はじめに
Claude Code のターミナルで / を打つと、ずらっとコマンドが並びます。
/batch /claude-api /compact /context
/cost /debug /extra-usage /heapdump
/init /insights /loop /review
/security-review /simplify /update-config /schedule
/clear /export
「なんとなく使ってるけど全部は把握してない」という方向けに、各コマンドの役割・使いどころ・具体例を一本でまとめます。
コマンドの2種類を先に整理する
Claude Code のスラッシュコマンドには、仕組みの異なる2種類があります。
| 種別 | 例 | 仕組み |
|---|---|---|
| ビルトインコマンド |
/clear /compact /cost
|
CLI側で固定ロジックが実行される |
| バンドルスキル |
/batch /simplify /loop /debug
|
Markdownのプレイブックを読み込んでClaudeが実行 |
どちらも /コマンド名 で呼び出せますが、スキル系はAIが判断しながら動くため出力が状況によって変わります。
🔰 セッション管理系
/clear
会話履歴をすべて削除します。コンテキストウィンドウが完全にリセットされます。ファイルへの編集内容は残ります。
/clear
「まったく別のタスクを始めたい」「無関係な前の会話が邪魔」というときに使います。
/compact
会話履歴を圧縮サマリーに置き換えます。会話の流れは保ちつつトークンを節約したいときに使います。
/compact
/clear との違い:/clear は完全消去、/compact は「何を話したか」のサマリーを残す。長いセッションの中盤で使うのがおすすめです。
/context
現在のコンテキストウィンドウ使用状況を表示します。スキルの説明が文字数上限で除外されていないかの確認にも使えます。
/context
/cost
現在のセッションでかかったトークン数と推定コストを表示します。
/cost
API利用料を把握したいときや、長いセッションの費用感を確認するのに便利です。
/extra-usage
セッション内の詳細なトークン内訳(キャッシュヒット率・ツール呼び出し回数など)を表示します。/cost より詳細なビューです。
/extra-usage
/insights
セッション全体の作業サマリーを出力します。「このセッションで何をやったか」を振り返るのに使います。
/insights
/export
現在のセッション内容をファイルに書き出します。後から参照したいセッションのログ保存に使います。
/export
/export session_2026-04-15.md
🔧 設定・初期化系
/init
プロジェクトの CLAUDE.md を生成・初期化します。リポジトリの構造・使用技術・コーディング規約などをClaudeに読み込ませるためのファイルです。
/init
新規プロジェクトで最初に叩くコマンドです。生成された CLAUDE.md を編集することで、以降のセッションに自動で読み込まれるルールになります。
/update-config
Claude Code の設定を対話形式で更新します。モデルの切り替え・権限の変更・メモリ設定などを行えます。
/update-config
/heapdump
デバッグ用途のメモリダンプを生成します。Claude Code 自体の動作に問題が起きたときに使います。通常の開発では使う機会は少ないです。
/heapdump
🚀 コード開発・レビュー系(バンドルスキル)
/debug [説明]
ガイド付きデバッグワークフローを起動します。バグの原因をステップごとに追跡してから修正を提案する、というプロセスを踏みます。
/debug チェックアウトフローでNullPointerが出る
/debug APIレスポンスが500を返す原因を調べて
「とりあえず直して」ではなく「原因を追ってから直す」という順序を強制するのがポイントです。
/review [PR番号 or URL]
コードレビューを実行します。引数なしで実行すると最近の変更差分を、PR番号やURLを渡すとそのPRをレビューします。
/review # 直近の変更をレビュー
/review 123 # PR #123をレビュー
/review https://github.com/... # PRのURLを渡す
バグ・ロジックエラー・エッジケース・スタイル問題・潜在的な問題を網羅的に指摘します。
/security-review
現在のブランチの差分に対してセキュリティ特化のレビューを実行します。SQLインジェクション・XSS・認証バイパス・機密情報の露出などを検出します。
/security-review
/review との使い分け:/review は総合レビュー、/security-review はセキュリティに特化。医療システムや認証系の実装後には必ず実行したいコマンドです。
/simplify [フォーカス指定]
直近で変更したファイルを3エージェント並列でコードレビューし、問題を自動修正します。
/simplify
/simplify メモリ効率に集中して
/simplify エラーハンドリングを重点的に
3つのエージェントが並行して確認する観点:
| エージェント | 確認内容 |
|---|---|
| コード再利用 | 重複処理・共通化できる箇所 |
| コード品質 | 未使用変数・不必要な複雑さ・CLAUDE.mdルール違反 |
| 効率性 | パフォーマンス・無駄な処理 |
/review → /simplify の順が黄金パターン。/review で正確性を確認し、/simplify でコードをきれいにする、という2段階が推奨です。
/batch <指示>
大規模な一括変更を並列エージェントで実行します。コードベース全体に同じパターンの変更を適用するのに特化しています。
/batch src/ の全コンポーネントをクラスベースから関数型に移行
/batch 全ての untyped な関数パラメータに型アノテーションを追加
/batch lodash の依存をすべてネイティブ実装に置き換え
/batch DBカラム名をcamelCaseからsnake_caseに統一
内部では以下のフローで動きます:
1. Explore エージェントがコードベースを調査
2. 変更を 5〜30 の独立した作業単位に分解
3. 承認を求める(ここで内容を確認できる)
4. 単位ごとに独立した git worktree でエージェントを並列起動
5. 各エージェントが実装 → テスト → PR作成
git リポジトリが必須です。worktreeを使って各エージェントが独立したブランチで作業するため、マージコンフリクトが発生しません。
/batch に向いている指示のパターン:
✅ 「全ファイルのXをYに変える」という均一な変更
✅ 「全コンポーネントにテストを追加する」
✅ 「import文をすべて整理する」
❌ 「認証システムを作り直す」(単一の複雑なタスク)
❌ 「バグを直して」(パターンが均一でない)
/claude-api
Claude APIのエンドポイントを直接呼び出すためのスキルです。APIのデバッグや、特定のパラメータで動作を確認したいときに使います。
/claude-api
⏱ 自動化・スケジューリング系
/loop [間隔] [コマンドまたはプロンプト]
指定間隔で繰り返し実行するスケジューラーです。セッション中にバックグラウンドで動き続けます。
/loop 5m デプロイが完了したか確認して
/loop 10m /test
/loop 2m /security-review
間隔の単位:s(秒)、m(分)、h(時間)、d(日)
使いどころ:
# CI/CDのステータスポーリング
/loop 3m ステージングへのデプロイが完了したか確認して
# テスト結果の定期監視
/loop 10m /test
# ヘルスチェックの監視
/loop 1m APIの /health エンドポイントが200を返しているか確認して
各イテレーションは独立したコンテキストで実行されるため、長時間ループでもトークンが肥大化しません。セッションを終了するか明示的に停止するまで動き続けます。
/schedule
Anthropicのインフラ上でタスクをスケジュール実行します。/loop がセッション内の繰り返しなのに対し、/schedule はセッションをまたいだ永続的なスケジュールタスクの設定に使います。
/schedule
コマンドの組み合わせパターン
パターン1: 機能実装後の標準クリーンアップ
# 実装完了後
/review # バグ・ロジック確認
/security-review # セキュリティチェック(特に認証・DBアクセス系)
/simplify # コード品質の自動改善
パターン2: 大規模リファクタリング
/init # CLAUDE.mdでプロジェクトルール確認
/batch 全コンポーネントをXXX形式に統一 # 並列エージェントで一括変更
/simplify # 各PRに自動で品質チェック(batchが自動でやることも多い)
パターン3: デプロイ監視
/loop 5m ステージングのデプロイが完了したか確認して
# → 完了を検知したら自動で通知
パターン4: デバッグ → レビュー の流れ
/debug チェックアウトフローで500エラーが出る
# 原因を特定・修正後
/review /diff
カスタムスキルとの統合
/batch や /loop には自分のカスタムスキルを渡せます。
# 独自スキルを定期実行
/loop 30m /my-linter
# 独自レビュースキルをbatchの各エージェントに適用
/batch 全APIエンドポイントに /api-doc-check を適用
カスタムスキルは .claude/skills/<name>/SKILL.md に配置します(詳細は前記事参照)。
まとめ
| コマンド | カテゴリ | ひとことメモ |
|---|---|---|
/clear |
セッション | 履歴を完全消去 |
/compact |
セッション | 履歴をサマリーに圧縮 |
/context |
セッション | コンテキスト使用状況を確認 |
/cost |
セッション | 費用・トークン数を確認 |
/extra-usage |
セッション | 詳細トークン内訳 |
/insights |
セッション | セッションの作業サマリー |
/export |
セッション | セッション内容をファイルに保存 |
/init |
設定 | CLAUDE.md を生成・初期化 |
/update-config |
設定 | Claude Code の設定を変更 |
/heapdump |
デバッグ | メモリダンプ(上級者向け) |
/debug |
開発 ⚡スキル | ガイド付きデバッグ |
/review |
開発 ⚡スキル | 総合コードレビュー |
/security-review |
開発 ⚡スキル | セキュリティ特化レビュー |
/simplify |
開発 ⚡スキル | 3エージェント並列品質改善 |
/batch |
開発 ⚡スキル | 大規模一括変更(並列worktree) |
/claude-api |
開発 ⚡スキル | APIの直接呼び出し |
/loop |
自動化 ⚡スキル | 定期繰り返し実行 |
/schedule |
自動化 ⚡スキル | 永続スケジュールタスク |
⚡ = バンドルスキル(AIが判断して実行)
おわりに
スラッシュコマンドを一通り覚えてからの黄金ルーティンは:
- セッション開始 →
/initでプロジェクトコンテキストを確認 - 実装後 →
/review→/security-review→/simplify - 大規模変更 →
/batchに任せる - 長時間作業の中盤 →
/compactでトークン節約 - 費用確認 →
/cost
「とりあえず /simplify だけ使う」でも十分効果がありますが、/batch × /loop の組み合わせが使えるようになると、Claude Code が別次元のツールになります。
本記事はClaude Codeの公式ドキュメント(code.claude.com/docs)および2026年4月時点の情報をもとにしています。仕様は今後変更される可能性があります。