2026年9月15日、SalesforceはDreamforceで「AIforce」を発表しました。その24日後にあたる10月9日、CEOのマーク・ベニオフ氏が、Xで次のように投稿したと報じられています。
The era of Super Intelligence is here. AIForce is officially SIForce.
The era of Super Intelligence is here. AIForce is officially SIForce. https://t.co/xm1MaSraIX
— Marc Benioff (@Benioff) October 9, 2026
日本語にすると、「超知能の時代が到来した。AIForceは正式にSIForceになった」という趣旨です。
AIForce発表から、まだ1か月も経っていません。
ただ、このニュースを理解するには、名前が変わることと、製品の中身が変わることを分ける必要があります。
まず、何が確認できているのか
現時点での整理は、次のとおりです。
ベニオフ氏による、SIforceへの改名発言が報じられている。
10月10日に確認した公式の製品紹介ページには、AIforceという表記が残っている。
今回の改名に伴う機能・料金・提供条件の変更内容は、確認できていない。
ここで大切なのは、最後の点です。
「変更内容を確認できていない」と「何も変わらない」は、同じ意味ではありません。
また、公式ページに旧称が残っているだけで、「改名は正式ではない」とも判断できません。
CEOの発言、サイトや資料への反映、製品・契約の変更。それぞれを確認する必要があります。
そもそも、AIforceとは?
公式説明を簡単にすると、AIforceは、Salesforceのデータや業務の仕組みを、ClaudeやSlackなどのAIインターフェースから利用できるようにする層です。
Salesforceの画面を開いて操作するだけでなく、普段仕事をしている場所から、Salesforceの能力を使えるようにする。
公式発表では、質問への回答に加えて、レコードの更新やワークフローの実行も説明されています。
例えば、営業担当者が商談後に、
「今日の内容を整理して、次の対応を登録したい」
と指示して、業務を進める。これは説明用の仮想例ですが、目指している方向をイメージしやすいと思います。
私は、こうした方向性には期待しています。
一方で、操作が簡単になるほど、裏側のデータや権限が正しく整っていることが大切です。画面を開かなくてよくなることは、管理が不要になることを意味しません。
なお、公式説明ではAgentforceとAIforceは別の役割です。今回の発言から「AgentforceもSIforceに改名する」とは判断できません。
なぜ「SI」なのか。米政府の動きとの関係
今回のSIは、Super Intelligence。日本語では「超知能」です。
背景として、米政府にも呼称変更の動きがあります。
9月29日付の大統領令では、連邦行政機関の公式文書などで、AIに代えてSIという言葉を使うよう指示しています。
ただし、その対象は連邦行政機関です。Salesforceに製品名の変更を命じる内容ではありません。
また、大統領令におけるSIの定義は、当面、既存の法律上のAIの定義を参照しています。
つまり、呼称が変わること自体は、技術的な能力が突然変わった証拠にはならないのです。
Business Insiderなどは、この動きとベニオフ氏の発言を関連づけて報じています。
ただ、私が確認した範囲では、ベニオフ氏本人が「この大統領令を理由に改名した」と説明した一次情報は見つかっていません。
同じ時期に同じ呼称変更の動きがあることと、本人の動機が確認できたことは、分けて考えたいと思います。
