパフォーマンス・意思決定のスピード・改善のしやすさ に直結します。 - 複雑性の管理
複雑なシステムや組織は、適切な構造化やモジュール化(分割)がなければ、全体像が把握できず非効率の温床になります。
アーキテクチャ管理は、全体を正しく分解し、役割や責任を明確にすることで、複雑性をコントロールします。
組織に置き換えたときの本質
実は、ここで説明したアーキテクチャ管理の考え方は そのまま組織やチームにも適用できます。
KPI がチームごとに違うのは「設計思想(アーキテクチャ)」が異なるから
現場に適切な指標が落ちないのは「最上位目標から行動への構造化」がないから
組織のパフォーマンスは「アーキテクチャの良し悪し」に左右される
モジュール性とは、チームの明確な役割分担にも相当する
つまり 組織運営も、サービス提供も、ITシステム開発と同じく“アーキテクチャで決まる” ということです。
補足:「アーキテクチャが違うとKPIも違う」とはどういうことか?(やさしく解説)
アーキテクチャとは、「物事をどう構造化し、どんな考え方で進めるのかという“設計思想”」 のことです。
- 何を価値とするのか
- 誰に提供するのか
- どんなプロセスで成果を出すのか
- どんな役割と責任があるのか
この“設計思想と構造の考え方”がチームごとに違えば、そもそも追うべき指標(KPI)が変わってきて当然です。KPIは結果ではなく、設計思想の反映なのです。
一般的マネジメントプラクティス一覧
- アーキテクチャ管理
- 情報セキュリティ管理
- ナレッジ管理
- 測定と報告
- 組織変更の管理
- ポートフォリオ管理
- プロジェクト管理
- 事業関係管理
- リスク管理
10.サービス財務管理
11.戦略管理
12.サプライヤ管理
13.要因及びタレント管理 ← 今回はコレ
14.継続的改善
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