おはこんばんちは。
2021年Wave1でリリースされたLanded Costについて少し調べてみました。
陸揚原価モジュールを使用すると、輸送中の商品の工程 (仕入先の倉庫から始まり、出荷ドック、配送業者、荷揚ドック、配送会社へと移り、最終的には移動先倉庫に到着) の各セグメントを定義および追跡できます。 この可視性により、到着が予測可能になり、倉庫での計画と効率が向上します。
輸出入業務においては、インコタームズで規定される区間の輸出者・輸入者の費用負担(運賃・保険料)の種類が細かくありますが、
このLanded Costは主に、輸入者としての立場でのシナリオで、POや移動オーダーで発生するそうした費用を可視化(正確に見積)してくれるようですね。いいですね。
例えば、テキサスのPC事業者(USMF)が上海のPC部品サプライヤー(Best office supply)から部品を購入するケースで考えてみましょう。
[シナリオ条件]
・インコタームズは"EXW"(工場渡)とする(買主は売主の"倉庫"から商品が離れた瞬間に、その後の危険を負担する)
・そのため、輸送中の管理は買主側で行う
・6週間の輸送時間がかかるとする
[デモ流れ]
①まずはPOを作る。Delivery termsは"EXW"を指定する。
②"EXW"ではGoods in transit managementをオンにする。オンにすると売主の倉庫から商品が離れた瞬間に、仕入先請求書を発行できる。
③次にWarehouseの設定を行う。メインの倉庫(24)に以下倉庫を紐づける。
GIT(Goods in transit)warehouse:積送品(洋上在庫)
UND(Under delivery)warehouse
ここまではただのPO作成の時と変わらないですね。ここからがメインです。
"Voyage"と呼ばれる1隻の船が、売主側倉庫から買主側倉庫までの移動に対して、POに輸送費用をチャージしていきます(④~⑨)。また、輸送を管理もしていきます(⑩)。
④Landed Cost > All Voyages > 新規Voyage作成
⑤VoyageごとのCostの設定
この例では、燃料費$40(固定)という設定をしてます。
⑥先ほどのPOに紐づける(Selected > Add to staging list)
そうするとShipping containerに紐づけたPOが表示されてきます。Shipping containerとは、原価がコンテナーごとに商品に配分される場合、または入庫がコンテナーごとに行われる場合に使用されます。今回はA0001という商品を100個注文してますが、50個50個の2つのコンテナーで分けて入庫するとしましょう。
Shipping containerごとにPOが紐づけられ、そしてそのVoyageに設定されているCostを元に、Shipping containerごとのCostを計算してくれます。View Dimensionは変えられますので、お好きな粒度でどうぞ。
⑦さきほどのPOに戻ると、⑥で50個50個の2つのコンテナーで分けて入庫することになったので、以下のように明細がスプリットされます。Voyageも紐づいていることがわかりますね。
⑧では、次はPOの請求書転記をしましょう。なお、まだこのPOは輸送中(洋上在庫)ですが、②の通り、EXWではこの時点でもう請求書発行できますね。請求書転記はいつもの要領でOKなので、ここでは割愛します。
⑨請求書転記した後に伝票(Vourcher)を見てみましょう。Landed CostのPosting typeでちゃんと費用計上されていますね。おつかれさまでした。
==ひと休みしてください==
⑩次に、輸送の管理という視点で見ていきましょう。さっきのPOはDelivery Date(出荷日)が2021/9/22になっていましたが、じゃあ所要日数どうなってんのかという話がありますよね。
Voyage > Tracking
そうすると、このVoyageの輸送経路が定義されるわけです。車で運んだり、船で運んだり、色々なルートがあるんでしょうね。それぞれの所要日数があって、かつそれらを組み合わせて、全体の入庫日がわかるわけですね。例えば、最初の10-Loadに2021/9/23という日付を入れてあげれば、入庫日は自動で計算してくれます。POのConfirmed Delivery dateが埋まります。