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この記事はQiita Engineer Festa 2023参加記事です。

人事部にてエンジニア採用を主に担当しています。
今回は直近1年ほどで取り組んできた技術広報に関して実施内容や変化、課題などに触れていきたいと思います!
※本記事は技術広報のTips紹介ではなく振り返りですので、温かい目で見ていただけると幸いです。

取り組もうと思った背景

表面化していた問題として、エンジニア採用における情報量の少なさがありました。
年々激化していた採用市場。
過去3年ほどの間で採用は如実に長期化し、採用ファネル上の歩留まりでは母集団数に明確な問題があることが見えていました。

母集団の減少をさらに細かく要因分析すると、要因の1つとし世間のエンジニアの方たちが求めている情報をほとんど発信できていないことが挙げられました。

エンジニア以外の採用職種が多く、またインナーブランディングを強化していたタイミングでもあったためカルチャーの訴求を強めた採用広報を行っており、あまり注力出来ていなかったという背景があります。

そこでその他のスクラム採用文化醸成などの取り組みと並行しながら、技術広報における【社外広報】に力を入れていくぞ!宣言をし、「露出祭りじゃ~!」と位置付けた1年がスタートしました。

まずは実際にやったことと結果から簡単に紹介します。

実際にやったこと

露出強化前

情報量の少なさを危惧し2021年にエンジニア版の採用ピッチ資料を作成。
オウンドメディアはエンジニアに特化したメディアではないため、他の記事とバランス良くするためにもエンジニアインタビュー等をちょこちょこと発信する程度でした。

露出強化後

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改めて並べてみると過去と比較しこの1年でアウトプット量が大幅に増えたことがわかります。

実施してみての変化

採用広報・技術広報は直接的なKPIの変化を追いづらいもの。
その前提の上でも、強化を開始してからポジティブな変化が見えてきました。

  • スカウトの返信率が上がった

    • 具体的な数字は公開することが出来ませんが、スカウト文に技術や開発文化に関する情報のURLを含められるようになってから返信率にも変化が見えてきています。
  • カジュアル面談時の相互理解が深まった

    • ほぼ情報がないところから紹介するのと、事前に理解が深まっている状態で会話ができるのだと全然違いますよね。
      これにより、ただ紹介や説明をするのではなく相互理解を深めるための時間に充てられるようになりました。
  • 候補者様から内容に触れていただけることが増えた

    • 応募時、面談時など、「◯◯なところが良いとおもった」「この情報を見て詳しく話してみたいと思った」などのお声をいただけるように…!
  • 直接応募の応募が増えた

    • これまではエージェントさんの紹介やスカウトからの流入が大半でしたが、少しずつ直接応募が増えており、エンジニアの直接応募数は前年比でなんと3倍近くになりました。

技術広報強化にあたり意識したこと

準備すべきこと

取り組むにあたって、本来は以下のような設計が必要です。

  • 自社のテックブランディングの目的・方向性策定
  • ターゲット設定
  • 訴求テーマの設定
  • 手段・チャネル選択
  • 詳細企画
  • 各種指標策定

つまり「どんな人にどのタッチポイントで何の情報に触れ、どんな思いを抱いてほしいか?」というストーリー設計ですね。

テックブランディングの目的や方向性の策定は、会社のブランディングに通ずるものでもあるため、経営層をはじめ関係各所としっかり議論をした上での意思決定が必要です。

また、「採用のしやすさ」のみを主目的とすると外部に公開している内容と実態に乖離が生まれてくる可能性もあるため、内部環境を並行して整え、エンジニアが自分たちの組織を誇り発信したくなるような仕組みづくりも当然必要になります。

予算を使えるタイミングも限られており、あまり設計や検討に時間を掛けすぎないようにまずは「やれることからやっていこう」精神で、スモールスタートでもやりやすい「誰に何を届けるか」という部分の設定からスタートしました。

手段の選択

技術広報といっても、テックブログからイベント等々、チャネルは沢山ありますね。
広報施策は当然すぐに変化が見えてくるものではないです。
そのためチャネルについては短期・中長期の時間軸での成果を見越して選定をしていきました。

  • 短期
    • 採用ファネル上の「応募」「選考中の意欲醸成」に繋がるもの
    • 主にエンジニア採用サイトやブログ記事等による各プロダクトのエンジニアリングについての発信
  • 中長期
    • 採用ファネル上の入り口となる「認知」に繋がるもの
    • 大型のカンファレンス等を通じた「うるるのエンジニアリング」を知ってもらうための活動

ざっくり分けるとこんな感じでしょうか。
カンファレンスはタレントプールを増やす活動にも繋がりますが、過去のデータより応募以前の認知度が著しく低いことが見えていたため、タレントプール構築よりも認知形成を意識していました。

モメンタムの醸成

取り組みを開始するにあたり、エンジニアの巻き込みは必要不可欠です。

もともと技術広報の強化を開始する前からスクラム採用文化醸成の一部として各部署のエンジニアとも定例mtg等で共通認識を持てる機会を増やしていたため、そういった場を通じてジワジワと協力者を募っていきました。

その結果、エンジニア同士の呼びかけや巻き込みが加速し、広報施策に積極的に参加してくれる方たちもじわじわと増えてきていることもとても嬉しい変化です。

細かいところでいうと、エンジニアのせっかくの奮闘を職種問わず社内の多くの人たちに届けていくためにも、毎月開催される全体朝礼のタイミングでカンファレンス登壇やアドベントカレンダーなどの催しは必ず周知をするようにし、称賛の声が届きやすい仕掛けを意識していました。

もっと強化したいこと

1年間各種施策に取り組んだことにより、前述の通りポジティブな変化は多数見えてきており、短期的な成果は出ない覚悟で取り組んでいたため素直に嬉しく思っています。
一方でまだまだ課題も多く、まだまだ妄想段階のものもありますが以下のようなことにもっと取り組めたらな、と思っています。

  • 全社的なテックブランディングの方向性策定

    • 各プロダクトごとの訴求テーマはあれど、今後は全社的なテーマにも取り組みたいと思っています。
  • 環境整備

    • 広報施策に限らず採用活動全体に言えることですが、意欲的に参加してくれるエンジニアが多くいる一方で、今は実務で忙しい中でなんとか時間を捻出してくれています。意欲頼りにならないルール導入などももっと出来たらと思っています。
  • 文化醸成

    • これは「採用」「技術広報」文脈に限らないもので上記の環境整備にも通じますが、自らの組織・文化を誇れる仕組みづくりも両輪で回していきたいです。

さいごに

以前スクラム採用を強化する旨の記事を書きましたが、その後半年程度経過し、内部の変化・採用への好影響も感じ始めています。
担当者として「成果」を見られるのは当然嬉しいのですが、それ以上にやっぱりエンジニア同士が楽しそうに働いているのを見るのが一番うれしいな~と思います。

採用だけに近視眼的にならず、エンジニアをはじめ従業員がより自分たちの会社をより誇りに思える組織づくりを、これからも考え続けていきたいと思います!

ぜひ弊社のエンジニアメンバーの記事もチェックください!

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