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再現性あるエンジニア採用を。暗黙知に向き合おう

Last updated at Posted at 2025-12-21

この記事はうるるAdventCalendar2025の21日目の記事です。
今年のアドカレはシリーズ2に突入!とても盛り上がっていて嬉しい限りです。

はじめに

採用部門のマネージャーをしています。
これまでもエンジニア採用の様々なテーマに向き合ってきましたが、エンジニア採用で人事がどのような役割を果たすべきなのかに触れたいと思います。

人事が「技術的なスキルを評価する」役割を持つことはあまりないですよね。(できるようになりたいけど。。。)
ではヒューマンスキルを評価する役割なのかというと、それも大事なことですがそれだけではありません。

人事が担うべきなのは、

  • 各所で行われている判断を構造として捉えること
  • 個人の感覚を、組織の知として扱える形にすること
  • 採用を“ラッキー”ではなく“再現できる活動”にすること

だと考えています。
その中心にあるのが、採用における「暗黙知」です。

暗黙知をどう乗り越えていくのか?という観点で、エンジニア採用に関わる人事の方や、
「人事とうまく噛み合っていない気がする」と思ったことがあるエンジニアの方に、どちらにも届く内容になれば嬉しいです。

なぜ「暗黙知」に向き合う必要があるのか

  • 「自走できそう」
  • 「このチームには合わない気がする」
  • 「伸びそう」

このあたりは「あるあるワード」としてよく聞くと思います。

「何をもってそう判断したのかな」という背景に共通言語があれば、上記のようなやり取りがなされていてももちろん問題はありません。

暗黙知が問題になるのは、「評価基準が曖昧だから」だけではありません。
もっと大きな問題は、採用活動そのものに対する再現性を生み出せないことにあります。

データを見ても「どこが問題か」分からない

  • 応募数
  • 書類通過率
  • カジュアル面談から選考への移行率
  • 面接通過率
  • 内定承諾率
  • 入社後の活躍・定着

などなど、採用ではたくさんのファネルのデータをみていきます。

ただし暗黙知が多いと、数字は揃っていても「解釈できない」状態に陥ります。
それぞれの仮説の裏付けになるのが「言語化」なんですよね。
何を見て合否の判断をしていたのかなどがわからないと、数字と判断が結びつかない状態になります。

訴求も場当たり的になる

上記のファネルには、自社の判断だけでなく候補者の方の判断が大きく関わってきます。
応募が取れなければ、魅力的に映る内容ではないのかもしれません。
「何を見て採用しているか」が曖昧だと、「何を伝えれば響くのか」も曖昧になります。

  • このチームの魅力は何か?
  • どんな人に来てほしいのか?
  • 相手にとってここで働くメリットはどこにあるのか?

がわからないと、人によって伝えていることが変わったりと面接での会話も採用広報における訴求も再現性を失います。

結果的に

これらが積み重なると、改善も検証も機能しづらく偶然の積み上げになってしまいます。
暗黙知は、「評価」「訴求」「改善」「再現」の採用のあらゆるフェーズに影響します。

だからこそ、人事に役割が生まれるのだと思います。
ここで人事に求められるのは個人の感覚を、組織の判断として扱える形にすることです。

採用部署の思いを知り、共通点と違いを整理する。
この役割は、横断的に関われる人事だからこそ担えるものだと考えています。

人事がエンジニア組織を理解するための4つの軸

「評価」「訴求」「改善」「再現」を機能させるために、人事はどんなテーマを「組織の判断として扱える形」とすればいいのかを、4つの軸で表してみます。

「面接の基準」はあくまでも一例であり、あわせて「訴求できる点はなにか」も整理する必要があります。

① このチームは「何を解決し続けている組織」か

  • 整理すべきポイント:事業課題・ミッション
  • 人事が理解したいこと
    • 何を解決するために存在するチームか
    • 何がボトルネックになっているのか(事業・プロダクト)
  • 面接の基準に落とし込むならば
    • 課題を前提に話しているか
    • 課題の先の理想を描けているか
    • その技術や取り組みが「なぜ必要だったか」を説明できるか

②このチームは「今、何を優先して開発しているか」

  • 整理すべきポイント:フェーズ・制約・技術の目的
  • 人事が理解したいこと
    • このチームは今、何を一番大事にしているのか
    • 技術は“手段”としてどう使われているか
    • スピード/品質/安定性/拡張性など、どんな部分に重きを置いているか
  • 面接の基準に落とし込むならば
    • 技術的な判断をするときに基準としていたポイント
    • 自分のやりたいことと、チームの優先度をどう接続しているか

③このチームは「どうやって成果を出す集団か」

  • 整理すべきポイント:チーム構造・役割・協働の仕方
  • 人事が理解したいこと
    • 個人最適か、チーム最適か
    • 暗黙の役割分担や期待値
  • 面接の基準に落とし込むならば
    • チームの中でどのような役割を持ちどう協働をしてきたか
    • 他者視点で話せているか

④このチームは「これから何に向き合おうとしているか」

  • 整理すべきポイント:未来への変化・成長・未解決領域
  • 人事が理解したいこと
    • 今後の展望と開発課題
    • 技術・組織としての伸びしろ
  • 面接の基準に落とし込むならば
    • プロダクトの中期的な状態を見据えているか
    • チームの課題と自分の関心を接続できているか
    • 学ぶ意欲・変化への向き合い方

プチ質問事例集

整理すべき観点が見えてくればもうあとは言語化していくのみです。
エンジニアとの打ち合わせで「何からどう聞こう…」と思う人事の方向けに、以下のような質問例を置いておきます。
(「もっとこういうこと聞いてほしい」というエンジニアの方からのご指摘もお待ちしてます!)

① このチームは「何を解決し続けている組織か」

「ここが解決できたら、理想に近づくというポイントはどこですか?」
「このチームができた当初は、何を解決するためでしたか?」
「最初と比べて、課題はどう変わってきましたか?」

② このチームは「今、何を優先しているか」

「今は何を一番優先して開発していますか?」
「本当はやりたいけど、今は後回しにしていることってありますか?」
「今この判断をしている理由は何ですか?」

③ このチームは「どうやって成果を出す集団か」

「普段、どんな役割分担で開発が進みますか?」
「このチームで評価をされる人は、どういう動きをしてますか?」
「新しく入った人が最初につまずきやすいのはどこですか?」

④ このチームは「これから何に向き合おうとしているか」

「次に大きな課題になりそうなのはどこですか?」
「1年後に実現しておきたいことは何ですか?」
「そこに向けて、どんなスキルや役割が必要になりそうですか?」
「現在のチームで足りていない観点ってありますか?」

4軸を横断する“深掘り質問

対話の中では問いの質は大きなテーマ。思考の制約を外したり、具体と抽象を行ったりきたりして一緒にまとめていきましょう。

暗黙知を外に出す(制約を外す、具体化する)事例は以下のような感じでしょうか。

  • 「それって、どういう背景があってそうなったんですか?」
  • 「どんなときに今のお話が当てはまりました?」
  • 「他社だとこういう事例があると聞きました。ウチだとどうですか?」
  • 「もし別のチームだったら、同じ判断になりますか?」
  • 「そこが理解できていない人だと、何が起きそうですか?」

ここまで来たら、あとはまとめるのみ!
お互いにしっくりくる言語化に落とし込めるまで、「つまり、こういうことで合ってる?」を繰り返していきましょう。

おわりに

採用の質は言語化の質と直結します。

暗黙知は、正しい問いからしか出てこないものだと思います。
意見を引き出し翻訳してつなぎ、それを組織の標準装備に変えていくのが採用人事の役割といえるかもしれませんね。

それぞれの役割を意識し、組織の資産となる良い採用活動に励みたいと思います。

さて、明日はうるるの大型新人、@moke_webが担当します!お楽しみに!

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