こんにちは。本橋孝昭です
今回の内容は動画でも解説しています
今回は
Salesforceのページレイアウト・レコードタイプ・ビジネスプロセスをわかりやすく解説してみました
ページレイアウト とは
ページレイアウトとはレコードに表示させる項目や関連リストなどの表示や非表示、並び替えを行うものです
詳細はこちらの記事をご確認ください
Salesforceの標準項目、ページレイアウト、Lightningアプリケーションビルダーについて分かりやすく解説してみた
https://qiita.com/Takaa/items/8f253a4eef84065fb844
レコードタイプ とは
レコードタイプを作成する理由は大きく3つです
1 同じオブジェクトでも異なるページレイアウトを分けたい場合
2 同じ選択リスト項目をつかっても選択リスト値を特定の値だけ表示させたい
3 ビジネスプロセスを出しわけたい(ビジネスプロセスについては後述します)
レコードタイプ作成場面1 同じオブジェクトでも異なるページレイアウトを分けたい場合
例えばSalesforceを営業部で最初に導入した際に
・東京営業所担当の株式会社のデータ
を管理したいとします
その場合、Salesforceで顧客を管理するオブジェクトは一般的に取引先オブジェクトなので、
取引先オブジェクトに東京営業所担当の株式会社のデータを入力することが大事ですね
しかしながら、ほかにもSalesforceを使って顧客管理を広げていきたいとします
例えば先ほどの
・東京営業所担当の株式会社のデータ
以外にも
・関西営業所担当の株式会社のデータ
・学校法人のデータ
・NPO団体のデータ
などです
このような顧客を管理する情報は、やはり一般的には顧客を管理する「取引先」オブジェクトで管理をします
しかしながら
これらのデータは管理したい項目や選択リスト値が違うことが多いです
例えば株式会社では
・上場区分(上場か非上場か)
などの項目を管理したいかもしれないですが、NPO法人や学校法人ではそのような区分はないので項目としては不要ですね
このような場合、
・ステップ1 ページレイアウトをそれぞれ作成
・ステップ2 レコードタイプをそれぞれ作成
により対応可能です
ページレイアウトを作成しレコードタイプを作成すれば、同じオブジェクトでも表示させるページを分けることが可能です
レコードタイプ作成場面2 同じ選択リスト項目をつかっても選択リスト値を特定の値だけ表示させたい
また、同じ選択リスト「所在地」(東京、神奈川 の選択値を作成しどこに法人があるかを選択リストで管理したい)を使っても、入力したい営業担当者によっては明らかに選択しない値もあったりしますね
例えば東京営業所担当の株式会社のデータには「所在地」は
・東京、神奈川、千葉、埼玉
しか選択をしたくない
しかし、関西営業所担当の場合は「所在地」は
・大阪、兵庫、京都、奈良
しか選択をしたくない
という感じです
この場合、レコードタイプを作成することにより、
同じ選択リストを使ってもレコードタイプごとに選択できる値をもともと絞り込むことが可能です
このように、ページレイアウトとレコードタイプを使って同じオブジェクトでも異なるデータの管理を行うことが可能です
今のが大きなページレイアウト、レコードタイプの解説でした。
さて、取引先やカスタムオブジェクトなどは基本上記の考えでいいのですが、
・リード
・商談
・ケース
の特殊な標準オブジェクトの場合、さらに「ビジネスプロセス」ということを考えなくてはいけないです
ビジネスプロセスとは?なぜビジネスプロセスはリード、商談、ケースだけあるの? という理由のざっくり解説
ビジネスプロセスはリード、商談、ケースのオブジェクトのみに考えなくてはいけない考え方です
(ほかのオブジェクトは不要な考えです)
なぜこんなことを考えないといけないのかというと、
これらの標準オブジェクトの特徴は(ほかの標準オブジェクトと違い)
「状況(フェーズ)」が常に変わることです
例えばケースオブジェクトを見てみましょう
ケースはお問い合わせを管理するオブジェクトです
例としては
・パソコンが壊れた
・冷蔵庫を修理してほしい
といったお客様のお問い合わせが起こった場合、ケースレコードを作成しお客様のお問い合わせを完了(クローズ)させるオブジェクトです
ケースにとって一番大事なことは「状況」ですね
お問い合わせが今どんな部署でどんな状態で回っているのか。クローズしているか?クローズしていなければどんな状態で止まっているのか という「ケースの状況」というものが大事です
・パソコンが壊れた という問い合わせが来てるけど1か月放置されました
という会社があったら嫌ですよね
このように、ケースオブジェクトのレコードは
・開始から終了までの動きの流れ
があることがわかります
・開始から終了までの動きの流れ
がある標準オブジェクトはほかにも
・商談開始から商談終了までのフェーズ管理を行う商談
・見込み客獲得から商談に進ませるまでの状況を管理するリード
も該当しますね
このように、
・開始から終了までの動きの流れがとても大事なオブジェクトにはその標準の状況を管理するための特別な標準選択リスト項目がある
ことがわかりました。そして、その特別な特別な標準選択リスト項目の選択値を管理するのが「ビジネスプロセス」です
なお、オブジェクトごとにビジネスプロセスの呼び方はことなります
商談の場合はセールスプロセス
ケースの場合はサポートプロセス
リードの場合はリードプロセス
です
オブジェクト名 管理するデータ内容 標準選択リスト ビジネスプロセス名
リード 見込み客獲得から商談に進めるまでの管理 リード状況 リードプロセス
商談 商談開始から商談終了までを管理 フェーズ セールスプロセス
ケース 問い合わせの開始から完了までを完了 状況 サポートプロセス
レコードタイプ作成場面3 ビジネスプロセスを出しわけたい
例えばあなたは印刷機販売会社です
印刷機販売会社の商談は
・新規機械導入商談
と
・インクカートリッジの交換など消耗品商談
の2種類があったとしましょう
つまり、同じ「商談」でも金額が大きな新規機械導入商談の場合
・課題の考察、メリットの訴求、意思決定者の参道、契約凝結の調整、契約合意、事務手続き、受注or失注
のような細かいフェーズが発生する商談の場合と
安い消耗品の交換なので
・予算の確認、契約合意、事務手続き、受注(or失注)
というシンプルなフェーズが発生する商談の場合があったとしましょう
その場合、1つの商談で複数のフェーズの商談を管理したいのだから
・レコードタイプ
と
・ビジネスプロセス(セールスプロセス)
の作成が必要です
※最初に話した通りレコードタイプを作成すれば選択リストの出しわけが可能ですが、今回のフェーズのような特別な標準選択リストをレコードタイプごとに出し分けたい場合はビジネスプロセス(セールスプロセス)の作成が必要です
まずはセールスプロセスで
・新規商談(課題の考察、メリットの訴求、意思決定者の賛同、契約凝結の調整、契約合意、事務手続き、受注or失注)
・消耗品商談(予算の確認、契約合意、事務手続き、受注(or失注))
を作成します
そしてレコードタイプで
・新規商談
・消耗品商談
を作成し
・新規商談レコードタイプなら新規商談セールスプロセス
・消耗品商談レコードタイプなら消耗品商談セールスプロセス
を割り当てます
なお、今回は新規商談、消耗品商談は同じ項目(同じページレイアウト)を想定しているのでページレイアウト作成は不要です(あくまでもフェーズのみ異なる選択リスト値を表示させたいのみの場合はページレイアウトの新規作成は不要です)